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キップ・ウィンガー ライブ@iridium NYC 2015.07.22 ロッドもアンディも参加、夢のジャムライブ!

Kip_12srgs_2ずっと見てみたかったキップ・ウィンガーのソロ・アコースティック・ライブ。日本に来てくれないなら行ってしまおうと、NYの著名なJAZZクラブ、iridium公演に行ってきました。

iridiumのライブ・カレンダーによると、22日がキップのソロ、23~24日がアンディ・ティモンズの公演になっていました。アンディはキップのソロアルバムでずっとギターを弾いていて、仲が良いので2人の都合が合えば、どちらかが飛び入り参加のライブにならないかと期待していたところ、7月に入ってから、感激の発表がありました。

キップのライブに特別ゲストとしてアンディ、さらにロッド・モーゲンスタイン (Winger) 、マーク・ハドソン (キップ友人、Winger アルバム等に参加) も加わった特別なライブになるとのこと。こんなチャンスにライブを見れるとは超ラッキー!

ライブ当日、ソールドアウトのステージに登場したキップはいつもの黒い上下にトレードマークの12弦ギター。盛大な拍手と掛け声(おば様&おじ様たち、80's世代がメイン) に応えるキップ。

「ありがとう、ここiridium でプレイするのは初めてだよ。暖かく迎えてくれてありがとう。今日は俺のアコースティックセットの後、友人のアンディ、ロッド、マークとジャムする予定だ。アンディは明日、明後日とここでライブをするから、俺に声をかけてくれたんだ。沢山の友人達が見に来てくれたし、ロッドの家族も来てる。フィオナも来てるね」

挨拶のあと、2ndソロアルバムから "Cross" 。艶のある声、ダークで美しいメロディはキップらしい世界観。幸運にもキップの正面2列目のベストポジションに座れ、ベストビューで見れて感無量です。

第2部のお楽しみがあるからか、トークも挟まず、次々とセットリストを進めるキップ。"Miles Away" では、前の方で目の合った若い美人さんをステージに上げました。客層は40代以上メインだったので、若い子は珍しく、しかも相当に美人だったので、キップが最初から目を付けていたんじゃないかと疑ってます。彼女はベストの下にWinger Tシャツを着たファンの子で、歌も上手かったから、キップはナイス チョイスでした!

"Seventeen" では、オーディエンスにコーラスを任せたところ、声が出てなかったので、演奏を止めて、

「おいおい、全然ショボイじゃないか、やり直し!」

と、私の向かいの元気なお姉さんをコーラス・リーダーに指名しました。

「いいかいリサ、そんなんじゃダメだ。君は腹の底から力いっぱい歌ってくれ。怒ってるんじゃないからね」

キップの押しが「怖かったわよぉ~」と笑う彼女に会場が大うけ。笑いながらキップが返します。

「日本ではさ、レブの方が人気あるんだ。レブが怖いからなんだよ。俺もそういう風に見えたら良かったのにな」

大爆笑する会場に違和感を覚えつつ、そんなことないよ~!と私は心の中で叫んでいました。レブが人気あるのはギター・ヒーローだからであって、おべっか使えないあの性格も愛されてるけど、怖いから愛されてる訳じゃありません!

そんな中、"Seventeen" のコーラスを合唱して、第一部は終了しました。

「ありがとう、これから友人を呼んでジャムにしよう。アンディ・ティモンズ!彼は明日からここで2日間ショウをやるから、是非見てくれ。それから、俺のバンドメイト、偉大なるロッド・モーゲンスタイン!」

キップはレンタルと思われるヤマハのベースに持ち替え、ステージは3ピースバンドのセットになりました。90年代にキップは自分のソロでライブをやるなら理想のバンドとして、ドラムはロッド、ギターはアンディと答えていましたから、今ここにそれが実現しているのです!感無量とはこのこと!エレキベースを持ったキップがステージ中央以外で歌う姿は初めて見るよ。

「もしアンディのことを知らなかったら、彼のソロをチェックしてみてくれ。俺のソロアルバムでも弾いてもらってるけど、彼は凄いプレーヤーだ。皆、ロッドのことはお馴染みだよな」

そうして始まったのは Winger のライブでもお馴染みの "Helter Skelter"。アンディのギターで始まり、弾きまくりのアンディ。ぴょんぴょん飛び跳ねてる~。ロッドはいつものニコニコスマイル、キップはさっきまでよりもずっとリラックスして楽しんでる感じ。

「次はLed Zeppelinをやろうか。フィオナ、君も出てきて1曲やらないか?やらないの?誰かiPhoneでこの曲の歌詞探してくれない?何で始まるんだっけ?」

「Eだよ~」(アンディ)

そんなゆる~い雰囲気の中、アンディのギター・リフで演奏スタート。キップのベースも前面に。ロッドのドラムが度肝を抜くカッコよさ!アンディのギターソロも!

