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Green (@ribbon_bear) が毎週好きな音楽ネタを語ります! Since 2011

Sons Of Apollo ライブ@ Liquidroom 東京 2018.09.12 神々の宴、全員変態で超絶過ぎ!

Img_0839待ちに待った Sons Of Apollo 初来日公演も本日が最終日。10日は大阪公演、昨夜は東京の同じ会場で、そして今日と3連続のクラブ公演で、彼らは時差ボケも治らないところでしょう。彼らのような実力者が集まったバンドを小ぶりな会場で観れるというのはとてもラッキー。

初日の大阪は会場中ほどよりも前方の立ち位置で聴きましたが、リズム隊の爆音に対して、メロディ隊の音が小さくて聴き辛く、自分の立ち位置のせいでしょうが、あまりいい音ではなかったです。今日は最前列だったため、更に音は悪いのかなと覚悟はしていたのですが、全体的に聴きやすく、メロディ隊もしっかり聴こえました、バンザイ!

定刻に幕が開くと、何度もCDで聴いた "God Of The Sun" のイントロの中、暗がりに次々と姿を現すメンバー達。歓声と共に曲がスタート。数メートル先からのドラム音は破壊力抜群。時折バスドラムからは空気銃のような爆風が飛び顔に直接かかる!これは初体験。

ジェフは身体が大きいので目の前で見上げると大迫力の上に、あの身のこなし。迫力満点のボーカルは正に天性のフロントマンという感じ。1年半ぶりくらいにジェフの生歌を聴きますが、こんなにベストな状態のジェフの声をこのバンドで聴けるというのは感激以外の何物でもありません。(感涙)

ロンさんのギターも今夜はしっかり聴こえて嬉しい。ライブではロンさんのフレットレスとフレッテッドの使い分けを見物できるので興味深いのだけど、このバンドでは演奏観察をしたい人物が多すぎて目があと2セット欲しい。そして最初の間奏パートが重厚なドラムサウンドと共に、ステージ中央へ移動したロンさんの超絶ギターから始まる。変態かつドラマチックでスリリング!もちろんジェフの歌パートもいいのだけれど、4人のインストパートはエキサイティングで心躍る!

「やあ、トキヨウ!今夜は2日目だ。2回目だから、俺たちの初めての東京ライブにようこそって言えないな。昨夜来て、今夜も来てくれた人ありがとう。今夜来た人、ありがとう。お前らクレイジーなノリだな。次は "Signs Of The Times" だ!」

Img_0861ジェフのMCで始まったこの曲では、コーラス部をオーディエンスも合唱。ああ、気持ちいい!マイクのバスドラから立て続けに空気銃が撃ち込まれ、keyソロ始まり、血沸き肉躍るインストパートがたまりません。マイクの味とテクニックの詰まったドラムはもちろん、ロンさん&ビリーは超絶変態すぎ。ビリーも楽しそうにプログレッシブ・ロックを弾いているなぁ。あのダブルネックは重いだろうに。この曲の高音コーラスをキメるロンさんの終盤シャウトは鳥肌ものです!

"Divine Addiction" では終盤にビリーの超絶ソロを挟んでから、ロンさんが提供している That Metal Show というアメリカの人気メタルトーク番組のテーマ曲をインストで。次回はぜひロンさんが歌って欲しい。

そして Dream Theater のカバーで "Just Let Me Breath" が始まるとオーディエンスが一気にヒートアップ。この時代のDTに熱い想いをお持ちの方は多いのだろうなぁ。中盤から少しボーカルがロンさんに代り、高音での強力なボーカルを聴かせてくれます。ロンさんの歌唱に驚いた振りをするジェフの愛嬌あるジェスチャーも楽しい。昨年のロンさんソロツアーでロンさんの歌は既に聴いたけれど、本当にシンガー級の声。ジェフがインタビューで話していましたが、ロンさんのコーラスはこのバンドの鍵であり、Van Halen のマイケル・アンソニー的役割であるというのに同意です。

そういえば、MR.BIG や The Winery Dongs ではたっぷりコーラスを聴かせてくれるビリーは、たまにジェフからマイクを向けられるとき以外はこのバンドではコーラスはお休み。

"Labyrinth" のインストパートははっきり言って大好物。キター!カッコ良すぎる。始まりのドラムといい、ベースソロ、keyソロ、ユニゾンパート、ギターパートと波状攻撃に興奮。間奏だけでもっとやってもいいんだよ。

