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スティーブ・ヴァイ 「私は常に未来のプロジェクトを考える性質の人間だ」

Modern Primitive/Passion & Warfare のリリースを控え、ワールドツアーをイギリスからスタートさせたスティーブ・ヴァイが英メディアのインタビューに応えました。

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ニューアルバムの半分は初リリースとなる作品ですが、これらの曲をどう発掘したのですか?

あの曲たちは常に私の中につきまとっていた。私は1stアルバムを完成させても、ずっとレコーディングを続けていたんだ。2つのバンドを一緒にして。ちょうど、ザッパがツアーからのリタイア宣言をして彼との仕事を終えたところだった。

私は自分の音楽をやっていきたかったので、曲を集めていたんだ。多くの曲は当時やっていたバンド、The Classified でレコーディングしたよ、30年以上も前のことだ。

何曲かはレコーディングもせず、ずっと私の「永遠の戸棚」に他の山のようなアイデアと共に眠っていた。私には常にあの音楽を仕上げたいという気持ちがあったんだ。

Passion & Warfare の製作に進んだものの、私は Flex-able と Passion & Warfare の間に随分変わったので、2枚のアルバムが同じ人間の手によるものなのか、と疑問に思う人が多いだろう。Modern Primitive はこれら2作品を結ぶ欠けていた繋がりになると思う。

あなたは以前、Passion & Warfare をライブで全曲演奏するのがずっとやりたかったと言っていましたがなぜですか?

どんなアーティストでも、幸運にもキャリアの中で恵まれていれば、世界に自分を印象付けたアルバムというものがある。そこから自分の求めるものを探求し、自らのオリジナルな音楽制作をするものだが、人生には紆余曲折がある。

私の作品の中で Passion & Warfare は確かに特別なものだ、多数のオーディエンスが支持してくれたということでね。しかし、アルバム全曲をプレイするということには恐れを感じていた。これらの楽曲は獣なんだ。「よう、集まってジャムしようぜ」というものとは全く違う。

アルバム内では様々なことが行われているのに対して、バンドはたったの4ピースだ。そこで私がやってきたのが、ビデオスクリーンを用いた実験だ。ゲストにスクリーンに登場してもらって私とジャムするんだ。その1部ではザッパの映像を使うし、ジョー・サトリアーニのもある。更に多くの人たちからのビデオが送られてくるのを待っているところだ。

↑ツアー初日、6月1日のGlasgow公演の一場面

あなたは今までにあらゆることを成し遂げてきましたが、夢のプロジェクトというのはありますか?

私は常に未来のプロジェクトを考える性質の人間でね、それらをリストにしたら一度に100個くらいになってしまう。でも時が経つにつれ、プロジェクトのそれぞれは数ヶ月から数年かかるものだと分かってきた。これら全ては出来そうもないということに気付き、優先順位を付けることにしたのさ。

大きなプロジェクトで言えば、次は削ぎ落としたトリオ形式でのギターアルバムになる。一方で私には大きな野望的プロジェクトがあって、各国を巡り、そこのオーケストラと作曲し、文化公演をレコーディングして、映像にも残し、それを世界中のオーケストラと再現するんだ。

音楽とは関係の無い願望もある。広大な土地を買って、老人ホームと孤児院を建てるんだ。基本的には小さな街にしたい。これは私の最後のプロジェクトになるだろう。

あなたは至上最も優れたギタープレイヤーとして、ミュージシャン達からも尊敬を集めていますが、そうしたことを言われたり、目にすることで、あなた自身は何か影響を受けるのでしょうか?

人生のどの時点で言われたかによって異なるね。私は20歳の時からずっとプロのミュージシャンとしてやってきたから、私のプレイを人に聞いてもらえる環境にはあったんだ。

最初は「ザッパと仕事しているんだから、凄いミュージシャンなんだろう」と考えてもらえた。だから私はそれを期待したし、有能だと思われるのはうれしかった。

次にデヴィッド・リー・ロスのバンドに参加するといきなりロック・スターになった。これは試練がやってくるから注意しなければいけない。ドラッグ、セックス、金、名声というのが降りかかってくるんだ。

ギタープレイという比較的狭い分野では、ある時期には全ての注目が私に注がれていた。そうすると、自分自身のアイデンティティを創りだしてしまうのだ。なぜなら、どの雑誌を開いても誰かが自分を褒めちぎっていたり、自分が雑誌の表紙だったり、山ほど賞を受賞して、大金が入ってくる。

こうなれば必ず反動があるものだ。私の場合、そういった記事を信じるようになった。私は「偉大な者」であるというアイデンティティを創りだしてしまった。

私にとって金は試練ではなかった。金は好きだけど、欲深くはないからだ。ドラッグは全く問題じゃなかった。一度も使ったことはなかった。嫌いだったか、使ったらハマってしまうと恐れていたのかも知れない。セックスについてはコントロールできていた。何しろ私はもう30年、1人の女性と結婚しているのだから。

私に裏口から入り込んだのはエゴだった。これは大変いい勉強になった。トレンドが変わって90年代がやってくると、私は音楽にしてもギタープレイにしても「間違い」の代表例になったんだ。とても辛かったが、素晴らしい学びの機会だった。私のエゴの受難だったのさ。

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Vai_dcヴァイ先生はDLRバンド時代、Whitesnake 時代に自分がエゴに囚われた今とは違う人間だったという話を率直にされています。(関連する過去記事はこちら)そんな過去を修正する機会が遂にやってきました。

それは5月25日(現地時間)Whitesnake がツアーリハーサルを行っていたスタジオが丁度、ヴァイ先生が同じくツアーリハーサルをしていたスタジオの直ぐ近くだったため、何とヴァイ先生がWhitesnakeのスタジオに立ち寄ったのです!

デヴィカバ様とヴァイ先生のツーショット!これを再び見ることのできる日がやってくるとは、感涙です。2人ともいい笑顔です。この後ディナーとか行かなかったのかな?

あと私の夢ですが、Whitesnake のオランダ公演ではもれなくエイドリアンがゲスト登場するので、そこにヴァイ先生が特別ゲストで登場すること。

エイドリアンと並んだヴァイ先生の写真見れたら更に感激。あとはルディがいればドニントン・メンバーが再現できる~!先生の欧州ツアー日程が追加されないかなぁ。