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Green (@ribbon_bear) が毎週好きな音楽ネタを語ります! Since 2011

The Dead Daisies ライブ @ 梅田クラブクアトロ 2017.07.06 言い間違いじゃないぞ!モンダイナイ!

昨年のLoud Park に登場した The Dead Daisies が単独ツアーで来日。東京で1日、大阪で1日という短い日程のところ、大阪に参加してきました。ベテランの安定感あるミュージシャン揃いのバンドで、パフォーマンスは申し分なし!

東京は大入りソールドアウトだったそうですが、大阪は85%くらいだったでしょうか、かなり埋まっているものの、余裕はありました。PAの横で見たので視界良好、サウンドも良し、と言いたいところでしたが、ギター、特に右のデヴィッドさんが聞こえにくく、全体的にちょっと抜けが足りなく感じました。

定刻にスタートしたライブは、今年発売された彼ら初のライブアルバム "Live And Louder" と同じく "Long Way To Go" から。楽曲的にはシンプルなのでベテランのメンバーたちにはかなり余裕があり、オーディエンスを煽りつつ、楽しそうに肩の力の抜けた演奏。コラビさんの個性的な声が心地よいオールドロックンロール。

"Mexico" を終えると、オーディエンスへのお礼やバンド紹介をしたコラビさんが、"Live And Louder" アルバムを買った人は手を挙げて、と言うとぼぼ全員の手が挙がり、

「ありがとう!これでうちの犬に数週間はエサを買ってやれるな」

と答えるあたりがコラビさん流のジョークなんでしょう(笑)。アルバムのセールスではあまり稼げない現代の音楽事情を軽くジャブ。

"Make Some Noise" では手拍子とサビの大合唱が気持ち良い。ダグのLPサウンドを聴くのは15年のグレン・ヒューズとの来日以来です。でもあの時の方がインプロの空間が多く、楽曲的にも彼のギターを聴くには面白かったという印象。当然のことながら、今のバンドに合わせたロックなギターを弾くことに徹しています。

デヴィッドさんはリズム一筋。彼の音があまり聞こえなかったので残念。白いVとマットな真っ黒のピックガードのないSGとLPタイプのギターを弾いていて、これがなかなかカッコ良かったです。多少はダグとソロを分けたりするのかと思っていたのですが、リズムギターに徹して、コード弾いていました。

「オオキニ!はオオサカのサンキューなんだよ」

とオーディエンスに手渡された扇子で扇ぎながら、教えられたばかりの日本語をコラビさんに指南するマルコが面白すぎる。彼は素晴らしいムードメーカーでした。オーディエンスとの距離が一番近い人でハートが大きく愛でいっぱいに違いない。客席に向けてお尻振ってたり、客席に降りたりしてたなぁ。(笑)

マルコは5弦ベースの人だと思っていましたが、このバンドでは4弦なのね。この楽曲だしね。ソロ活動とは相当違う音楽をやっているのだろうけど、これはこれで楽しそう。

Img_3302今度は "Make Some Noise" アルバムを持ってる人に手を挙げさせたコラビさん、挙手を見て、

「これは凄い、これでうちの犬にあと2週間はエサを買ってやれるな」

とまた笑いを誘います。

「日本に戻ってこられて嬉しい。俺が前に来たのは94年だった、間が空き過ぎたよ。でも戻ったぜ!」

去年を除くと、94年のMötley Crüe以来なんだね・・・あれ?でもRATTで07年に来てるの忘れてませんか?そこの記憶はコラビさん的には無かったことになってるとか・・・(笑)

"Lock 'n' Load" ではコラビさんがアコギを弾きつつ、ちょっと懐かしくセンチメンタルな曲が始まります。コラビさんの歌声とダグのギターソロが心に染みるわ。

「オオサカ、腕を上げて左右に振って、目を閉じて。世界に祈りを捧げよう、変化を起こすために。俺たちの周りで起こってるクソみたいな事を止めるんだ、何のことか分かるだろう?」

とコラビさん。心に染みる音楽と会場の一体感。うん、これが音楽のパワーだよね。

「この曲のメロディと歌詞にハートとソウルを吹き込んだジョン・コラビに拍手を!」

すかさずマルコがコラビさんの功績を称えます。この直ぐ後に感動的な空気を打ち破ってダグが次の曲を日本語で紹介したのだけれど、何を言ったのか分からず(汗)

ブライアンのドラムソロは Whitesnake で見た時に感激したので、楽しみにしていました。でもWSの時の方が面白かったなぁ。腕を見せつつ芸もあったし。もちろん彼のドラムは好きだけど。

ドラムソロ後の拍手で盛り上がるオーディエンスにスタンドマイクを客席にせり出して向けていたのはダグ。するとマイクがスタンドから落ちて落下!この時の「ヤッチャッタ!」な表情のダグは見モノでした。(爆笑) 多くの女性ダグファンのハートを鷲づかみにしたことだったでしょう。

「スミマセン」とオーディエンスからマイクを戻してもらったダグ、マイクを戻すと

「モンダイナイ」と笑顔。その絶妙な日本語の使い方どこで覚えたのよ?(爆)

"Join Together" でダグはトークボックスを多用していました。他の曲でも随分あれを使っていたけど、結構体力消耗するのでは?

