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ジョエル・ホークストラ vol.2 「僕は世界で一番最高のことを職業にしているんだ」

Whitesnake のジョエル・ホークストラのインタビュー続きです。音楽的影響を受けたバンドや今後のプロジェクトについて。超がつくナイス・ガイなジョエルらしいお話も聞けます。

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現在のあなたのプレイ・スタイルに影響を与え、あなたというプレイヤーを形作ったのは誰でしょう?

分からないよ。多くの人に影響を受けたから。僕がギターを手に取ったのはアンガス・ヤングを見たことがキッカケだったけど、それ以外にも沢山ある。パフォーマンス面、ハード・ロック面とね。技術的な面では早い時期に素晴らしい先生に出会ったんだ。TJ ヘルメリッチで、彼から音楽理論や多くのソロ・テクニックを学んだ。彼の友人のブレット・ガースドも素晴らしいギター・プレイヤーで、そういった人たちの影響を受けているよ。

でも僕の答えはさっきの質問と同じ答えになる。ギター・プレイヤーとしてよりもバンドとしての方が僕には重要なんだ。影響について聞かれた場合、答えはAC/DCBlack Sabbath なんだ、アンガス・ヤング、トニー・アイオミというよりもね。

子供の頃はヘヴィなものを聞いていて、その後もっとメロディックサウンド、Boston や Journey や Foreigner に熱中した。もちろんRush や Yes の偉大なプログレ・バンドは僕に大きな影響をもたらしたね。他にもPink FloydThe Doors 、もちろん Led Zeppelin からも。

さらにもちろん、僕が尊敬するテクニカルなプレイヤーからも。(以前のインタビューではここでスティーブ・モース、ジョー・サトリアーニスティーブ・ヴァイイングヴェイ・マルムスティーンらの名前を挙げています)でも、僕に影響を与えた多くはバンドなんだ。

ギター・プレイヤーとしては興味深いアプローチですね。全部のソロはいらない、バンドとして上手くいけばいいというのは、プレイできるだけで幸せだ、バンドにいられてうれしい、という類の答えに感じますが。

多分、僕は若くしてロック・スターにはなれなかったからだと思う。僕のキャリアの前半はこれといった成功はなかったから、僕はただプロのギター・プレイヤーとして仕事をすることを学んだんだ。だから俺がっていうエゴはなかった。重要なのはギグであり、他のプレイヤーの演奏であり、全体としての仕上がりに貢献するんだ。

だから僕は、G-C-Dの3コードの曲を一晩中プレイしてやたら大量の音を弾きまくる、くだらない音楽シナリオをやるよりも、もっと高いレベルで音楽を演奏したい。キャリアってことだけじゃなくて、そうする方が音楽そのものが良いものになるんだ。

だから僕にとっては全てがやりがいのあることだよ。たとえシンプルな曲をプレイするにしても、とても難しいんだ。正しい音を正確なタイムでプレイしなくちゃいけない。

なるほど。あなたは多くの音楽的影響を受けてきたようですが、あなたが Whitesnake に完璧にフィットしているのはヘヴィなプレイの中にもブルージーなテイストがあるからだと思います。

そうだね、僕はシカゴで育ったから、大きなブルースの音楽シーンがあったし、カントリーもあった。アメリカン・スタイルのさ。僕がシカゴのバーでプレイしていたのはそういう音楽さ。僕はブルース・プレイヤーだとは言わないけど、これまでに沢山のブルースをプレイしてきたよ。

僕はもちろんロック・プレイヤーだと名乗るけれど、あらゆるスタイルの音楽をプレイするのが好きだし、偏った趣味じゃないんだ。さっき言ったように、どんな音楽でも高いレベルの演奏、そのために技術レベルが要求されるものには敬意を抱いているんだ。

次のプランは何かありますか?

