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ジェフ・スコット・ソート Sons Of Apollo 「俺は今、世界最高のバンドの一員なんだ!」

10月20日ついに Sons Of Apollo のデビューアルバム "Psychotic Symphony" がリリースされました。(日本発売は25日となります) 前評判も海外のアルバムレビューも相当に高いですので、デレク・シュレニアンが目指す歴史的バンドへの第一歩となることを願っています。

アルバムのプロモーションが活発化し、デレクとマイク・ポートノイのインタビューが多数公開され、チェックしきれなかったところに、ジェフ・スコット・ソートのインタビュー(こちらこちら)がなかなかに興味深い内容でしたので、概要を和訳してみました。

マイクが別のインタビューで言っていましたが、ジェフとロン・"バンブルフット"・サールを獲得したことについて、エゴがなくて共に仕事して楽しいシンガーとギタリストなんて貴重な人種だそうで、そんなジェフのシリアスな話です。

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Jss_soaSons Of Apollo について教えてください。バンドなのですね?

これはプロジェクトではなくてバンドだ。全員がツアーにもプロモーションにもコミットしているし、2018年は全員がこのバンドのためにスケジュールを空けている。これが上手く行けば俺たちは続けるし、例えアルバムが2枚しか売れなくても、俺たちは再び2枚目のアルバムを作って、再びプロモーションもやる。

俺はこれに参加できてとても興奮している。もしこれがプロジェクトであってもやっただろうな。これほどの凄腕のプレイヤー、ソングライター達、その彼らから同等のパートナーとして参加してくれと言われるだなんて、こんな嬉しいことはない。

俺はここではメロディラインも歌詞も書かれたものを歌うただの雇われシンガーじゃない。彼らは俺を尊重し信頼してくれるんだ。メンバーでは俺はビリー・シーンを一番長く知っているが、ソングライティングについては大部分がマイクとデレクで彼らをあまり知らないんだ。いや、実際にはバンブルフットの方が知らないな。

彼のことは Guns N' Roses のライブで見たことがあったのだけど、俺は GnR のファンて訳じゃなかったからあまり彼のことは注目していなかった。でも彼のことを調べたら、演奏にも人柄にも完璧に驚かされたよ。彼のことは大好きだ。

マイクとデレクが PSMS 以前にやっていた音楽はよく聞いているし、もちろん The Winery Dogs でビリーとマイクがやっていたことはたっぷり聞いている。俺のバンド SOTO と彼らは南米を一緒にツアーしたんだ。バンブルフットの作品も十分聞いた。だから、このバンドの作品の音を1つも聞いていなくても、これは素晴らしく特別なものになると確信していた。

この前こんな会話を妻としたんだ。「俺はもう50歳を超えた。50歳のシンガーがマスマーケットに向けて、特に若い子向けに求められるなんていう機会はあまりないだろう。だから俺はそれを受け入れて俺の過去の実績を胸にキャリアの幕を閉じようと思う」そうしたらこのバンドの話が来たんだ。まるでカンフル剤だったよ。

これは50歳を超えた俺にとって実際にシーンに出て自分を再構築し、再び俺の名を刻んで別のレベルへ到達するチャンスなんだ。だから俺は今回のこと全てにこの上なく興奮している。

あなたのファンとして、様々な活動を見てきました。

30年以上も聞いてくれた多くのファンは、俺がこれまでと違う新しいものや実験的なことを試すのを歓迎しない。慣れ親しんだものを聞きたいし、それで嬉しいんだ。でも一方で「ああ、同じだな。30年経っても同じ古い音楽だ」とも思うんだ。

だから自分で最良のバランスを見つけ、クリエイティブに再構築する必要があるんだ。これは難しいことだ。そしてこれをやることが俺の人生なんだ。俺はこの業界でスタートする16歳と同じくらい謙虚に感じているし、同じようにハングリーだ。世界にまだ俺のファンがいて幸せに思うよ。

