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ロン・"バンブルフット"・サール ライブ@ BanxKara Zone-NY Nagoya 2017.09.05 極上の声とギターを味わう親密空間アコースティックライブ

Sons Of Apollo 加入でも話題の ロン・"バンブルフット"・サール ソロ来日公演、限定50名という名古屋でのアコースティックライブに参加してきました。名古屋飛ばしがなかったのは奇跡的でしたが、50名限定のところ、入りは30名くらいでしたでしょうか。いいライブなのに実に勿体無い。どうかこれに懲りずにまた来て欲しい。

Bf2017

ドアオープン前からずっとリハーサルしていたロン、曲はQueen やら Led Zeppelin やらロックの名曲がずらり。リハから結構歌っているのに驚きました。ノドをセーブしなくていいのだろうか?リハの音漏れが良く聞こえます。

さてドアオープンして順次入場している間もロンは楽屋に下がることなく、ずっとセッティングの場所に。この店にはステージがないので、演者がオーディエンスと同じ高さにいるのです。名古屋のみ最前列チケットがあり値段が高かったのは、これによる影響を考えてのことかも。

ロンはアコギを抱えたまま、席に着くオーディエンスにニコニコ声を掛けながら、指慣らししたり、フレーズを弾いたりしていました。そのうち "Bohemian Rhapsody" が始まるではありませんか!全パートをアコギで弾ききっていましたし、オペラパートはオーディエンスのコーラスを使いながら、高音までしっかり歌って、ロックパートのギターソロも聞かせてくれて、もう感激でした。

「まだ開演まで時間があるから、僕は人間ジュークボックスになるよ。リクエストあったら言って」

との言葉。"Little Wing" との声には、もちろんギタリスト必須曲ですから、余裕でインプロを入れながら。ベーストラックを弾いてループペダルに仕込み、ギターを重ねていました。

「これだったら、もう何時間でも弾いていられるよ」

と言いながら終えてくれたので、"Always With Me, Always With You" をリクエストすると、顔色を変えることもなく、「分かった~」と、アルペジオをループに仕込み、メロディを弾いてくれます。アルペジオのところでサッチとは随分違う押さえ方をするんだなぁ、と思いつつ、ギターサウンドに聞き惚れていました。Gソロ前で終わりかなと思っていたら、アコギでフレットボード横断タッピングを決めてくれました。シビれます!

ロンのファンという女性が彼のソロ曲でリクエストしたいものをメモに書いてきており、曲名を言っていたのですが、「それ何?」と最初は自分の曲だと気付かずでしたが、

「そっか、僕の曲か!何で気付かないんだ。それ見せて」

とメモを膝の上に置くと、次々と演奏を始めています。曲名を見て、記憶を辿りつつ、キーを探っていたりしますが、

「不思議だよ。今朝何を食べたかも覚えていないのに、25年前に書いた曲はこうして思い出せるんだ」

と感慨深げな様子。個人的には "Little Brother Is Watching" が聞けて嬉し。"Abnormal" 怒涛のタッピングパートではハイフレットに行くと、「フレットがない!」と言いつつ、全部弾いてくれました。(笑)

開演までの時間潰しのはずが、開演時間を10分以上過ぎてしまいました。(笑) ロンは挨拶のために、何か準備したらしくスマホの画面を見ています。

「ミナサン、コンバンハ。ミセンノ テバサキハ トテモ カラカッタデス」

これにはオーディエンスも大うけ。でも味仙に行ったのなら台湾ラーメンは食べたの?てことで聞いてみるとラーメンは食べなかったけど、手羽先はホットでスパイシーでおいしかったよとのこと。

1曲目は "Used To Love Her" で、いきなりロンの歌声に圧倒されます。この近さ(ロンまでの距離およそ80cm!)で生歌を聞けるとは。この声はギタリストの声じゃない、シンガーだわ!

「10年ぶりに名古屋に来たよ!ここに来れてとても嬉しいから、この曲」

と始まったのは "Glad To Be Here" シングアロングもできて、ぴったりの曲!
"Maybe I Am Amazed" は今年聞いたトニー・ハーネル バージョンよりも良くて、トニーとロンの2人でアコースティック ライブをやるよりもロンがソロで歌ったほうが良くない?と思ったのはナイショ。(トニーのバージョンはこちらで。ロンとトニーは2人で今年のMORCに乗船していました)

次いて "Aces High" で、これをアコギでやるんかい!と驚いていたら、とにかく歌声が凄い!なんて高音が映える声なんだろう!サビでオーディエンスのコーラスを求めつつ、ソロも弾く!アタックも強いし、サウンドチェックから2時間以上弾いてるけど手は痛くないのだろうか。

「Iron Maiden をアコースティックでやったのなんて聞いたことある?」

と終えて満足そう。(笑) 次に自分の曲 "Dash" を弾くと

「これで君のリクエストは全曲プレイしたよ」

と先ほどの彼女に微笑んでいて、世界いい人ギタリスト大賞をあげたくなりました。次の "Oh, Darling" はキップ・ウィンガーの持ち歌でもありますが、ロンも歌うのね。いい声してます。

「次の曲は仲の良いトニー・ハーネルとNYでプレイしたんだ。普通は皆キーを下げて歌うけど、僕はこれをキーを上げて歌うよ、自分をイジメルのが好きなんだ」

と始まったのは Queen の名曲 "Somebody To Love" 素晴らしい声にやられっぱなし。オーディエンスとの掛け合いも楽しい!