まだ名前は言えないけれど、今年の後半に僕のサイド・プロジェクトのアルバムをリリースする。基本的には僕が全て作曲したもので、僕がこのところバンドでプレイした音楽を聞いた人には馴染みのある音楽さ。僕はハード・ロック全盛の時代に育ったから、メロディックなのが好きなんだ。(なお、その後のインタビューでジョエルはプロジェクト名は "Joel Hoekstra's 13" だと明かしています。)

一番ヘヴィでDIOっぽいテイスト、軽くて Foreigner っぽいテイストかな。だからこのプロジェクトはそれを反映しているよ。その両極の間のどこかに収まるものだ。

ボーカリストはロック界最高の2人のシンガーが参加する。ラッセル・アレンとジェフ・スコット・ソートさ。参加ミュージシャンは、ドラムスにヴィニー・アピス、ベースにトニー・フランクリン、スペシャル・ゲストとしてキーボードを弾いてくれたのはデレク・シュレニアン。最高に素晴らしいミュージシャンが僕のロック・ソングをプレイしてくれたんだ。10月リリース予定だよ。

とんでもないラインアップですね。

ああ、悪くないだろ?

私の一番好きなシンガーはジェフ・スコット・ソートなんですよ。ジャーニーのライブをパスしようと思ったけど、彼が歌うって知った時はチケットを買いました。

彼は凄いシンガーだよ。言葉で彼を褒めきれないよ。彼はとにかくいい奴で、彼とはTSOで知り合ったんだ。だから毎年TSOのリハーサルで会うんだよ。彼は西部のカンパニーで僕は東部のカンパニーだけど、リハーサルで出会って親しくなったんだ。

(注:Trans-Siberian Orchestra は毎年11月~1月の冬季に大規模な全米ツアーをする、巨大ロック・クラシックのプロダクション。中西部をツアーするTSO West と東海岸をツアーするTSO Eastがあるが、両カンパニーともリハーサルは一緒に行う)

彼がソロアルバムの "Damage Control" に曲が必要だった2011年、僕は彼と何曲か共作して、それは "Look Inside Your Heart" と "Never Ending War" ってシングルになった。彼の新作 "S.O.T.O" でも何曲か共作してボーナス・トラックになったから、いつか日の目を見るといいね。彼とは楽しく仕事ができるんだ。

あなたのステージでのパフォーマンスは素晴らしいです。そのインスピレーションはどこからきているのですか?

思うに、僕はこの仕事ができて最高に幸せなんだ。とにかくそれをうれしく思っている。僕は世界で一番最高のことを職業にしているんだ。ロック・ギターを弾いてステージでその体験を観客と共有できるなんてとんでもなく楽しい。もっともっとギグをしていきたいよ。

あなたがスターに夢中になったのはいつが最後ですか?

わからないな。クラッシック・ロックのシーンで多くの僕のヒーローたちとプレイできたのは最高さ。僕は彼らと成長してきたんだから。マーク・ウォルバーグの映画「ロックスター」にあったみたいに、僕は大好きなロック・スターのポスターを部屋の壁一面に貼ってたんだ。だから、今彼らと曲を書いたりする機会に恵まれてとても嬉しいよ。でもスターに夢中っていうのではなくて、健全な尊敬の気持ちを持ってという感じだね。

あなたは様々なキャリアを積んできましたが、最も誇りに思っていることや、こういう風に記憶されたいと思うことはありますか?

分からないよ。ただ、全力を尽くしてきたって、真っ当な奴だって思われたいね。「あいつは最低の奴だ」とは言われたくないさ。ただ僕はベストを尽くして、人に対して正しく接していきたい。そうしてどこまで行けるか結果を見ようと思うんだ。

あなたは才能あるギター・プレイヤーというだけでなく、謙虚さも備えていますね。素晴らしい。

ありがとう。僕はこの仕事ができてただ幸せなんだ。キャリアを積んでいくつもりだ。行けるところまで頑張るよ。