エリック・マーティンは何年も欧州とアメリカ(南米も)で精力的なソロライブを行ってます。アコギ1本でエリックの歌を聞き、あの弾丸トークを楽しみたいと思っていたのですが、ついに日本にも来てくれました。しかもパット・トーピーとオージーのギタリスト、ジョン・マクナマラさんを帯同して日本横断ツアー。こんな布陣でエリックのソロが聞けるのは日本だからこその特典。日本に住んでてよかった!
ステージに登場したエリックはいきなり「デェーオ!デェ~ェェオ!」の掛け声を始めて、まるでフレディ・マーキュリーの定番コール&レスポンスのごとくオーディエンスを煽り、アカペラで歌いだします。初めからテンション高い!
「やぁ、皆んな。今日はここ名古屋に来れて嬉しいよ、100万円の気分だ!だってパット・トーピーと一緒なんだからね!そしてジョン・マクナマラ!オージー!オージー!」
(注)ミリオン・ダラー (100万米ドル=1億2,500万円)というところを日本だからってことで円建にしてくれたんですけど、単に円建にすると100万円なんです、笑っちゃうけど、そこがおちゃめなエリックなのでした。
手を振りながら素敵なスマイルでポジションにつくパット。エリックの掛け声でジョンさんがボトルネックでイントロ弾き始めます。この小さなギター、オーストラリアのMaton Guitars のミニサイズ ギターのようですが、小さなボディの割りにいい音します。ワォ!
普通なら、エリックのコード弾きと歌のところが、パットのカホン(ギターぽい形状をしたフロントにMR.BIGのロゴをあしらったこの楽器はファンからのプレゼントだそう。このエピソード自体が凄いことだと思う。日本のファンは熱いよ) とタンバリンを使ったパーカッションで作られたリズムに加えて、ブルージーなテイストを持ったジョンさんのリードギターが入って、演奏の厚みが数段アップしているのです。さらにパットの高音コーラスが実に見事で、ジョンさんのコーラスも入るため、サウンドとしては相当に豪華なアコースティックライブでした。
"Gotta Love The Ride" のギターソロ、ジョンさんかっこいいぞ~と盛り上がった直後のこと、エリックが歌詞忘れたんですね~、4小節ほどハミングになって、オーディエンス笑う、エリック頑張って復帰してなんとか歌い終わる、というシーンが発生。
「もう!歌詞は君たちの方が良く知ってるんだから、僕の代わりに歌うことだってできたのに!君たちは笑う方を選んだよね」(恨めしそうに)
さすがエリック、歌上手いな~と唸らせておいて、始めからこんなに笑わせてくれるだなんて、面白すぎる。さらにパットのカホンの説明の後、ひとしきりオーディエンスとコール&レスポンスを繰り返して一息つくと、ギターを構えるエリック。
「このギターはギブソン。僕はギブソンのエンドーズ契約はないけど、ジョージア・コーヒーとのエンドーズ契約はあるんだ」(真顔)
ごめん、エリック。そのジョークのオチが分からないんだけど(笑)過去にCM契約したことあったっけ?スーパードライのしか覚えてないや・・・
そして始まった"Shine" のイントロ。2013年にはThe Winery Dogs でリッチーの歌うバージョン聴けたなぁ。エリック バージョンもいいなぁ。大合唱してもう本当に気持ちよかった!
今度は "I Love The Way You Love Me" をリクエストしてくれたファンの名前を読み上げると、歌詞を読むために眼鏡を取り出しました。なぜかそこで起こった笑いにどうしてだよ?そこの彼も眼鏡かけてるじゃないか!眼鏡かけてる人は手を挙げて!まで始めてました。(笑)やっと曲が始まると途中で間違えちゃったんですね、今日は撮影もしてないし、いいじゃないかと言って、曲を止めてやり直ししてました。
パットは始終笑顔で大活躍していました。カホンの演奏とタンバリンですが、両方使いたい時には、左足のくるぶしにタンバリンをひっかけて、足でタンバリン、手でカホンを叩いていました。カホンはギターでいうならお尻のシールド接続部に穴が開いていて、その辺りにマイクを向けて音をとっているのですが、きれいに音がとれてました。高音コーラスも本当に素晴らしいです。
ギターのチューニングの合間にまたしてもジョークを飛ばすエリック
「日本でもドラマの"チャーリーズ・エンジェル"はやってた?CMに行く前にこの音がながれてたでしょ?」
アコギでポロロンと弾いた音を聞いて、子供の頃にTVで見た"チャーリーズ・エンジェル"を一瞬にして思い出しました。しかもパットが身を乗り出して、エンジェル達の手に銃を持ったキメポーズと笑顔を再現してくれるというオマケ付き!そうそう、こういうのだった!と懐かしさがこみ上げて大ウケしました。パット最高!
立て続けに MR.BIG の曲が続くと、なぜかアイスが食べたい、どんなフレーバーが好きかという話になってエリックに聞かれたパット、
「僕は抹茶味のアイスが好きだよ。日本のアイスは美味しい!甘過ぎないんだ。アメリカであの味は味わえない。だってアメリカで抹茶アイスの味はバニラアイスみたいなんだから」
そんな話が終わると長年の感謝の言葉がエリックから。
「MR.BIGを26年間支えてくれてくれてありがとう。君達が僕たちをここまでにしてくれた。僕らを再結成させてくれたのも君達だ」
感謝の言葉は長年のPAエンジニア(?)ニシムラさんにも向けられ、"Sweet Home Alabama" を替え歌にして1コーラスほど歌っていました。そこからはバンド紹介。
「ギターとコーラス担当、そしてカンガルーハンターのジョン・マクナマラ。そして皆に愛されるハンサム・ガイ、パット・トーピー。これからはパットなしではどこにも行かないよ。海兵隊は決して仲間を見捨てないんだ、これが僕のバンド」
早くも "To Be With You" がきたので、もう終わりかなと思ったら大違い。そこから畳み掛けるように演奏が続きました。"Daddy, Brother" 、"Alive And Kickin'" とギターソロはアレンジも面白かった。
アンコールで登場したエリックはアカペラで"Fly" を歌いだし、オーディエンスは騒然。でも直ぐに止めて、君達も歌ってともうひと歌い。次はまたアカペラでパットと"Green-Tinted Sixties Mind" のコーラス部をひと歌い。"Dancin' With My Devils" のエンディングではオーディエンスとの手拍子掛け合いが始まったりと、とにかく楽しい観客参加型。
"Goin' Wher The Wind Blows" では、ここまで歌って喋り倒してきたとは思えないエリックの美しい歌声に感動。エンディングのコーラスも美しい。最後は "Take Cover" の大合唱となりました。
ライブは2時間15分超と大サービス。日本ツアー最終日とあってか、リラックスして喋り倒すエリックとパットとの掛け合いも楽しかった。
本日のセットリスト
01. A Rose Alone
02. Gotta Love The Ride
03. Fly On A Wall
04. Sucker For A Pretty Face
05. Don't Stop
06. Shine
07. I Love The Way You Love Me
08. No One Said Goobye
09. Fragile
10. What If We Were New
11. Voodoo Kiss
12. Superfantastic
13. Electrified
Sweet Home Alabama (替え歌 Nishimura)
14. To Be With You
15. Wild World
16. Water Over The Bridge
17. Daddy, Brother, Lover, Little Boy
18. Alive And Kickin'
(encore)
Fly & Green-Tinted Sixties Mind (1 chrous only)
19. Dancin' With My Devils
20. Goin' Wher The Wind Blows
21. Take Cover