この辺りか忘れましたが、ジェフはキメポーズを繰り出しながら、マイクを投げてキャッチというパフォーマンスをよくするのですが、キャッチに失敗して落としてました。苦笑いするジェフと笑っているロンさんが可愛いぞ。(笑)

ビリーのベースソロ。何回観ても飽きない。凄すぎる。曲中ではあまり使っていなかった上のネック使いで8フィンガータッピングをたっぷりと。ビリーの繰り出す技には会場の全員が圧倒されて、ぴんと張った空気感が。

"Lost In Oblivion" を終えると今度はマイクが話しました。

「やあ、今日も来てくれてありがとう。昨日も言ったけど、俺とデレクは Dream Theather で、ビリーと俺とは The Winery Dogs で、ビリーとデレクと俺とは PSMS でやった。今夜 Sons Of Apollo をここで紹介できるのは最高だ!」

「これまで言わなかった話をしよう。85年、俺とジョン・ペトルーシとマイク・マイヤングがバークリーの生徒だった頃、良く見てたVHSビデオがあるんだよ。イングヴェイ・マルムスティーンの "Rising Force" 日本でのライブビデオだ!だから、33年後にここで偉大なるジェフ・スコット・ソートを紹介できるなんて光栄だ!」

Img_0759そしてメンバーが袖に引き揚げると、ジェフのソロタイム。イングヴェイ時代の代表曲 "I Am A Viking" の冒頭を歌い始め、オーディエンスが湧きたつと、「違う、これは歌わない」とすぐにやめました。(笑)

ジェフは自身のバンドSOTOでは、"I Am A Viking" の他にもイングヴェイ時代の代表曲 "I'll See The Light Tonight" の他、Talisman や W.E.T. での代表曲もやってくれるので、SOTOでの来日があれば多くのファンが楽しめるはず。ぜひ来日して欲しい。(過去記事よりSOTOのライブレポートはこちら

「ちょっと楽しもうか。続けて歌ってくれ」

と言って、節を付けたメロディのレッスン始まり。オーディエンスとの掛け合いを終えると、今度はディレイ・エフェクター(多分)を使ってのソロ・ボーカル・パフォーマンス。こうしてジェフの声だけのパフォーマンスを聴いていると、彼がどんなにパワフルで表現力豊かで、優れたボーカリストなのかが改めて分かる。

「俺が知ってる日本語は少し。"〇〇クダサイ" "ハイ、ドーモ" "アリガトゴザイマス" それと、ロン・"バンブルフット"・サール!」

ロンさんの名前は日本語か?(汗)ロンさんは先ほどから登場してクリーンでコード弾きしています。

「これからちょっとしたトリビュートをやる。俺の大好きなシンガーの筆頭、フレディ・マーキュリーだ。Queen の曲をやるから、一緒に歌ってくれ」

始まった歌の素晴らしいこと!さすが、Queen のトリビュートツアーもやったことがあり、本家 Queen 2人の演奏で歌ったこともあるジェフの歌声はフレディに負けない程の迫力と美しさで息をのむ程。"Save Me" からそのまま "Alive" に続き、バンドが加わります。

「俺はこのモスコミュールをおかわりしてくる。4人の史上最高のミュージシャンは置いていくから、ジャジーなのを聴いててくれ。マイクはロンに渡す」

ジェフが去って、楽器隊が始めたのは "The Pink Panther Theme"。 ロンさんのギターソロでお馴染みのネタですが、今日はバンド入り。ロンさんに促されてあのテーマ曲メロディをオーディエンスも歌います。クレイジーなインストパートを挟んで曲を終えると、待ってました!壮大なる "Opus Maximus" の始まり!

