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ダグ・アルドリッチ 「僕もヘヴィ・ロックの火を灯していきたい」

ダグ・アルドリッチがメディアのインタビューに答えました。Revolution Saints の活動について、また2月に起こったディー・スナイダーとの争いについて。ダグの答えは彼の人柄がにじみ出ているものでした。

最近のダグは多数のインタビューを受けていますので、その中から新鮮に感じた内容をピックアップして、概要を和訳してみました。

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Revolution Saints はその他多くのプロジェクトとは違ってとても上手く行っているようですが、ライブの予定は?

ビデオ撮影の時に一緒に演奏できる機会があったんだけど、ライブはぜひやりたいって思ってる。ただことの成り行きを見守らないと。ディーンにとっての優先事項はJourneyだから。

でもRevolution Saints でのライブはぜひともやりたいし、最高のものになるよ。ディーンがドラムを叩いたら、僕はいつもより良いサウンドが出せるんだ。ボーカルでは、僕の絡みは少ないけど、僕ら3人は素晴らしいものになると思うよ。

Whitesnakeの曲を何曲かプレイできたらいいな。僕らそれぞれのバンドの曲を演奏するって話は皆でしてるんだ。Journeyからだけでなく、ディーンのソロ曲からとか、Night Ranger か Damn Yankees か Whitesnake から。僕がデヴィッドと作ったけど、これまでライブ演奏したことのない曲、"Call on Me" (Good to Be Bad) とかもしくは、"Forevermore" を Revolution Saints らしく演奏したらどうかって話もしてるんだ。

全てRevolution Saints らしいやり方でアプローチすれば、アルバムよりもさらに多様なライブができると思うんだ。是非ライブで演奏したいよ。レコードを出すのもいいけど、バンドとしてライブ演奏できればもっといい。ライブができれば、音楽的な結びつきも深まって、2ndアルバムも製作できるんじゃないかと思う。でも皆が忙しいスケジュールを抱えてるし、まだ何も決定事項はないんだ。上手く行くことを祈るよ。

この前、ディー・スナイダー(Twisted Sister )がツイッターで君をけなしていたとき、どう思った?

(訳注:2/9にディーがツイッターで「ダグ・アルドリッチが参加したWhitesnakeのアルバムに大したものなんてあったか?」とツイートし、ダグが「僕はただバンドが前進できるようベストを尽くしただけだ。30曲作れて幸せだったよ。でも、あんたはサイテーな奴だな、ハハ」と返信し、さらにディーは「有名なバンドの全盛期後に加入してそのバンド出身を名乗るミュージシャンには飽き飽きしてるんだ。奴らはそのバンドの成功に何の関係もないんだよ!」と投稿。多数のファンも反論を投稿する炎上騒ぎになりかけた。最終的にはディーが謝罪して終了。)

びっくりしたよ。「いったい奴はどうなってるんだ?」って感じだった。分からないよ、とにかく止めて欲しいね。

あれには驚いたよ。私も自分のスマホを2度見して、これはジョークなんだろうかって思ったから。

僕もあれはジョークだと思って返したのさ。要は誰が僕のことをどう思おうが関係ないってことさ。それが僕の友人だったり、家族だったら重要な問題だけどね。

Whitesnakeのファンは僕にとってとても重要で、彼らも僕にとても良くしてくれた。だから僕にとって彼らの気持ちは大切さ。誰にでも意見はある。ディーは自分が何をしたのか、実際のところ分かってないんだよ。僕はただ彼に僕のしたこと、それを誇りに思っていることを言いたかったのさ。

僕らミュージシャンは雇われのガンマンにもなるし、それは仕方ないんだ。だって有名なミュージシャンでさえ定期的にバンドを移ったりするだろう?エリック・クラプトンだってそうだった。とにかく、僕のことやディーのことを皆に悪く言って欲しくないし、ただ彼は一線を越えたから僕は少し言ってやらなくちゃならなかった、ただそれだけなんだ。

私はディーの言っていることは理解できるけど、彼は間違った例を使ったんです。だってあなたがWhitesnake で手がけた2枚のアルバムの方が、ディーがこの長い年月の間に手がけた音楽なんかよりもずっと私は繰り返し聴いていますよ。

だから、こういうことになって欲しくなかったんだよ。比較じゃないんだ。僕は車で移動するとき、メタルの気分に入りたい時には何度もTwisted Sister をかけてた、最高の音楽さ。僕は彼らの音楽に影響されたとか、あれが史上最高だって言うつもりはない。ただ僕は何も比較したくないんだ。

僕を擁護してくれるファンのことはありがたいし、こういうことが起こってしまって申し訳ない。でもこういうことは時に起こってしまうんだ。僕もディーもヘヴィ・ロックの火を灯していきたい。君もそうだよね。僕らはくだらない理由でお互いに石を投げ合う必要なんかない、それこそバカ者だよ。

