9月13日、米ミネソタ州のHinckleyにあるカジノで行われたライブイベントでついにWhitesnake(以下WS)の新ギタリスト・コンビ、ジョエル・ホークストラとレブ・ビーチの共演が実現しました!この日Scrap Metalに参加していたジョエルが夜にWingerのステージに飛び入りするという形での共演です。(写真はこちら)
レブとジョエルのステージ共演は2人がWSのギタリストとなってから初の公の場での演奏ですから、これは気になる!ということで、その日からあれこれとジョエルに質問して回答をもらいましたので、以下に簡単にまとめてみました。(元ツイートはこちら)
・演奏曲はThe Beatles の "Oh Darlin'" (奇妙だと思うだろうけど、とジョエル)
・この意外な選曲はキップによるもの (WINGERでの演奏は見かけないが、どうやらキップのレパートリーだった模様)
・当日の楽屋での数分の打ち合わせで決まって、演奏はぶっつけ本番。
・ギターソロ・パートでは、レブとジョエルのタッピング・ソロがあった。
・凄く楽しいステージになった、とジョエル。
・ショウ後にはレブとジョエルの打ち上げ会あり。
(ちなみに、翌日からジョエルはNYでミュージカルの仕事に戻り、レブはデヴィカバ様の下でWSのレコーディング作業続きに入りました)
投稿された写真からも分かりますが、レブとジョエルの並びはステージ栄えしますねぇ。早く音が聞きたい。
ジョエルとのやりとりで、彼が相当にいい人である感触を持ったのですが、その感触は音楽メディアによるインタビューを読むとますます強まりましたので、インタビューを和訳してみました。
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【9月4日付Guitar World と9月9日付Melodic Net のジョエル・ホークストラ インタビューより】
WSのギタリスト・ポジションの件はいつ、どうやって知ったの?
僕とダグ・アルドリッチは友達で、偶然にもあのニュースがネット上に出る前夜にメールでやりとりしてたんだ。
そのとき、ダグはあのことについては何も言わなかったけど、間もなくニュースが出るって言ってたんだ。翌日起きたら、ダグがWSを辞めるって話を聞いたんだよ。
WSとのギグはどうやって決まったの?
自分が探りを入れてたことと、何人かの尊敬する人たちが僕を推薦してくれたことが5月にデヴィッドと会ってオーディションを受けるのにつながった。
それは上手く行って、次のステップは8月にタホへ戻って、次のWSアルバム用にプレイすることだった。彼らにとっても僕にとってもこれがしっくりくるかってことを確認するためにね。この時になって、僕は初めてこれが現実になりそうだって実感したんだ。
WSのメンバーになるというのはどんなところが魅力的だった?
結論を出すのにはいろんな要素がからんでる。デヴィッドは明らかにロック界のレジェンドだから、彼と仕事できるチャンスがあったら真剣に考えるべきだ。無論、WSの楽曲はギタリストの夢だしね!それに、WSには世界中にファンがいて、2015年にバンドはツアーする。これもとても魅力的だ。
でも僕はNight Ranger (以下NR)を去ろうとしてた訳じゃない。僕は彼らもあのバンドも大好きだから。ただこのチャンスは行動を起こす意味のあるものだと思ったのさ。
NRのどんなところが別れて辛いと思う?
仲間意識だね。僕らは7年間一緒に過ごして、お互いの結びつきは年毎に強くなっていたから。僕はNRで達成できたこと全てを誇りに思ってる。 3枚のアルバム、"Somewhere in California"、 "24 Strings & A Drummer" と"High Road" は全て評判が良かったし、製作はとても楽しかった。
ブラッド・ギルズとのギター・チームでの演奏は僕の夢の実現の一つでもあった。僕は彼らと共に演奏できて素晴らしい時間を過ごせたし、僕らはこれからもずっといい友達のままさ。
WSには偉大なギタリストが並ぶ歴史があるけど、ギタリストとしてそこへ加わるっていうのはどんな気分?
最高さ。でもそれは常に自分がどれだけ心血を注いだ仕事ができるかというところに行き着くんだ。僕を知ってる人たちは僕がどれほどハード・ワーカーかが分かってる。これは大変なチャレンジだ。でも僕は凄く楽しみにしているし、レブ・ビーチと仕事できるのに興奮しているよ。
WSへの加入は現在の Trans-Siberian Orchestra と Rock of Ages の舞台出演にはどう影響するの?