Img_08532ndパートになるとロンさんがビリーの方へ、クレイジー変拍子が始まる!大きく身体を揺らしながらプレイするロンさんとビリー。ビリーは動きながらカウントしてるのが感じられるのだけど、ロンさんは弾きながら適当ステップダンスを始める!変態過ぎるでしょ、それ!これがバンド内で流行っているのか、大阪ではやってなかったデレクも弾きながら踊り出している。マイクはこんな恐ろしいパートを叩きながら眠そうなジェスチャーをしていたそうで。全員変態で超絶過ぎ、もっとやって!この曲では、とんでも変拍子を乗り切ったリズム隊がグーパンチしてねぎらい合ってるところも好きなシーン。写真はグーパンチ直前シーン。

デレクの鍵盤ソロは "Figaro's Whore" からの "Eruption" で、エディのギターを鍵盤弾き!ソロを弾きながら、鍵盤を一周するという変態ぶりも見せてくれました。

デレクのソロから突入したのは、Dream Theather ファンの鼓動が高鳴るであろう名曲 "Lines In The Sand"。PSMS のライブで聴いたときもカッコ良かった。あのときはボーカル無しだったので、ジェフのボーカルで楽しみますよ。ジェフとロンさんのコーラス掛け合いもいいなぁ。高音はもちろんロンさんの突き抜けるような声で。

本編を締めて拍手を受けたバンドが一旦退き上げ、暫くして戻ったのは楽器隊のみ。ロンさんの超絶ギターソロとイントロが終わったらジェフが登場するのかなと思っていたら、後方で異変が!なんと、ジェフが会場後方からオーディエンスの中を歩いて歌っている!ジェフもロンさんもライブでフロアを練り歩いちゃう人だけど、このバンドでやってくれるとは!

"And The Cradle Will Rock" はバンド結成のお披露目が行われたロスのライブハウスで昨年の8月1日に演奏された曲。(詳細の過去記事はこちら)その曲がセットリストに入っているのも感慨深い。

デレクのkeyで始まるのは "Coming Home"、オーディエンスの熱気は最高潮。大阪では締めの曲でした!ロンさんのボリューム奏法で間奏に入るとジェフが

「トキヨー!トキヨォォ!」 とオーディエンスとの掛け合いを始めました。

「ありがとう、君たちに演奏できて光栄だ、素晴らしい夜だ。俺たちの最初の日本ツアーを実現してくれてありがとう。それを支えてくれたロードクルーに感謝を。世界一だ!そして何よりも君らに感謝!明日の朝、俺たちはフランス行きの飛行機に乗らなくちゃならない。でも俺たちは最高の気分を味わった、きっとできるだけ早く戻ってくる。用意はいいか!」

ジェフの言葉も表情も満足感が一杯です。そしてここから "I'm coming home." のフレーズでオーディエンスとの掛け合いが始まると、

「俺は日本人が慎み深いってのは知ってるぞ、でもそれは今ここで捨ててくれ。叫べ!」

Img_0872_2吠えたジェフ!今度はマイクを外して引き続き "I'm coming home." の掛け合いへ。マイクなしでもさすがの声量。それにしてもこの長めのやりとりの中、ずっとボリューム奏法するのってしんどくないのだろうか、ロンさん。

演奏終盤では、目の前でロンさんの指ぬき奏法を目撃!指ぬきキター!(興奮) 尚、左の写真はロンさんのダブルネック同時弾きです。おでこにピック貼って両手使うところと相まって変態度高くて胸熱です。

拍手の中、演奏が終わりメンバー紹介へ。全員が並んだ姿、その笑顔は今日のライブの成功を物語っています。もう少しでメンバーがラインダンスを始めそうでした。(笑)フィナーレは意外とさっぱりでしたが、ショウの中身が濃くてさすがベテランミュージシャンの集まり。いいもの見せてもらいました。

大阪ではライブ冒頭でジェフ自身が「他のメンバーは色々なバンドで何度も日本に来ているけれど、俺はフルショウでは25年間来たことがなかった。それがこの最高のバンドで果たせて嬉しい」と言っていましたね。2016年の Loud Park はゲスト参加だったのが最近でした。彼ほどの実力者に相応しいステージができて私も本当に嬉しい。(感涙)

このバンドで2ndアルバムが出てからのツアーになれば、持ち曲も多くなり、更に充実したライブを観せてくれることでしょう。楽しみです。

本日のセットリスト

01. God Of The Sun
02. Signs Of The Times
03. Divine Addiction
04. That Metal Show Theme
05. Just Let Me Breath (Dream Theater cover)
06. Labyrinth
07. bass solo
08. Lost In Oblivion
09. The Prophets Song/ Save Me (Queen cover)
10. Alive
11. The Pink Panther Theme
12. Opus Maximus
13. Figaro's Whore/ Eruption (Van Halen cover)
14. Lines In The Sand (Dream Theater cover)
encore
15. And The Cradle Will Rock (Van Halen cover)
16. Coming Home

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