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キップ・ウィンガー 「Wingerの音楽に対してはヴィジョンがある。俺とレブはそれを形にできるんだ」

キップ・ウィンガーがインタビューに応えました。今週公開された最新インタビューです。5/27にリリースされる初のクラシックアルバムのこと、Wingerについて話していますので、その概要を和訳してみました。

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5/27にクラシックのデビューアルバム "Conversations With Nijinsky, Ghosts, A Parting Grace" をリリースしますね。

今までに10曲書いていて、サンフランシスコ バレエ オーケストラの指揮者は "Ghosts" をバレエで使ったのだけど、彼が曲を聞いて、アルバムを出そうということになった。去年の3月に決めてから、編集とミックスに随分と時間がかかったけれど、やっと5/27にリリースできるんだ。

あなたはロック・ミュージシャンですから、クラシック音楽界で受け入れられるのは難しかったのでしょうか?

とても幸運なことに、多くの人が真剣に受け止めてくれたんだ。俺の音楽に対して疑いを抱いていたミュージシャンもいたけれど、俺の書いた譜面を見て、質の悪いハリウッド音楽じゃなくて、俺がきちんと訓練を積んで正統な曲作りをしていることが分かってもらえた。信頼されないのじゃないかと心配した人もいたけど、ほとんどの人はとても協力的だったよ。俺は面白い経験をしてきたから、皆が気に入ったのさ。

あなたは16歳からクラシック音楽の勉強をしてきたのですから、このアルバムを作るのはミュージシャンとして原点に戻るように感じますか?

いいや。俺はとてもシンプルなクラシックギターから始めて、Wingerをやってきたから、本腰を入れて勉強する時間がなかったんだ。80年代の音楽シーンの変化でグランジが台頭して、やっと俺は真剣に音楽の勉強を始めたんだ。35歳だった。

今後はさらにクラシックのアルバムを出していく予定ですか?

ああ、既に1時間くらいの楽曲の概要が頭にあるんだ。他にも製作途中の曲が3曲ある。第1楽章は完成、第2楽章は既にオケ演奏されているから、残りを俺が書き終えたら、次のアルバムを作るよ。

あなたは最新3枚のWingerアルバムをプロデュースしています。他人の助言や指示なしでベストのアルバムを作ることは難しくないですか?

いや。デビューアルバムの時から、俺にはどの曲がいいのか常に分かっていたんだ。俺はアーティスト・タイプの人間だから、他人の音楽に対して良いプロデューサーになれるのかは分からないけど、Wingerの音楽に対しては俺にはヴィジョンがある。だから何が必要なのかはっきりと分かるんだ。だからちっとも難しくない。なぜなら俺には求めているものの完成形が見えるからだ。

まだ何か達成したいことはありますか?

もちろん。もっといい作曲家になりたいし、もっと作品を出したい。俺の中に新しいWingerとソロのアルバムのアイデアがあるし、ミュージカルやオペラに対する興味もある。

俺はバンドメンバーが好きだからWingerでプレイしたいんだ。一緒にいると楽しい。ただそのためにニューアルバムを作る必要はないんだ。Wingerのアルバムにはバンドとしてのブランドや要素があって、それらは既に演奏で表現されている。俺の作る他の音楽ではもっと高い学びが必要で、俺は自分を追い込むのが好きなのさ。

ファンが一番話題にするのはWingerのどの曲ですか?

それは音楽ファンかどうかによるな。ミュージシャンからはIVについて聞かれるね、あれはずっとプログレッシブだから。ファンはヒット曲が好きなんだよ。でもどれか飛びぬけて好まれる曲があるという訳ではないな。

レブ・ビーチとの30年間に渡るライティング・パートナーシップはどうですか?

今が最高さ。俺たちはとても気が合うし、最高の親友さ。Wingerのメンバーは全員が素晴らしい友人だよ。一緒にいると笑いが絶えないし、楽しいんだ。

一緒にツアーをやりたいのはどのバンドですか?

そういうことは気にしないし、考えもしない。俺はもうロックを聞かないし、聞こうとも思わない。ライブで他のバンドと一緒にプレイするのは好きさ、全員と知り合いだし、楽しい時間がすごせる。

たまに新しいバンドや誰かの勧めで音楽を聞くけれど、もうロックは聞かないんだ。俺はたいていもう亡くなった作曲家の音楽を勉強して自分の世界にこもっている。俺の音楽を聞きたいっていうオーディエンスのためだけにアルバムを作っているんだ。

新しい音楽シーンについていこうとかそういうことはしていないし、もはや気にもしていないんだ。俺にとって大切なのは俺の作品であり、新曲を出来る限り良いものにするということだ。

今週ラスベガスで、Hair Metal Awards を受賞しますが、今でも同業者から称えられるというのは意義のあることですか?