何も変わらない。今年の11月と12月のTSOツアーには参加するし、僕がWSのツアーにもTSOにも参加していない時はNYにいてブロードウェイのRock of Ages の舞台に週に8回出演するつもりだ。
WSのニュー・アルバムについて少し教えてくれない?
皆、新譜を聞いたら凄く興奮するんじゃないかな。シンプルで思い切りロックしてる。レブと僕の凄くいいギタープレイが入ってて、皆に聞いて欲しくてたまらないよ。もちろんトミー・アルドリッジのドラムも素晴らしい!僕らは皆、これがリリースされて僕らの演奏を聞いてもらえるのが楽しみなんだ。
今手がけている他のプロジェクトは?
サイド・プロジェクトがあって、ドラムがヴィニー・アピス、ベースがトニー・フランクリン、ボーカルがラッセル・アレン(Adrenaline Mob, Symphony-X)なんだ。7曲は録音して出来上がってる。今年中にリリースできるか、もしくはフル・アルバム製作の契約ができればと思っている。(バンド名は未定。キーボードにデレク・シュレニアン、バック・コーラスにジェフ・スコット・ソートが参加しています)
(下のビデオは上記の話とは別のプロジェクトで、今年の6月にEPがリリースされたVHFの1曲。ここで共演したトニー・フランクリンとは次のPJでも一緒です。)
あなたの新たなキャリアで、他に何か楽しみにしていることは?
僕の人生哲学であるハード・ワークがよい結果に結びつくのを楽しみにしている。新たな人たちとの出会いが楽しみだし、自分をポジティブに前進させたいね。今のところ、レブと僕は凄く楽しく仕事できて、クールなギター・パートをレコーディングしたんだ。僕らはとてもいいチームになれそうだし、仕事に取り掛かる準備は万全さ!
あなたに大きな音楽的影響を与えた人とその理由を教えて。
僕の両親はクラシックの演奏家で、僕は3歳でチェロを、7歳でピアノを習い始めたんだ。だから、僕の音楽的基礎に役立ったよ。僕がギターを始めたのは、ロック史上最高のショウマンであるアンガス・ヤングがいたからで、Black Sabbath、AC/DC、 Iron MaidenなんかのHR/HMに影響された。
でもその後もっとメロディックなバンドが好きになった。Journey、Foreigner、Bostonとか。他にもRushやYesのプログレバンドが大好きだし、Led Zeppelin、The Doors、Pink Floydとかのクラシックなロックバンドが好きだ。
ギタリストでは高度なテクニックのプレイヤー、ジョー・サトリアーニ、スティーブ・ヴァイ、スティーヴ・モーズにも影響を受けている。
キャリアの中で一番の思い出は何?
多分、Foreignerのミック・ジョーンズの代役をたったの24時間前に知らされてやったこと。たった1日で彼らのセットを覚えて18,000人の前に立つプレッシャーはとんでもなかった。まるで飛行機からパラシュートを着けたかどうかも分からずに飛び降りるようなものだったよ。でもやってみたら、もう最高だったんだ!
あなたが人生で達成したゴールとまだできていないものは?
僕は19歳からプロのギター・プレイヤーとして活動できた。これって今の時代では簡単じゃないよね。僕はただこのまま活動していきたいし、周りの人たちに対して良い人間でありたいし、家族を養っていきたいし、願わくば、人生の最後に後悔のないように生きたいね。
音楽キャリアをやり直せるとしたら、何を改めたい?
もっと自分に自信を持てていたらと思うよ。そして生産的でない行いはしないでいたい。僕らは皆、ある程度は自己破壊的行動をしてしまうものだから。
今の音楽業界の状況についてあなたはどう思う?
明らかにかつてよりもミュージシャンが生計を立てていくには厳しい時代になったと思う。でも毎朝起きて、出来る限り真剣に働くしかないと思うんだ。そうしていれば、まだたくさんの可能性は残されているよ!
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ツイートやインタビューから、彼のいい人オーラに驚かされるばかりです。Foreignerのミック・ジョーンズの代役をたったの24時間の準備でやったとのこと、スゴ過ぎる。ちなみに、NRに加入した時のジョエルはレブ・ビーチの穴埋めだったのですが、この時は10日で25曲覚えたそうです。ハード・ワーカーになるよね、そういう仕事多そうだし。(笑)
ジョエルの参加するプロジェクトVHF からは複数のビデオがアップされています。ミニアルバム"Very High Frequency"はiTunesで視聴可。"Whispers of The Soul" はヴァイ先生の "Taurus Bulba" なテイストがあって気に入りました。全体的にヴァイ要素のあるインスト・ロックな仕上がりでかなりオススメです。