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レブ・ビーチ 「俺のプレイに影響を与えた5枚のアルバム」

少し前(3/8)ですが、Classic Rock で紹介されたレブ・ビーチのインタビュー記事を紹介します。「俺のプレイに影響を与えた5枚のアルバム」として話していますが、そのコメントもレブ節満載で面白いです。

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ギタリストについては俺はウルサイんだ。フレーズが上手くて、トーンが良いこと。でもそれらに加えて俺はプレイヤーの個性が聞きたいんだ。曲を聞いて直ぐに「おお誰々だ!」って分かるプレイが好きなんだ。

俺はソングライターだ。だからまずはいい曲を弾いているギターじゃなきゃダメだ。俺は毎朝起きた時から頭の中で曲を聞いてるんだ。どんなにクールなギタープレイが入ってたって、それがくだらない曲なら耐えられないね。ヒドイ曲とくだらない歌詞のアルバムなんて聴いてられないぜ。誰だってそうだろ?

まずロックであること。良い音であること。良い曲であること。全部揃ってなきゃダメだ。俺はギターの腕前を見せ付けるためだけの道具にした音楽でソロを弾いてるようなのは聞いてられないんだ。

俺は以前、アラン・ホールズワースのソロアルバムを聴いてみたんだ。もちろん彼は素晴らしいギタリストだ。でも俺は彼の音楽にのめり込めなかった。気に入らなかったのさ。彼がジャン・リュック・ポンティ(バイオリニスト)とプレイしたのは好きなんだが、彼のソロアルバムには寒気がしたね。

Lynyrd Skynyrd - Second Helping (1974)

この頃の俺のレコードは全部兄貴のお下がりだった。兄貴は当時ラジオで大ヒットしてた "Sweet Home Alabama" が入ってたからこれを持ってたんだが、俺は "Second Helping" のギターを聞いた瞬間から、あれはちょっとカントリー寄りだけど、「ワォ!これはスゲー!」ってなったんだ。

ギタープレイは凄く上手くて、俺には全くプレイできなかった。俺にとってはまるでデカイ目標物だったけど、俺にはどうにも手が届かなかったんだ。技術的には完璧なプレイだが、無菌ではない、魂があるプレイさ。クリーンで美しいトーン。しかもちょっとした人の話し声まで聞こえるんだ。彼らが部屋に集まって一緒にプレイしてるみたいに、自分がそこに居るようなのさ。完璧に音が仕上げられてる。

どの曲も素晴らしい。アルバムは多様性に富んでいる。ホンキートンク、ロック、ファンキーグルーヴ、ギターソロはとんでもないシロモノだ。どのギタリストがどれを弾いているのかは分からない。でもその頃の俺には問題じゃなかった。ただビッグなギターバンドがデカイ音で、俺には難し過ぎてプレイできないようなものをやってたんだ。

Molly Hatchet は Lynyrd Skynyrd のちょっと易しいヴァージョンだったんで、俺はその1stアルバムを弾いて練習したのさ。曲はどれも良くて、ソロは俺にもできるスーパーイージーなペンタトニックものでさ。でもこれは俺の選ぶ5枚のギターアルバムじゃないぜ。

Aerosmith - Toys in the Attic (1975)

俺はこんな音聞いたことがなかったんだ。デカくて、ギラギラしてて、タフなギターだ。1曲目からひたすらクールで早いロック曲さ。なのに全てがオーケストラみたいに聞こえるんだ。2本のギター、ちょっとばかりチューニングが外れてて、それなのに2本が完璧にフィットしてるんだ。ソロは全部最高だしな。

俺は当時ボストンに住んでた。だからキッズは皆 Aerosmith に夢中でさ、俺はこのアルバムとマリワナに惹かれてさ、この2つは凄く合うんだよ。俺はブルース・ギターのファンじゃなかったけど、ジョー・ペリーとブラッド・ウィットフォードのプレイを研究したんだ。このアルバムを掛けながら狂ったように一緒にプレイしたよ。俺が Lynyrd Skynyrd をコピーしようとしてた時より少し上手く弾けるようになってた頃だ。

このアルバムは俺にとって究極の1枚さ。インターネットのない時代に、俺はこのアルバムから学べることを全て学んだ。俺は誰がどのソロを弾いたかも、全部を学んだ。「これが俺のやりたいことだ」ってね。

Boston - Boston (1976)