この曲はサビでオーディエンスの大合唱。オーディエンスを煽ったコラビさんが

「Let them hear you in Tokyo! (東京の奴らに聞かせてやれ!)」

と言ったのですが、you in が聞こえにくかったのです。これが無ければオーディエンスをトーキョーと言い違えたと受け取れるので、オーディエンスから「オオサカだよ」と指摘されていました。

「違う!俺は "オオサカ、大声で歌って、東京の奴らにお前の声を聞かせてやれ!" って言ったんだ」

と反論していました。でも、ダグも最初のトーキョーに反応していた位なので、皆が聞き間違えるのも仕方なし。

「次の曲はスタジオでどうしても歌詞が浮かばなくて、ダグと話していたら "俺たちの前の妻たちのこと書いたら?" って言うんだ。沢山いるぜ、そうだな小さい村ができるくらい。全員じゃなくて、そのうちの何人かにこの曲を捧げる」

ハハハ、"All The Same" ってそういう曲なのか。あれ、でもコラビさんって奥様2人目じゃなかった?ダグは3人目でしょ?さして多くはないが…

「次は俺たちにとって特別な曲だ。このビデオを少し前に録ったんだ。ニュースを見ているとクレイジーなことが続いている。世界中で人々が宗教や肌の色で争っている。もう沢山だ、もう止めるべきだ。この曲の歌詞を聞いてくれれば、ポジティブなことや平和ってのは、お前と俺から始まるって分かる」

さっきまでジョークを言っていたと思えば、コラビさんのシリアスな想いが吐露されました。"With You And I" の歌詞はこちらでチェックできます。

「俺たちはもう友達だよな、アメリカに帰ったらオオサカは俺たちの友達だって言ってもいいかー?」

というコラビさんのセリフはライブアルバムにも入っていたのでワールドツアー共通のセリフじゃーん、と思っていたら、

「それじゃぁ、お前たちバースデイカードを送ってくれよ。中に現金入れるの忘れるなよ!」

これがコラビさん流のジョーク。(笑)

バンドメンバーの紹介タイムは1人ずつをロックの名曲で紹介していくスタイルが楽しかった。
デイヴィッドさんはオージーなだけに AC/DC "Dirty Deeds Done Dirt Cheap"
マルコはメキシコってことで "La Bamba" で笑わせてくれた。
ダグはいかにも彼らしいギターソロ(やっと聴けた!)に続いて "Black Woman" ときましたか!
ブライアンは Iron Maiden "Run To The Hills" 似合う!
コラビさんは Black Sabbath "Heaven And Hell" でした。コラビさんの選曲はちょっと意外でしたが、ライブアルバムに収録された同じシーンと選曲が違っていて楽しめました。

"Mainline" に続いたのは "Helter Skelter" 。この曲は Winger がライブでカバーするのでお馴染みですが、コラビさんにも合うわ!コーラスを皆で歌って気分爽快!

アンコールは一旦掃けるのは省いちゃうぜということで、"American Band" 。カバー選曲が上手くて、彼らに合ってる曲だ。(資本とオリジンは豪州産のバンドだけれども) 続いて "Midnight Moses" で盛り上がりは最高潮に。

舞台袖に去ったバンドは拍手に応えて2度目のアンコール。

「オオサカ、ありがとう。愛してるぜ。また近いうちに戻ってきてプレイしたい。俺たちは今も音楽ファンで古き良きクラシックロックが大好きなんだ。これからプレイするのは俺たちの大好きなバンドの曲でそのアルバムはここ日本でレコーディングされた」

"Highway Star" の選曲は日本スペシャルなのでしょう。日本のロックファンの心をがちっり掴んだのは間違いなし。この曲といえばオルガンとギターソロが楽しみでしょうがないのですが、ソロは全部ダグが弾いていました。彼らしいソロが聞けたのは良かった。マルコがオルガンソロのパートを弾いちゃうといったサプライズがあったらもっと面白いのだけど、そんなことするのはビリー・シーンくらいかな。

ロックのセレブレーションな楽しいライブでした。日本での集客が良かったので、今度はもっと大きな会場でライブしてくれると思います。

本日のセットリスト

01. Long Way To Go
02. Mexicco
03. Make Some Noise
04. Song And A Prayer
05. Fortunate Son
06. We All Fall Down
07. Lock 'n' Load
08. Last Time I Saw The Sun
09. drum solo
10. Join Together
11. All The Same
12. With You And I
13. band intros
14. Mainline
15. Helter Skelter (The Beatles cover)
16. American Band (Grand Funk Railroad cover)
17. Midnight Moses (Sensational Alex Harvey Band cover)
18. Highway Star (Deep Purple cover)