日本でもドキュメンタリー映画「ジェイソン・ベッカー Not Dead Yet ～不死身の天才ギタリスト～」が劇場公開され、WOWOWでは映画公開に合わせて、最新のジェイソン ドキュメンタリー番組が放送されましたので、ご覧になった方も多いのでは。私も見て爽やかな感動を再び味わってきました。
ジェイソンが今年の10月にHR/HMジャーナリストMitch Lafonのビデオ・インタビューに登場しています。ジェイソンのインタビューがビデオ形式で行われるのは珍しいのでは。映画で行われていたとおり、ジェイソンのお父様がジェイソンの瞳の動きを読んで回答を行っています。一部を和訳してみました。
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あなたはスティーブ・ヴァイが抜けた後のデヴィット・リー・ロス・バンドに入る訳ですが、このバンドで弾くということはヴァン・ヘイレン、スティーブ・ヴァイに続くということで、どう感じましたか？人の期待に応える重圧で不安になったり、怖くなりませんでしたか。それとも興奮していましたか？
不安は全く感じなかった。俺はあの頃怖いもの知らずのバカだったから。俺が恐怖を感じたのは、腕の筋肉が徐々に衰えていった時だ。
デイヴのアルバム "A Lil Ain't Enough" で共演したスティーブ・ハンターとの関係について教えてください。
彼のことは大好きだよ。彼がもしゲイだったら、俺追いかけていたかも（笑）俺たちは親友さ。
（ジェイソン父） 少し付け足させてもらうと、ヴァンクーバーでのレコーディング時、ジェイソンは身体に異変が起きていて、つまずいて転んだりしていたから親としてはとても心配だった。でもスティーブは軍で医療班の経験があったから、ジェイソンの面倒を見てくれたんだ。おかげで我々夫婦は救われたよ。彼は音楽的にも、身体的にも、精神的にもジェイソンを支えてくれたんだ。
デイヴに求められたギターサウンドはどんなものだったの？エディやヴァイのようなサウンド？それとも君らしいプレイで良かったの？
俺のプレイでいいって言ってくれた。俺がしくじっちゃってがっかりさせたけど、俺を必要としてくれた。
しくじったっていうのは、病気のせいだよね？
まぁ、それが言い訳さ。
プロデューサーは有名なボブ・ロックだったよね。彼との仕事はどうだった？
素晴らしかったよ。ただ音を聞いて、俺のプレイをさせてくれた。彼はデイヴの「最高のロックアルバムを作る」ってヴィジョンを実現するための演奏をさせたかったのだと思う。
デイヴはヴァン・ヘイレンを去った理由について話したりした？
全く話さなかった。彼は過去ではなく、今を生きる人だよ。彼はもっとブルージーなクラシック・ロックをやりたかったのだと思う。
デイヴとのツアーは叶わなかったけれど、それはどんな気持ちだった？
俺は自分の状況に対して否定の段階にいた。アルバムを完成できて、ただ嬉しかったんだ。Cacophonyとは沢山ツアーをやって、ツアーの経験もあったから。もし病気がなければ新しいツアーの経験ができたと思う。
デイヴとの現在の関係は？
もう長い間、彼からは連絡がないから、彼がどうすごしているのかは分からない。でも別にいいんだ。もちろん彼に声をかけられたら嬉しいけど、いいんだよ、これで。
映画では何を見せたかったのですか？
あれは俺のアイデアではなくて、最初は断ったんだ。監督のヴィジョンなんだよ。彼は素晴らしい仕事をしてくれた。真実の話で、俺たちの本当の人間性を撮ってくれた。でも俺の泣いてるショットや10代の頃に俺がイングヴェイのコピーをしてるクリップばっかりで、もっとその後の演奏シーンがあれば良かったのにさ。
当初あなたがALSの診断を受けた時には5年の命だと言われましたよね。でもまだあなたは強く生きて活動しています。何がそれを可能にしたのでしょう？
俺には世話をしてくれる人がいたからだと思う。ALS患者の多くはこうした介護を受けることができればもっと生きられるのだと思う。
多くのファンの言うとおり、あなたには生きるという強い意志があります。
全くだ。それは俺に表現者としての愛と情熱があるからだと思う。
あなたは発病後もアルバムをリリースしています。このことについてはどう思っていますか？
幸せなことだよ。俺がギタリストとして世に出られた期間はわずか4年くらいだ。だからデモが残っていたのはとてもうれしい。
この夏の「アイス・バケツ・チャレンジ」は良い目的のために始まりましたが、私には途中から何だか本来の意味を失ったことのように見えました。
たしかにバカバカしい騒ぎにはなったけれど、おかげで多くの資金が集まり、ALSに対する認知度も上がったのは良かったよ。
日本のTVが最近ドキュメンタリーを撮ったそうですが、それは映画とどう違うのですか？
ニュー・アルバムの製作過程にフォーカスしたものになるよ。
ニューアルバムはクラシック寄りで、モダンなコンテンポラリー音楽になる。とても美しい音楽だ。（ジェイソン父談）できれば来年リリースしたいんだ。