母親がこのアルバムを買ってくれたんだ。俺があまりに Aerosmith に入れ込んでたんで、彼女はレコード屋に行って、店員に息子が気に入りそうなものを尋ねたのさ。当時ヒップだったアルバムは Boston と Kansas の "Leftoverture" だったんで、両方買ってくれた。

でも最初、Boston をもらった時、俺はちょっとがっかりしたんだ。ラジオで "More Than a Feeling" を聞いて、ちょいとお気楽過ぎると思ったんだ。クールじゃなかった。でもアルバムを掛けて残りの曲を聞いてみたら、完全に圧倒された。

ソロは現実のものとは思えない程だった。何て美しいメロディックなプレイなんだ!何が興味深いかって、トム・シュルツはいつも自分のソロが最低だって思ってたってことさ!俺には素晴らしいって思えたのに。"Hitch a Ride" で彼はダブル・ソロをやってた。あれには打ちのめされたよ、もの凄くユニークだ。それにあのトーンには勝てない。彼はアルバムのレコーディングに7年くらいかけてたのさ、全部をテープにだぜ。そうして彼はギターサウンドに革命を起こしたのさ。

Van Halen - Van Halen (1978)

誰もがこれは選ぶ。俺も同じさ。どんな必聴ものリストにだってこれは含めなくちゃいけない。誰もこれみたいなのを聞いたことが無かったんだ。全くもって革新的なアルバムさ。俺はバーモントにある子供のための芸術学校に行ってた。そこの1人がこのアルバムを持ってたんで、俺はそいつから盗んだ。俺が生涯で盗んだたった1つのものさ。今では悪いことしたなって思うけど、返してやる方法なんてないからさ、忘れてくれ。

俺はこのアルバムを毎日聴いて、スゲーって思ってた。でもこれに影響されたって訳じゃないんだ。実際のところ、そう思うよ。俺はタッピングのアイデアはエディからもらったけど、俺には彼みたいには出来ない。"Eruption" から学ぼうとしたけど、俺にはきちんと出来なかったんだ。

アルバムはエキサイティングで凄く活き活きしてた。バンドは3ピースで聴いたことも無いほど素晴らしいソロが入ってる。まるでレコードの針が盤から飛び落ちてしまうと感じるほど、彼らの音楽は生々しく力強かった。素晴らしい曲、とてつもないシンガーとギタープレイにノックダウンされる程さ。

でもさ、このアルバムのような良い曲無しに、エディはこれ程のインパクトを残すことができたと思うか?世間は良い曲が聞きたいのさ、ギタープレイはそのボーナスみたいなものなんだ。

Larry Carlton - Larry Carlton (1978)

このアルバムは俺をジャズの世界に目覚めさせた1枚だ。他の誰よりもラリー・カールトンは俺にフレージングの重要性を教えてくれた。俺はこのアルバムでどうプレイを止めるかを学んだ。これを聞く前の俺はひたすら弾きまくってた。弾き過ぎさ。ラリーを聞いて、自分を信じることを学んだ。自分でプレイを止めた方がいいと感じたら、そこで止める。そうするとクールになるんだ!

このアルバムから学んだもう1つは、音をホールドすることさ。音を弾いたらそのまま響かせて、変わったタイムで戻るんだ。慣れるのにしばらくかかるけれど、これまでのプレイをクールに変えるんだ。ラリーのビバップのプレイは俺を救ってくれた。もっと早くこれを学べば良かったよ、自分流になっちまう前にね。それでもこれは俺にとって目からうろこの経験だった。

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「ギタリストについてはウルサイ」というレブが4/7に彼のFBで友のアンディ・ティモンズに最大級の賛辞を贈っていましたので、訳してみました。

そんな賛辞を受けたアンディがレブにFBでコメントを返していました。

「レブ・ビーチ!!!!長年君の友人でいられて光栄だよ、それに君の賛辞には言葉もない。君は、君こそは常に"他と違う何か"を持ったプレイヤーだ。君の君だと分かるそのトーンとタッチは素晴らしい個性的なプレイヤーの証さ。君との友情がこの先もずっと続くように、そして君とのコラボレーションができるといいな、楽しみにしているよ」

レブから「最高のエレキギター プレイヤー」と賞されたアンディが9枚のアルバムを選んで「僕のプレイに影響を与えたアルバム」としてコメントしていますので、こちらの過去記事もどうぞ。

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