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Green (@ribbon_bear) が毎週好きな音楽ネタを語ります! Since 2011

ウリ・ジョン・ロート ライブ@ Bottom Line 2015.02.19 神々しいギターにしびれる夜

ウリ仙人のことは、元スコーピオンズということと、G3参加の、ヴァイ先生とも親交あるヴァーチュオソという程度の知識でした。2月の来日ラッシュもあり、見送る予定の公演だったのですが、当日の朝にウリさんの「ナゴヤ オハヨウゴザイマス」ツイートを見て、あーそうか今日名古屋公演なんだな、と思い出しました。

また、私がフォローしている某ギタリストのSNSでウリ・バンドのボーカルが彼の友人であることを知り「ネイサンは凄いよ」と彼が言っていたので、気になって新譜音源を聴いてみると、いい声じゃないですか!ウリさんのギターはヴァイ ファンにとってはツボ押しのような好みの音でしたので、迷ったら行け!だと思い立ち、当日券で参戦しました。

思い立ったのが良かったらしく、良い楽曲と素晴らしいギター演奏に酔いしれながら、楽しい2時間超の濃密なライブ体験ができました。ウリさんの少年のような笑顔も見れ、行って良かった!心からそう思います。

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定刻どおりに小ぶりのライブステージへバンドメンバーが登場しました。ライブハウスは8~9割がたは埋まっていたと思います。(出足が遅かったのは年齢層高めだったからカシラ)
バンドはボーカル、ドラム、ベース、ギター2人、キーボードにウリさんの合計7人。なかなかの大所帯。よくこのステージに収まったなぁ。そして登場したウリさん、ステージ客席から見て左手中央寄りに。

ウリさんにはおしゃれコーディネート大賞あげたい。ターコイズ・ブルーのヘアバンド、ギター・ストラップ、愛器スカイ・ギターのヘッドには同色の羽飾り、ギターのコントロール・ノブのトップもターコイズ カラーだし、極めつけは右手に着けた10cmはあろうかと思われるゴージャスなターコイズのバングル。よく見えなかったけど、ベルトもターコイズでキメてたのね。黒い羽織の下はキラキラ光る素材のブラックTシャツ。仙人おしゃれやん!

オープニングは "All Night Long" でいきなりの盛り上がり!ウリさんのギター・サウンドに身体が揺さぶられる感じ。初めて見たボーカルのネイサン・ジェームズはもの凄くゴージャス!顔はちょっとヒース・レジャー(俳優)似のイケメンなイギリス人なんだけど、長身でデカイ。その彼が狭いステージの先端まで乗り出して、マイクスタンドを大きく抱えながら、派手に動き、熱唱し、観客を煽る様はこれぞロック・シンガー!ハイトーンのシャウトをファルセットで歌いこなす声には感激しました。あと5kg痩せたら超イケメンかも。

「こんばんは、名古屋!久しぶりに日本へ戻ってこれて嬉しいよ。今回はスコーピオンズ40周年のアニバーサリーのライブツアーなんだ。次は "Longing For Fire"」

ウリさんのお言葉前にはネイサンは舞台袖に引っ込んでしまい、出てくる様子がないので、?と思っていたら、次の曲のボーカルはギターのニクラス・タルマンがステージ中央へ。へー、彼歌えるんだ。それにしてもわざわざボーカリストを連れてきているのに、なぜにバンドメンバーも歌うのだろう?ニクラスさんは十分に歌える人だったけど、ロック・ボーカリストの技量ではネイサンが上と思うんだけど…

「次の曲は人生で誤った選択をしてしまった人の歌、"The Sails Of Charon"」

イントロから唸るギターサウンドに続く、民族歌曲調の印象的なリフ、指板をすべるウリさんの指が紡ぎだすメロディ、そこに呼応して音を重ねる2本のギター。音が厚くて、聴き応えたっぷり。オーディエンスの手拍子の上に弾き倒すウリさんのギター最高です。ネイサンのボーカルも鳥肌ものシャウト!

オーディエンスからの「フォーエバー、中野サンプラザ!!」(声めちゃデカい)の掛け声に苦笑いしたウリさん、

「でもここは名古屋だよ!(笑)でもとても感慨深いね。78年にスコーピオンズで初来日してこれを歌って以来、久しぶりに歌うよ、"Kojo No Tsuki"」

ボーカルはギターのニクラス。日本語上手いし、こぶしもまわってて凄い~と思ってたら、途中から歌詞忘れたんでしょうね、「どうしよう?」って大焦りの表情、(この表情がかわいかった~!)「お願い~!!」ってニクラスが歌をオーディエンスにゆだねると、そこは日本人なら知ってる歌ですから、大合唱。ロック・コンサートでこんなの歌ったの初めて。楽しいライブだ!

