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アンディ・ティモンズ ギタリストへの5つのアドバイス

アンディ・ティモンズがメディアのインタビューに応え、「ギタリストへの5つのアドバイスを語っていましたので、和訳しました。軽快で優しい語り口のアンディのアドバイスは人柄が感じられます。ギタリストもそうでない人もぜひ読んでみてください。

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ギターをプレイする誰もが名手になる必要がある訳じゃないし、それどころかプロのミュージシャンになる必要もないってことは分かってるよ、でも君のゴールが何であるにせよ、このアドバイスは役に立つと思うんだ。

これから話す内容は僕がギターを学び練習してきた年月をそっくり映し出すものだ。僕は今では51歳だから、これらの話はちょっぴり昔ながらの方法かも知れないけど、君の音楽を探求する旅に役立つといいな。

1.とにかく弾くこと!

今の便利な時代、誰もが何にでも手軽な近道を探してるみたいだ、ギターを上手く弾くってことに関してもね。厳しい現実を言うと、近道なんてないんだ。素晴らしいプレイやトーンは楽器練習に大量の時間を費やして初めて手に入れられるんだ。

大好きなことなら自分でやるよね。誰も僕にギターを弾けなんて言ったことはない。実際、僕はギターを手に取ることが待ちきれなかったんだ。ギターの全て、外見も出てくる音も僕を惹きつけたんだ。今でもさ。成長するに従って、別の方法を持ち合わせていなかった僕にとって、音楽は僕の感情を表す道具となったんだ。今に至っても僕は言葉よりも音楽の方が自分を表現できると思うんだ。

2.できる限り耳で学ぶこと

ミュージシャンにとって耳は最も重要な財産だ。僕は5歳から16歳まで独学で学んだ。僕には3人の兄がいて、少しコードを習ったり、あとはレコードを聞いた。やがてご近所からギターの本を借りて、一番重要な、コードのダイヤグラムが載ってるページを破っていただいたんだ。

僕がDコードを弾いているときに突然のひらめきはやってきたんだ。"Every Picture Tells A Story" (ロッド・スチュワート)をかけている時で、僕のコードがレコードのコードと一致しているのに気付いたんだ。分かった!その瞬間、僕の耳と楽器との接点ができたんだ。

それからはバレーコードと"Kiss Alive" アルバムさ。バンドが半音下げのチューニングをしてるってことに気が付くのにしばらくかかったけど、こういう経験がいかに僕の成長に役立ったか分かると思う。

もし僕の手にタブ譜があったら、(当時はなかったのだけど)きっと僕は曲を弾けたと思う。でもそれでは学ぶ過程がずっと浅いレベルになっていたと思う。僕は曲を徹底的に分析して自分のものにしなくてはならなかった。

採譜やビデオを軽視している訳じゃないんだ。僕も実際に使うしね。でも最初は自分でしっかり考えること、それから先生やビデオ、譜面の助けに手を伸ばすんだ。そうすることで、その曲で学んだことはずっと長く覚えていられるし、自分の耳で聞いたことを楽器で弾くという能力を強化してくれるはずだ。

3.一緒にプレイする人を見つけること

いいことが起こる秘訣さ。僕は14歳で最初のバンドに加われて幸運だったよ。僕らはそれから7年も一緒にプレイしたんだ。バンド仲間は皆が僕より年上でずっと経験があって、僕は彼らから多くのことを学んだ。

一緒にジャムできるバンドが見つからない場合は、なんとかジャム仲間を探そう。一緒にプレイして音楽のアイデアを共有できる友達だ。相手が自分よりも上級者の方がいいけど、そうでなくてもジャムできる仲間がいることはいいことだ。

そうやって他のプレイヤーと音楽を作ることで成長できるんだ。相手が何をプレイしているかを聞いて、その場で自分が何をプレイするか(またはしないか)を決めるっていう訓練になる。もちろん、自分1人でバッキング・トラックやお気に入りのレコードやドラムマシンに合わせて練習するのは必要だし、とても価値があるけれど、そういう練習と他のプレイヤーと演奏することのバランスをとることが大切だ。

4.楽しむこと

僕は多くの事を深刻にとらえすぎるきらいがあるけど、音楽というのは楽しみや喜び、感性豊かな表現を人生にもたらすものであって、フラストレーションを感じるためのものじゃない。

時には困難なものにぶちあたって頭にくることもある。そういうことになったら、一息つくんだ。大きく息をして。自分にとって簡単なものをプレイしてみるんだ。難しいところは後でまたやればいい。演奏をつまらない作業にしてはだめだ。そうするとフラストレーションが溜まって、楽器練習に費やす時間が減ってしまう、その時間が上達には必要不可欠なのに。

5.生涯学び続けること

ことわざでは何て言ってる?「成長なければ死すのみ」僕はこれまでになく実感してるよ。僕は人生を通じてギターをプレイしてきた。でも練習のインスピレーションが常にあったという訳ではないんだ。

若い頃には確かに、ギターは僕の恋人だった。でも時が経つに連れて、人生が始まる。キャリアや家族なんかさ。日々の生活にまつわる義務にはギター演奏は含まれないからね。

幸運なことに僕の仕事はギターをプレイすること。とても光栄だし、いつも感謝している。当然だと思ったことはないよ。でも作曲家、演奏家として長年を過ごすうちに、「練習」から離れてしまっていたんだ。それは上達し、学ぶために自分自身を駆り立てること。僕がマイアミ大学でジャズを学んでいた頃のように。

当時の僕は起きている間中ずっとギターを持ってすごしていた。授業でチャーリー・パーカーのソロを分析していない時は同じフロアの寮生たちとジャムしてたんだ。それに僕はトップ40に入るバンドで週に6晩ギグをしてた。そうやって様々な音楽体験から学んでいたんだ。

お察しのとおり、僕は楽しんでた。上達し学んでいた。でもその後は人生に追い立てられていたよ。僕の最近のひらめきは数年前に訪れた。パット・メセニーが1週間のワーク・ショップをやるって聞いて、参加しようと思ったんだ。でもパットの前でプレイするって考えただけで、パットは僕のヒーローで僕に多大な影響を与えた人だから、恐ろしくなったんだ。

ヒーローの前で上手く弾きたい、感心させたいって思うのは自然だよね。でも当時の僕は自分のポテンシャルを満たしていないことに気付いたんだ。もう随分と長い間練習していなかったからジャズのカンやプレイが鈍っていたんだ。これは僕にとって大きな目を覚ますきかっけになったよ。僕は現状に満足し過ぎていたんだ。ジャズのスタンダード集の本を引っ張り出して、昔練習した曲をプレイした。それから一緒にジャムできる友達を探したよ。(そう、僕は自分で自分のアドバイスに従ったのさ)

それからもう一つ。殆どの人は僕をジャズ・ギタリストとは思わないだろうけど、ジャズをプレイしてきたことで僕のフレーズ作りやメロディを聞く力は磨かれたんだ。リードの取り方やコードチェンジ上でのプレイなんかも。

残念ながら僕はパットのワーク・ショップに参加できなかった。でも彼の前でプレイするって考えただけで、僕のプレイは随分向上したんだ。パットに感謝!僕は今までになく幸せさ、だって僕はまだ成長してるんだから。

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パット・メセニーはアンディのヒーローだったのね。以前のインタビューIbanezと契約したアンディはスティーブ・ヴァイジョー・サトリアーニが契約アーティストだったことが魅力でもあったと言っていましたが、パット・メセニーIbanezの契約アーティストですねぇ。ツテをたどれば共演もできるんじゃない?