でもあなたをディーが選んだというのは、あなたが大物になったということですよね。

ディーが僕を選んだ理由は想像がつくよ。きっと彼がヴェガスをドライブしてるときに、僕の看板でも見たんだろう。彼と彼がそのキャリアで成してきた事に対しては尊敬の念しか持ってないよ。彼は善良な人で、家庭人だ。あれはとにかく不幸な失敗さ。

いいかい、この話は僕にとって何でもないんだ。僕がロニーのバンド(DIO)に加入した時、それはもう集中砲火だった。僕はトニー・アイオミ、リッチー・ブラックモア、ヴィヴィアン・キャンベルやクレイグ・ゴールディと比較されたんだ。僕は立ち上がって、攻撃を受け止めなくちゃいけなかった。ディーがやったのはソフト・ボールさ。ミート・ボールを投げたみたいなもんだよ。(笑)

DIOの時代を思い出すと、ロニーはどういう点で特別な人でしたか?

ロニーは一緒にいる人を皆親友のような気分にさせてくれたんだ。ロニーと一緒にいると普段よりも自分がクールに思えるんだよ。デヴィッドもそういう人だ。彼といると本当に普通の友人と一緒にいるみたいなのに。

ロニーやデヴィッドのような人、きっとディー・スナイダーもそうだと思うんだけど、こういう伝説的な人と共にいると緊張を解けないものなんだ。僕はただ自分の仕事をするだけさ。ロニーは僕を心から信じてくれて、多くのことを教えてくれた。ロニーがいなければ僕がWhitesnakeの仕事を得ることもなかった。

デヴィッドはこんなことを言ってくれた。「君が何者かは分かってる。でも君がロニーと一緒にいるのを見て、私の目にはまぎれもなく君は"スネイク"に映ったんだよ」何てクールなんだって思った。

(訳注:これがDIOからダグ引き抜きの口説き落としキメゼリフだったんですねぇ…)

あなたが参加したKISSのトリビュート・チャリティ・アルバムは多くの資金を集めました。お礼を言わせてください。

参加できて良かったよ。実は今僕は子供のチャリティー活動に興味がある。僕の息子は少し前に重い病気で入院して手術したんだ。元気になってくれて本当にほっとしている。その時に知ったのだけれど、多くの子供が病気でずっと病院で生活しているんだ。

アコースティック・ギターを持っていき、彼らに何か演奏したいと思ってるんだ。5分でもいい。僕の犬と遊ばせてあげるのでもいい。あそこはいつもとても静かだから。新鮮な風を吸ってもらいたい。彼らに何か楽しい思いをさせてあげたいんだ。もちろんセキュリティの問題なんかもあるのは分かるけど、何か曲を書いて彼らに演奏したいんだ。実現させる方法を考えてるよ。

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ダグとディーの争いは海外ロック・メディアで大きく取上げられる中、エディ・トランクの番組にディーが出演し、再度ダグへの謝罪を行いました。ダグを名指ししたのはダグが想像したとおり、ベガス在住のディーがダグの看板を見たことが始まりのようです。

番組の中でディーが語った彼の考えの概要をまとめて和訳してみました。

数年前に "Rock Of Ages" を一緒にやった時に、ジョエル・ホークストラに「今、何してるんだ?」って聞くとジョエルは「Night Ranger と(with)プレイしてるよ」と答えた。アル・ピトレリに同じ事を聞くと、「ASIAと(with)プレイしてる」または「MEGADETH と(with)プレイしてる」と答えてた。

アルは決して「MEGADETH に加入(in)した」とか「MEGADETH のメンバーだ」なんてことは言わない。アルはMEGADETH の最盛期のギタリストがマーティ・フリードマンだってことはよく分かってる。アルは雇われギタリストであり、バンドメンバーじゃないんだ。こういう雇われミュージシャンは誰一人としてバンドメンバーではないんだ。

俺がああいう発言をしたのは、オリジナルのバンド設立メンバーに対する尊敬の念からなんだ。小さなバンで寝起きしてツアーに出て、ストリップで自費のライブをやるためにチケットを売り歩いた奴らの多くが忘れ去られている。

雇われミュージシャンのことを「~バンドの」って紹介するのは皆に誤解を与えちまう。「~バンドと(with)プレイした」ならいい、でも「~バンドに加入(in)した」ってのは間違いだ。

今回ダグのことを名指ししたのは間違いだった。それは謝る。これは境界がはっきりしてる話ではないんだ。でもバンドの最盛期後に雇われたミュージシャンのことは、たとえそいつがバンドと30年プレイしたって俺はバンドメンバーとは思わない。(続いて、KISSのトミーとエリックを批判…)

ディーの発言は引き続き論争を呼びそうですね、口を慎んだらいいのに…
バンドのオリジナル・メンバーはもちろん大きな役割を果たしただろうし、尊敬されてしかるべきだけど、バンドを存続させてきた人たちの仕事も評価されるべきなんじゃないかと思うけど。