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TOTO ライブ@ 名古屋市公会堂 2016.03.15 追悼の夜、彼らがいるのを感じる

マイク・ポーカロの命日に迎えたTOTO 日本公演最終日はソールドアウト公演。2年前も来日しているし、名古屋でソールドアウトとは意外でした。それだけ愛されているバンドなんだね。

オープニングはニューアルバム XIV から "Running Out Of Time" 新曲で幕開けっていいなぁ。前回と代わったメンバーはリーランド・スカラー(B)、レニー・カストロ(Per)、シャノン・フォレスト(Dr)。

私は前方の席で左スピーカーの前だったので、ドラムとベースが大きく、ボーカルとギターは小さめに聞こえて、ギターを聴きに行った身の上としてはベストではないバランス。でもさすがTOTOのリズム隊はさすがの上手さで音バランスの悪さの中でも心地よいグルーヴ。これはPA前あたりの席だともの凄くいい音なんだろうな。

前回のライブは同じ会場で最高のサウンド体験ができた思い出深いものでしたが、恐らくそのレベルを軽く再現しているTOTO、本当に凄いバンドだわ。職人、プロ、安定の高品質。

ジョセフ、太ったねぇ…声は出てる、でもこんなに太ってしまったのか。ルークはあまり変化なし。ペイチはちょい太った?コミカルな動きで観客を盛り上げようといろいろやってくれる。そのペイチが歌う "Stranger In Town" 何だか意外な選曲。

ここで挨拶とともに、ルークが新メンバーを紹介してから、

「俺はクレイジーな奴だって言われるけど、心の奥ではロマンチックなんだ。次のラブソングは日本の美しい女性、特に名古屋の女性に捧げる」

毎回このセリフでバラード始めてる?と苦笑いしましたが、始まった "I Won't Hold You Back" は曲が美しいのよね。大サビを観客に歌わせるんだけど、それは日本人にはちょいハードル高かったと思う(笑)

次はロックに切り替えて "Hold The Line"。この曲をこんなセット前半に持ってくるんだ。

「楽しんでるか!今夜この空間にはいいエネルギーがあるぞ!美しい彼女を紹介しよう、ジェニー・ダグラス、次の曲でも歌ってもらう!それからマーブット、素晴らしい声の持ち主。彼は6月に出るスティーブ・ポーカロのソロアルバムでも歌っているんだ!

次は皆あまり知らないけど、デヴィッド・ペイチが書いて、多くの人にカバーされてる曲。これで彼は2つ目のゴールデン・カート(ゴルフのですね、前回は"Africa"でペイチが稼いで黄金のゴルフカートを手に入れたって言ってました)を手に入れた。いつか盗んでやろうと思ってるけどね(笑)

この曲は俺たちが敬愛しているバンド、Earth, Wind & Fire、天国にいるモーリス・ホワイトに捧げます」

ここでモーリス追悼なんだ。今夜は追悼がいっぱいだね。でも、しんみりした空気は曲の後半にはエネルギーに変わってきた感じ!

ペイチとポーカロを残してバンドが去り、2人にスポットライト。2人の鍵盤が奏でるメロディーの美しいこと!ポーカロのボーカル、癒される。

「この曲は私の兄、マイクとポーカロ家の皆に捧げる。ありがとう」

と演奏を終えたポーカロ。会場の拍手が大きくなる。

"Pamela" でジョセフのボーカルとバンド演奏(カッコよかった!)を堪能したところで、ペイチのピアノソロ。美しい。衣装換えと言っては帽子をいろいろ替えて遊んでみせるペイチでしたが、急に真面目な顔に戻りました。

「次の曲は私自身、またスティーブ・ポーカロに大きな影響を与えた偉大なミュージシャン、キース・エマーソンに捧げる」

ペイチが歌い始めたのは "Great Expectations"、本日3つ目の追悼です。「大いなる遺産」か、いい選曲。

「次はファンキーでセクシーで気の利いた、スティーブ・ルカサーをフィーチャーした曲にしよう」

"Without Your Love" とは。続けてロビン・トロワーのカバーで "Bridge Of Sighs" を弾き始めたルーク、珍しくブルース・ロックの世界で弾きまくる。TOTOの世界から別のライブ会場へ飛び込んだような気分。

ギターをアコギに持ち替えたルーク、指慣らしをしながら、

「今夜は感傷的な夜だよ。マイクがいなくて寂しい、ジェフのことも。彼らは俺たちの心の大きな部分を占めているんだ。全ては70年代始め、スティーブ・ポーカロの両親の家で始まった。俺とデイヴも一緒で。

あの家には愛と音楽と食べ物が詰まってた。素晴らしい人たちだ。あの家族の拡大版に入れてもらえて本当に幸せだ。マイクの命日であり、スティーブが言ったようにポーカロ家全員への感謝の気持ちを込めて、次の曲を捧げる。ステージに彼らがいるのを感じる。さあ、思い切り大きな拍手を彼らに!

俺たちを長年応援し続けてくれて本当にありがとう。日本へ来てから36年になるんだ。君らは友達であり、拡大家族の一員だ。いい時も悪い時もずっと応援してくれてありがとう、愛してるよ。俺たちをこの美しい国、美しい街へ来させてくれてありがとう」

センチメンタルな気分の中始まったのは "The Road Goes On" 。アコギの音色とルークの歌声がこの気分を前向きな気持ちに昇華させていくような感じ。ラストでアコギからエレキに持ち替えたルークはそのまま次の曲へ。

ニューアルバムの曲が後半にも。"Orphan" はTOTO名曲入りしそう。ライブに合うし、ジョゼフの声もいい。この曲でかなり熱くなったところを短いドラムソロを挟んでそのまま "Rosanna"!

アンコールは前回のライブでオープニングだった "On The Run" これいいね!ラストは "Africa" でパーカッションのソロ、ジョセフの観客コール&レスポンスで盛り上がって、ツアースタッフとファンへの感謝のうちに大団円を迎えました。

4つの追悼があったライブでしたが、ニューアルバムから6曲という意欲的なセットリストにTOTOが凄くいい状態にあることを感じました。まだまだ新曲を生み出し、素晴らしいライブを届け続けてくれそうです。

本日のセットリスト

01. Intro - Running Out Of Time
02. I'll Supply The Love
03. Burn
04. Stranger In Town
05. I Won't Hold You Back
06. Hold The Line
07. Georgy Porgy
08. Afraid Of Love
09. Bend
10. Pamela
11. Piano solo
12. Great Expectations
13. Without Your Love / Bridge Of Sighs 
14. Holy War
15. The Road Goes On
16. Orphan
17. Rosanna
encore
18. On The Run medley
19. Africa