「次はクリス・コーネルの曲で僕が好きな曲だよ」と始まったのですが、私は詳しくなくて曲名分からず。でもさわりを弾いただけでした。

「僕はクリス・コーネルがやったのと全く同じ方法で自殺しようとしたことがある、何年も前に。でももう2度とやらないよ」

え?いきなりのマイクを通しての告白にびっくりしてしまって、固まりました。こんな時はどんなリアクションしたらいいのだろう。クリスの件に少なからずショックを受けての告白なのかも。とにかく彼が今元気で活動してくれていることに感謝したい。

"Goodbye Yellow Brick Road" "Don't Know Who To Pray To Anymore" と続いた切ないバラードの後は趣を変えて "Detroit Rock City"

「僕は5歳でギターを始めたんだけど、最初 "Kiss Alive" を聞いて、僕はこれがやりたい!と思ったんだ」

ギターパートにベースパートを絡めて弾きつつ、ボーカルも力強い!ギターソロもアコギ1本で見事に!

「KISSの後、同じ位大好きになったのは The Beatles。彼らの曲なら何でも弾けるよ。リクエストある?」

ギターを始めた動機も Beatles フリークなところもアンディ・ティモンズと同じって素晴らしい。急いでリクエストを口にしてみたのですが、届かず。

それからおもむろに始まったのは、スパニッシュな香り漂うインスト曲。うん?こ、これは・・・まさかのアル・ディ・メオラ??これをやってしまうとはなんて強者なの?!しかもアコギ1本でループを重ねながら。

今回のプロモーターさんが今年の東京JAZZにアル・ディ・メオラの出演をアレンジしたそうで、そのご縁を聞いてロンが選曲したのかも知れません。それにしても、これをアコギライブに組み込むなんて凄いわ、ロン。

東京ではリクエストに応えつつ、3時間もライブをやったそうですが、その反省が生かされた(?)のか、名古屋では予定通り9時半を過ぎたところで、

「じゃあ、時間だから今日はこれで終わり。皆来てくれてありがとう」

とお開きになりました。開演待ち時間の演奏も入れると2時間10分位だったでしょうか。これほど間近で彼の演奏を見て、歌を聞き、話ができるという貴重な体験ができるとは、大感激でした。日本では普通できないライブ体験ではないかと思います。

終演後は物販のCDが売り切れてしまったので、とサイン&写真を受付けてくれました。1人ずつ、真摯に対応する人なので全員終わるのには長時間かかったことでしょう。本当に人柄も素晴らしい人です。

本日のセットリスト
(本編時間の演奏分のみ、何曲かは失念)

01. Used To Love Her (Guns N' Roses cover)
02. Glad To Be Here
03. Maybe I Am Amazed (Paul McCartney cover)
04. Aces High (Iron Maiden cover)
05. Every Little Thing She Does Is Magic (The Police cover)
06. Dash
07. Oh, Darling (The Beatles cover)
08. Somebody To Love (Queen cover)
09. unknown (Chris Cornell cover)
10. Yellow Blick Road (Elton John cover)
11. Don't Know Who To Pray To Anymore
12. Detroit Rock City (Kiss cover)
13. unknown (The Beatles cover)
14. unknown (Led Zeppelin cover)
15. Mediterranean Sundance (Al Di Meola cover)
16. Sweet Child O' Mine (Guns N' Roses cover)

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ロンには直接聞いてみたかったことを質問してみました。

彼が Guns N' Roses に加入することを勧めたのがジョー・サトリアーニだったのかということ。「そうだよ、彼が僕を推薦してくれたんだ」とのことでした。ロンとサッチの交流や共演は知らなかったので、サッチとの関係について聞いてみると、「ギタリストっていうのはお互いのこと良く知っているものだよ」とさらっとした答え。その辺りの話を詳しく聞いてみたいなぁ。

画像右側は、元はプロモーターさんが公開していた写真で、今回の来日時、名古屋から大阪への移動オフ日に京都を訪れたロンの写真です。とても素敵だったので、雑誌の表紙風に私が加工し、文字入れしてみたものです。気に入っているので追加掲載してみました。(笑)

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