「次はアンディが歌うからよろしくな」

「キップがいるのに僕が歌うなんて。キップが"俺、歌詞を知らない"って言うからだよ」

と照れ臭そうに、でもキップの口真似をしてみせるアンディ。レブといい、キップの口真似ってしたくなるのだろうか?(笑)アンディが歌ったのはジャムの定番、ジミヘンの "Little Wing"。アンディの歌声聞けた!そして、ギタートーンの素晴らしいことといったら!(感涙)

「明日はアンディが "Sgt. Pepper's" のアルバムを全部プレイする。3ピースバンドでギターのオーバーダブなしでやるんだ。凄いアイデアだろう?そこから1曲。最初の音って何だっけ?」

「Aだよ。これもロックな音だろ?」(アンディ)

始まったのは "Strawberry Fields Forever"。アンディのギタートーン、アレンジが素晴らしいのなんのって!

「ここで俺の友人、世界で一番面白い男、とんでもない才能をもった天才、マーク・ハドソン!」

ここでマーク登場。白い帽子とジャケット、虹色の髭が強烈。彼はステージ中央のマイク前に立って早速ジョークを飛ばしています。

Iridium20150722

「キップはちょっとビートルズの気分だね」

というアンディの言葉どおり、"Drive My Car" のイントロ。ボーカルはキップとマイクのツインです。この曲はコンピレーション・アルバム "Butchering The Beatles" でキップが歌っていて、私はオリジナルよりもこっちが好きだったりするので、生で聞けるのは涙が出る程嬉しい!ボーカルがキップだけならもっと嬉しかった!(泣笑)

ここでマークのポール・マッカートニーにまつわる信じられないような小話(ポール本人からの電話をイタズラ電話と勘違いして何度も切ってしまったそうな)が始まって、しばらくコメディショウとなりました。

ポールがマークのロック・インスピレーションだということで、ビートルズの(オリジナルじゃないけど)ハードなロックナンバー、"Long Tall Sally"。途中に挟んだドラムソロ、ロッド教授キターーー!!!迫力のドラム!更にアンディの弾きまくりギターソロ!カッコイイ~~~~!!!

続いて、"Oh Darling"。これ聞きたかった!キップのボーカルだったらもっと良かった。(涙)

この後はマークがAerosmithのソングライティングを頼まれた時の小話が始まって、その曲のさわりを歌って、またジョークで大笑い。ほとんどコメディショウの状態でした。こんなジョークばかり言ってる人ですが、マークはAerosmith のソングライティングを多くこなし、"Livin' On The Edge" でグラミー賞取った人だったのね。大笑いの末に演奏された曲はその"Livin' On The Edge" で、ライブは終了しました。

今夜の特別なショウに参加できて本当にラッキーでした。オーディエンスには出演者の家族・友人もいるせいか、皆が肩の力を抜いて、ただ楽しんでる、仲間内のギグを見たような1時間半。ただラスト15分はキップがフロントマンではなく、ベースだけだったのが心残りではありました。

本日のセットリスト

01. Cross
02. Easy Come Easy Go
03. Who's The One
04. Headed For A Heartbreak
05. Free
06. Miles Away
07. Down Incognito
08. Madalaine
09. Seventeen
10. Helter Skelter (The Beatles Cover)
11. Good Times Bad Times (Led Zeppelin cover)
12. Little Wing (Vo. Andy, Jimi Hendrix cover)
13. Strawberry Fields Forever (instrumental,The Beatles cover)
14. Drive My Car (Vo. Kip & Mark, The Beatles cover)
15. Long Tall Sally (Vo. Mark, Little Richards / The Beatles cover)
16. Oh Darling (Vo. Mark, The Beatles cover)
17. Livin' On The Edge (Vo. Mark, Aerosmith cover)

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ライブの後はキップ目当てのファンが大行列を作って、キップが1時間はかけて全員に応えていました。もちろん私もその一人。日本から来たというので、しっかりサービスしてくれました。聞きたいこと、言いたいことはいろいろあったのに、いざとなると頭が働かなくて後悔。

1stソロアルバムのライナーの絵でキップの12弦ギターのイラストについて聞いてみたところ、あれは北欧だか何だかの神話に出てくるキャラクターで、キップの誕生月を表しているのだとか。また、昨年の日本で記録したライブはまだ10ヶ月ほどかかるそうですが、リリースされるようです。(DVD かCDかは確認するの忘れちゃいました) Winger のニューアルバムも出るそうです。楽しみがいっぱい♪

Kip_album