もちろんさ。俺がロックを聞かないからといって、彼らを尊敬していないということではない。とても光栄なことさ。そこに集う全てのアーティストを心から尊敬している。素晴らしいことさ。

※授賞式フィナーレでのオールスタージャムの動画。レブの借り物ギターにご注目!

Wingerの曲で最も苦労したり、書き直さねばならなかった曲はどれですか?

沢山あるよ。"Queen Babylon" は苦労した。一度未完成曲に分類してからもう一度完成させたんだ。ソロアルバムでは、"Nothing" だな。Wingerでは沢山あるんだ。"In My Veins" "Baptied By Fire" "State Of Emergency" "Living Just To Die" そういうのは普通誰でも沢山ある。

特に最新の "Better Days Comin'" "Karma" はバンドがヘヴィな方向に行っていて好きです。

いつか俺に時間ができたら、最初の2枚のアルバムをリミックスしたいんだ。あの2枚は実際にはずっとヘヴィなアルバムだから。プロデューサーのボー・ヒルがミックスしたのは当時の80年代ぽいサウンドなんだ。ギターのボリュームを少し上げて、その他のエフェクトを取り除いたら、今の俺たちのサウンドに近くなる。"Pull" こそが俺たちのサウンドの始まりだったんだ。

では "Pull" がバンドとしての方向性を示したアルバムということでしょうか?

あのアルバムでは俺の思う方法でバンドの音楽を提示できたと思う。それ以外の違いはない。プロデューサーのマイク・シプリーとバンドでスタジオで作ったんだ。最初の2枚のアルバムに優れたところが沢山あったのは間違いない。3作目ではその歩を進めたんだ。不運にも80年代の音楽シーンは終わって、最初の2枚程売れなかった。

だからこそ、俺はこのバンドのメンバーでアルバムを作りたいんだ。俺たちはずっと進化している。俺とレブの仕事は更にしっくりきてるんだ。俺たちは何を探しているのか分かっているし、俺たちならそれを形にできるんだ。世の中には努力を続けず、現状に甘んじる人はいるけれど、俺たちは更にレベルを上げているんだ。

Wingerはデビューアルバムから30周年で何か特別なことを企画していますか?

いや。25周年でやったから。30周年か、35、40周年…俺は何歳になるんだろうな

製作が一番楽しかったビデオは何でしたか?

"Headed For A Heartbreak" は楽しかったな。俺たちはその頃成功を収めてたから、あれにはちょっとした楽しいものを入れた。あれはクールだと思ったんだ。撮影も楽しかったし。

今後、一緒に作曲したいと思う人はいますか?

いや、いないんだ。俺は人と書くのが苦手なんだよ。俺はレブと書きたい。レブ以外とでは、作曲というのは俺自身のとても個人的な仕事になる。レブ以外の人とはほとんど作曲しないんだ。

俺はさあ曲を作ろうぜ、って感じでは作曲しない。俺はレブと俺のやり方で曲を作るだけだ。誰かとただ楽しく曲を作れるか、分からないな。Grand Funk Railroad のマーク・ファーナーとジャムしたことはあるけれど。ジョー・ウォルシュとジャムしてみたいね。でも作曲についてはどうかな、いい質問だ。今度までに考えるよ。

俺には作曲というのは厳しいもので、何か思いつこうとする楽しい作業じゃない、そうやって出来るものじゃない。人々が共感し、愛着を持つものを書くというのは難しいことなんだ。

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Winger のニューアルバム製作がどうなっているかと気になっているファンも多いと思うのですが、2月のキップによるコメントでは3月にレブと書き始める予定でしたが、上のインタビューは5月2週目あたりに行われたものですが、この段階で実際の製作には着手してないことが伺えます。(「俺の中に新しいWingerとソロのアルバムのアイデアがある」と言っているということはまだ何もしていない段階と思います)レブは5/19からWhitesnake のツアーリハーサル、そのままツアーですから、Wingerニューアルバムはまだまだ先の話となりそうです。(涙)