"In Trance" でのネイサン熱唱シャウトに熱くなった会場を冷まし、ギターのニクラスがマイクを取りました。

「皆楽しんでる?次はとっておきの曲で、ウリがクラッシック・ギターで演奏する"Rainbow Prelude"は毎晩違う即興が聴けるんだ」

ステージ中央にセットされた椅子に腰掛けてナイロン弦の美しいギター(ゴダンギターで、7弦)を抱えたウリさん、紡ぎだすメロディは美しく、スピリチュアル。途中からキーボードが入るとその神々しさはさらに高みへ。心が洗われる音楽というのはこういうものかも知れない。

この時、バンドは舞台袖に掃けていたのですが、袖から一心に巨匠の演奏に見入っているのはもう1人のギター、左利きのデヴィッド君。ウリさんの隣が立ち位置の彼は10代くらいに見える若者。ビジネスキャリアの長そうな他バンドメンバーと違って、初々しく見える彼はウリさんのところで修行してるのかな?その熱心な眼差しに未来のバーチュオソを見たよ。

アコースティック・セットから通常のセットに戻り、次の曲のラストでは大地を割るような地鳴りをアームで響かせるウリさん、またしても神々しいギターにしびれる。

"I've Got To Be Free" の中ほどで、軽くバンドのジャムが始まり、その後はネイサンのボーカルとウリさんの即興掛け合い。これが聴き応えアリ!これぞライブのお楽しみだわ。

ジャムの途中でウリさんが弦交換か休憩なのか、袖に入ってしまいました。それを見た舞台右側のバンド重鎮メンバー、この場を持たせなくてはならないと、バンド内に引き伸ばしのサイン。ギターのニクラスからソロに入って、キーボードのカルビンがソロ、次はデヴィッド君がステージ中央でソロ。彼のことはがんばれー!って心の中で応援してました。ウリさんがステージに戻ると、デヴィッド君はソロ弾きながらそそくさと定位置へ移動。控えめでカワイイのぅ。

次の "Polar Nights" ではウリさんがボーカルをとっちゃって。(確か…)他にボーカル2人もいるんだけど歌いたいんだろうか…本セットのラストは"Dark Lady" でバンドは一旦袖に下がりましたが、アンコールに戻ると4曲もやってくれました。素晴らしい。

約2時間15分。まさかこんなにやってくれるとは思いませんでした。ウリさんお元気。ヘヴィなロック・サウンドからスピリチュアル・サウンドまで堪能できました。このライブは見逃しては大変もったいない、最高レベルのものでした。やはりライブは迷ったら行くべしですね。

本日のセットリスト

01. All Night Long (Scorpions)
02. Longing For Fire (Scorpions)
03. Crying Days (Scorpions)
04. The Sails Of Charon (Scorpions)
05. Sun In My Hand (Scorpions)
06. Virgin Killer (Scorpions)
07. Kojo No Tsuki (Rentaro Taki cover) 
08. We'll Burn The Sky (Scorpions)
09. In Trance (Scorpions)
10. Rainbow Prelude (acoustic improvisation)
11. Fly To The Rainbow (Scorpions)
12. Top Of The Bill (Scorpions)
13. I've Got To Be Free (Scorpions)
14. Polar Nights (Scorpions)
15. Dark Lady (Scorpions)
(encore)
16. Pictured Life (Scorpions)
17. Catch Your Train (Scorpions)
18. All Along The Watchtower (Bob Dylan cover)
19. Little Wing (Jimi Hendrix cover)

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ボーカルのネイサンも気になってこのライブに参戦したのですが、ライブ前に彼にツイートしていたら、ライブ直前に「楽しんで!」と返事をくれて、実はライブ中もかなりネイサンを見てました。(笑)ライブ後に感想を送ると返事をくれたりとうれしい夜。
でもライブでネイサンの出番は半分強くらいで、残念。アンコールの最後で歌わないボーカリストってどうなの?

ウリさんバンドは日本に来る前はアメリカ・ツアーしてて、ボーカリストは違う人でした。ここからは私の想像ですが、日本にはファンも多く、ライブ撮影も予定していたウリさん、ご自身かレコード会社の意向でアルバムと同じボーカリストでライブ撮影するために、今回の来日オンリーの契約でネイサンを英国から呼び寄せたのではないかと思います。日本でライブが見れた私たちはラッキーでした!