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Green (@ribbon_bear) が毎週好きな音楽ネタを語ります! Since 2011

WINGER Making of Better Days Comin' 「俺がWINGERを好きな理由はそこさ」

新年あけましておめでとうございます。昨年は当ブログの年間ページビューが10万を超えました。趣味の塊みたいなブログですが、今年も書き続けていきたいと思いますので、気長におつきあいいただければ幸いです。

さて、2015年最初は昨年のライブで見事な演奏を聞かせてくれたWINGERのアルバム Better Days Comin' デラックス・エディションについているDVDから。DVDにはこのアルバムのメイキング映像が納められており、それはメンバーへのインタビュー映像とキップ宅でのレコーディング風景を固定カメラで捉えた映像で構成されています。

年末年始にこのDVDを見ながら、インタビュー映像の部分のみ、和訳してみましたので、字幕のついていないこのDVDをお持ちの方、またはDVDを見たことのない方も、彼らのニュー・アルバムに関するコメントをどうぞ。

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キップ  音楽制作こそが俺の人生そのものなんだよ。お前もだろ?

レブ   ああ。俺たちはずっと一緒にいて、いい友達なんだよ。他のバンドみたいに、分裂して、人が入れ替わったりっていうのじゃない。俺たちはただいい人間になったってだけさ。

キップ  ニューアルバムに入れた何曲かは俺たちの最高傑作じゃないかって思うんだ。作曲の成熟度で言えばね。リフはこれしかないという新鮮な閃きがあったものもあれば、それでどうしたらいいのか悩んだものもあった。

キップ  だから、アイデアを全て書き出して、これというアイデアが出てくるまで考えなくちゃならない。いつも素晴らしいアイデアが偶然に閃く訳じゃないから。

キップ  俺たちは以前よりもずっと作曲が上手くなった。以前のようにアイデアに詰まって進まなくなることもあまりない。今ではそのアイデアが曲になるかどうか、ずっと早く判断がつく。俺たち2人とも成長したんだ。

レブ   キップは以前と違って俺のこと尊重してくれるし、実際に俺の意見を聞いてくれるんだ(笑)

ジョン  キップとスタジオに入るのは、他のプロデューサーとは全く違う体験だ。彼はクリエイティブなアイデアにあふれているし、高い集中力があって、どんな演奏が欲しいのか完璧に分かっているんだ。その一方で、「ここは好きにジャムってくれ」って時もある。完全に自由な演奏を任される。キップは変わったプロデューサーだよ。

ロッド  ほとんどのデモでは、キップはシンプルな一つ、二つのメジャー・ドラムビートのプログラムをリズム・トラックとして入れてる程度だ。彼が頭の中にドラムの明確なイメージがある時は少し手を加えてるけどね。ドラマーとしてはとても自由に叩ける。この手の音楽でリズム・トラックを入れるのはいいものさ。

レブ   キップに「この6つの音を使ってリフを書いてくれ」って言われるのは大好きさ。俺の得意だから。

キップ  レブはMr. ミュージックみたいさ。直ぐにクールなリフを思いついてしまう。

レブ   俺とキップの作曲チームの好きなところは、 俺があいつの行き過ぎを制限しつつ、あいつのお陰で俺が普段はやらないような複雑なことができるところだ。だから、俺たちはお互いに凄くいいチームだ。俺たちは正反対だけどさ。

あと、俺はあいつがあんまりあっちの方へ行かないように見張ってるんだ。キップはクラシック音楽の作曲に熱中しているから、でもWINGERはロックだろ。俺はただ3コードでプレイして頭を振ってるようなロック野郎なんだよ。

キップ  俺たちは1stアルバムを作った時と全く同じ方法で制作してる。ドラムマシーンでビートをプレイして、リフを書いて、次のセクションをまた書く。バース、コーラス か バース、プリコーラス、コーラス から次へ、ミドル・セクション、アウトロ、ソロ・セクション。この後はちょっと他とは違うひねりがある。

レブ   ああ、俺がWINGERを好きな理由はそこさ。

レブ   俺がWINGERのアルバムで弾くソロは他とは違うものになる。キップとの作業ってのは、あいつはミュージシャンの最高のプレイを引き出してくれるんだ。

キップ  このアルバムでは "Down Incognito" みたいにやろうと思ったから、ヘヴィでシリアス、ジャージーなリフも沢山入れたけど、同時に俺たちには明るい面もあるんだ。俺たちの苛立ちを取り除くためにさ。

キップ  "Better Days Comin'" は歌詞が浮かんで、それから全てが一気に閃いたんだ。ある日の終わりに出来たんだ。俺たちがコーラスを思いつくと、基本的にはもう出来てしまった。曲が自ら生まれたんだよ。

レブ   曲のオープ二ングのリフを思いついて、ベースパートを入れるところで、分からないけどリフが閃いてそれを思いついたんだよ。ベースパートがリフをセクシーに際立たせて、ユニークな曲になった。70年代のヒッピーなテイストの曲だ。

ジョン  初めて"Better Days Comin'" を聞いた時には驚いたよ。70年代のヒッピー風なハッピー・パーティ曲をWINGERが?って。

ロッド  "Better Days Comin'" みたいな曲ではポリリズムなんかの曲とは違って、洒落たスロウインなんかは出来ない。今までにいく度となくプレイされてきたパターンのビートなのに、聞き手が初めて聞いたと感じるようにプレイするんだ。そういった新しさを感じるちょっとしたプレイは上手くいったと思うよ。

レブ   WINGERのアルバムでは音楽の境界線てのはないんだ。キップが俺から引き出してくれるソロ・プレイが好きだ。時には何を弾いたらいいのか全く分からないときもあるけど、その時は「なんだよ、何か思いつくだろ?こんな感じにさ!」ってキップがハミングしてくれるんで、俺はその通りにギターを弾くんだ。すると、「俺のハミングと違うじゃないか」ってあいつに言われるんだよ。

キップ  俺たち4人の内なる音楽ライブラリーはプログレフュージョンをベースにしてるのさ。俺が今曲を書く時には、ギターとかベースとかのパートを考えるのではなくて、曲の流れ、パートのマッチングを考えるんだ。それらの音の様式がぴったりくる必要がある。

"Tin Soldier" のギターリフは元はキーボードで書いたもので、レブがそれをギターで弾く方法を考えた。キーボードのリフは4/4拍子でこのアンダーパートのリフは5/4拍子だ。この二つが偶然にも上手く合ったんだ。これは俺たちが一緒に作業して上手くいく例の一つだ。

ロッド  私は音楽に複数の要素が込められているのが好きだね。特に "Tin Soldier" では、まず頭に浮かんだことを思い切り好きに叩いて、それからまとめていったんだ。

キップ  バンドの皆といるのは凄く楽しいんだ。皆がいい友達で、よく笑うしね。金の為に集まってるんじゃなくて、ただ楽しいんだ。

レブ   キップはいつも大量の仕事をしてる。俺はただここに来て、ソロ弾いて、ビール飲んで、最高!って言ってるだけさ。(笑)

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ギターソロのインスピレーションが沸かないレブを鼻歌でガイダンスするキップ、そんなスタジオ風景を想像すると微笑ましいです。ニュー・アルバムについてのマスコミ取材のほとんどはキップが答えていましたので、4人のコメントが聞けるDVDは貴重かも知れません。