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アンディ・ティモンズ ライブ@iridium NYC 2015.07.23 至福のギタートーンに酔いしれる夜

アンディ・ティモンズのiridium 公演。開場は午後7時のハズなのに、今日は30分近く遅れており、ドアの奥からはリハの音が聞こえてきます。まだリハしてるの?と思いつつ、この曲もやるんだ~と聞き耳。今回はアルバム "ATB Plays Sgt. Pepper" を1枚通しでプレイして、他のソロ曲やロックをプレイするというステージです。

ステージに登場したアンディは昨夜同様、黒いTシャツに黒いパンツ。スニーカーが赤いところがおしゃれさん♪拍手に笑顔で応えました。(23日のライブ動画が見つからなかったので、↓は翌日のライブ動画です)

「来てくれてありがとう。NYCに戻れてうれしいよ。今夜は始めにアルバム "ATB Plays Sgt. Pepper" をプレイしてから僕の曲やロックの名曲、他にちょっとしたサプライズをやるよ。

アルバムの前にウォーム・アップも兼ねて、僕の新しいオリジナル・ソングをプレイする。そのうち僕のニュー・アルバムに入る予定だけど、その前にYoutubeに上がってるだろうね。でもいいさ、だって最近のレコード・レーベルはYoutubeだろう?(笑)」

指慣らしって言うけど、新曲はブルージーで情感たっぷりの切ないメロディで始まり、中盤のソロパートの力強さ、深いアンディのトーンに吸い込まれるよう。"Cry For You" 的な代表曲になりそうな予感。

そして"Sgt. Pepper"アルバム通し演奏に入ったアンディはどんどんセットリストを進めていきます。プレイしてるアンディは始終ニコニコしながら、サラサラの金髪をなびかせ、その場でぴょんぴょん跳ねてたり。(ここ胸キュンポイント)長年一緒にやっているバンドメイトは息の合ったプレイでアンディが自在に動き回る土台を作っています。

アンディのギターはやっぱり上手い。歌モノをギター1本でやることも凄いし、多彩な表現力、トーンの使い分け、テクニック、秀逸なアレンジによって単に歌モノをインストでプレイしたというのとは別次元の演奏になってる。活き活きとギターが歌っているという感じ。

アルバムの1曲目から続けて演奏していたアンディでしたが、"Within You, Without You" の紹介でやっとひと息。

「この曲は僕の子供の頃からのお気に入り。ジョージ・ハリソンのギター・トーンが素晴らしい。正に西洋が東洋に出会った曲さ」

もちろん、アンディのギター・トーンは素晴らしかった!演奏は次々と進みます。"A Day In The Life" の味わい深いこと!ひたすら聴き入ってしまう。

「僕のアルバムから最後の曲をやるよ。ビートルズの"Sgt. Pepper" で2曲目にレコーディングされていたのに、アルバムには入らなかった曲だ。

"Strawberry Fields Forever" は僕が"Sgt. Pepper" アルバムをやるよりも前にアレンジが出来ていた曲で、あちこちのライブでやってたんだ。イタリアのプロモーターにビートルズ・カバーのアルバムを作ったら?と言われて、まさか!と思っていたんだけど結局アルバムを作ったんだよ。このアルバムのアレンジをやるのは数年間僕の趣味のようになっていたんだ」

今夜もアンディ前2列目に座れたので、ずっとプレイを観察していました。不思議だったのはあのトーン。時にはペダルもトーン・ノブもボリューム・ノブも触ってないのに、ピッキングであんなにトーンを変えてしまうことができるのね!そうそう、ボトルネックを使う代わりに、お客さんが飲み干したビール瓶を使ってボトルネック奏法を見せてくれるシーンもありました。

アルバム全曲をプレイし終わったアンディはペダルの調整を開始。

「この前にテキサスで買ったばかりのペダルなんだ。まるで小さなマーシャルなんだよ。86ドル、これがいい音でさ、作った人に感謝だね。次の曲は僕と同じか上の世代なら知ってる曲だ。素晴らしい曲だよ」

"Crying" とは!後半はロックがお題なハズだったので、意外な選曲。でも、またしても絶妙のトーン、表現力。さらにもう1曲プレイしたところで、アンディがしかめ面になりました。

「ちょっと待ってよ、この新しいペダルは何かおかしい。僕のトーンを台無しにしてるよ。調整しなくちゃ。うーん、何が問題かダイレクトにつないで確認するから、待ってて」

とアンプ、ギターと直接つないで調整するアンディ。なかなか直らず、「もう、歌っちゃおうかな?」とジョークまで飛び出しました。

「やっと分かったよ、問題はケーブルだ。やったね、トーンが戻った!」

問題が解決してご機嫌に戻ったアンディでした。そしてアルバム"Resolution" からの "Deliver Us" で待望のアンディ節復活

「では、ここで僕の友人テディを呼ぼう。彼とはマイアミ大でルームメイトだったんだ。若い頃にお互いに刺激し合って学んだ経験はいいものだね。テディ・カムペル!」

テディさんですが、立派な髭の大柄な男性。ブルース系ギタリストでレス・ポール プレイヤーの彼がボーカルを取りました。うーん、アンディと同い年かぁ。アンディはやっぱり若く見えるよねぇ。アンディも胴回りが危険水域に来ちゃってることはそうなんだけども。テディさんは9月からジョー・ジャクソンとツアーに出るそうで、アンディが見に行ってねと話していました。

「次は60年代後半頃のアイコニックなアルバムをやろうと思う。"Sgt. Pepper" はテーマ・アルバムだったろう?だからThe Whoの"Tommy" はどう?」

メドレーで一気に3曲を弾いたアンディは次に "Baba O'Riley" のイントロへ。ギター1本でどうやるのかと思うでしょ?キーボード・パートはギター演奏をループ・ペダルに仕込んであったんです。そう言えば、開場前にもれ聞こえていたリハの音でこのパート聞いたわ。見事な演奏にオーディエンスは大きな拍手。(ちなみに、MR. BIG がこの曲をやる時はイントロのキーボード・パートをポールがギターで弾いて、ギター・パートをビリーがベースで弾いてますね)

再度バンド紹介をして、最後を飾ったのは代表曲、"Cry For You" 。泣きのギター、そのプレイとトーンに息を呑む会場。

プレイ中、動いていたアンディの足に当たってバックアップ・ギターが倒れてしまうアクシデントが起きました。曲は盛り上がりの最中!アンディは倒れたギターを軽く蹴ってステージ端にずらして、事無きを得ました。
(終演後に、「ギターを蹴るなんて、初めての経験だよ!」とアンディが話していました)

最後の1音が静寂に消えると、観客全員のスタンディング・オベーション。素晴らしいギターサウンドに酔いしれたライブでした。アンディ最高!

本日のセットリスト

01. The Next Voice You Hear (new song)
02. Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band
03. With A Little Help From My Friends
04. Lucy In The Sky With Diamonds
05. Getting Better
06. Fixing A Hole
07. She's Leaving Home
08. Being For The Benefit Of Mr. Kite!
09. Within You, Without You
10. When I'm Sixty-Four
11. Lovely Rita
12. Good Morning, Good Morning
13. Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band (reprise)
14. A Day In The Life
15. Strawberry Fields Forever
16. Crying (Roy Orbison cover)
17. unknown
18. Deliver Us
19. Electric Gypsy
20. Broke And Lonely (Johnny 'Guitar' Watson cover)
21. Overture (The Who cover)
22. Go To The Mirror (The Who cover)
23. Pinball Wizard (The Who cover)
24. Baba O'Riley (The Who cover)
25. Cry For You

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終演後の幸せ

Andy_album_s終演後は着替えてから客席に来て、多くのファンに応えていたアンディ。もちろん私もお話してきました。前日も会っているし、顔も覚えてもらえました。"And-Thology 1&2" のブックレットを見せたら、

「凄い、これはレアなんだよ。僕のサイトでしか販売してないし、もう売り切れちゃって在庫もないんだ」

大変な好印象を獲得。懐かしがるアンディとブックレットの写真を一緒に見返し、「これはロッド(モーゲンスタイン)ね、こっちはレブ(ビーチ)」、「わぉ、懐かしい。これは日本のファンにもらった僕のイラストだよ」などと言いながら盛り上がりました。

ニューアルバムについて質問したところ、のんびり作ってるけれど、もう何曲か出来ているし、そのうちに完成すると思う、とのこと。(時期は未定)来日については、サイモンのバンドかソロかは分からないけれど、来年も行けると思うとのことでした。

それからもう一つ、2月頃にキップ・ウィンガーと何かしていたようだけれど、(2月にアンディがキップとのツーショット写真をSNSに投稿しています)キップの新しいソロ・アルバムでプレイしたのか聞いてみました。

「キップのソロ・アルバムじゃないんだけど、キップとは何かしようという話をしていて、まだどういう風になるかは分からないけれど、プロジェクトか何かになるんじゃないかな」

とのことですから、今から期待度MAXです。日本から来て3晩通ったということで、アンディには本当にやさしく接してもらえて感無量でした。うれしいよ~(感涙)