俺はプログレバンドに入ったことは1度もないんだ。ああいうジャンルの曲を書いたことも無い。俺の手に負えない仕事かも知れないと思ったけれど、まずは彼らの作る曲を聞いて考えようと思ったのさ。

最初は Dream Theater みたいな音楽で歌うことを期待されているんじゃないといいなと思ったよ。もしそうなら彼らは別のシンガーを探すことになる、今の俺の声はそういうのは歌えないんだ。でも幸運なことに彼らが望んでいたのはそういうことではなかった。

ツアー中だった俺にキーボードで曲のアイデアをデレクが送ってくれて、その後マイクとバンブルフットが加わったものを送ってくれた。彼らはとてつもないものを凄いスピードで書いていたし、とてもクリエイティブだった。ボーカルを入れるところでは殆どの曲を一緒に作業した。俺は自分のソロアルバムのようにはしたくなかったし、彼らも俺の声に完璧にフィットしない曲をお仕着せにしたくなかった。共にやる必要があったのさ。

俺は長年バンドで作曲するという機会がなかったから少々心配していたのだけど、彼らは俺の最高の力を引き出してくれた。彼らは俺が考えもしないアイデアをくれて、逆に俺は彼らが思ったものよりもずっと上手く歌い上げることができた。とてもクールなプロセスで上手く行ったよ。

ニューアルバムは素晴らしいです。このような後世に残る曲の要素は何でしょう?

バンドメンバーを考えてみれば、彼らは何だってプレイできるのは明らかだ。でも俺たちは曲作りに力と時間を注いだ。俺の歌について言えば、できるだけシンプルに、耳に心地よいものを目指した。俺が歌っていないパートについては、彼らは思い切りクレイジーなプログ世界へ入れる。そして歌のパートに戻ればキャッチーでコーラスがあって、覚えて歌えるものだ。このバランスを取ることに注力した。こうした曲作りが俺たちの音をバンドらしいものにしたんだ。

ライティングに参加して一番楽しかった曲はどれですか?

楽しかったということではないけれど、"Alive" は俺が書いて彼らに渡して「これは完璧だ。これには何も手を入れるところはない」と一発で受け入れられた曲なんだ。楽しかったのは "Labyrinth" だな。あれは多くのパートやセグメントから出来ていて、スタジオではいくつか違うことを試して、最終版を作った。多くの異なったアイデアをクリエイトしたのは楽しかったよ。

ライブで歌うのが楽しみな曲はどれですか?

"Labyrinth" だと思う。この曲にはオーディエンスが歌えるパートは実際ないのだけど、俺の頭の中にはオーディエンスと共に繰り返すフレーズがもう浮かんでいるんだ、きっとオーディエンス参加型の曲になると思う。

"Coming Home" "Lost In Oblivion" なんかのストレートな曲は楽しいロックンロールのヴァイブがあってオーディエンスも参加できると思う。

でも実を言うと全く分からないんだよ。水晶の玉を覗いてる状態なんだこれらの曲をアルバムに収録したものよりも更にクリエイティブなサウンドにするために俺たちができることを考えていくことになる。オーディエンス皆が参加できるように

俺が思うに、これがプログレ音楽シーンのもう1つの面なんだよ、オーディエンスとの繋がりがないんだ。オーディエンスはじっと座って、俺たちの途方も無い演奏力を見てくれ、みたいな。

Sons Of Apollo では Rush の要素と同様に、Van Halen 的な要素も前面に出したいと思っている。オーディエンスには俺たちの演奏にも注目してもらいたいが、最高のパーティバンドのように彼らを楽しませたいんだ。

2018年のツアーはどうなりますか?

世界ツアーはできれば2周しようって計画だ。全世界を周ろうとしているし、評判の良かったところにはもう一度行くとか、行けなかったところにはまた行こうと思う。スケジュールはとんでもないものになるだろう。待ちきれないな、まるで菓子屋にいる子供の気分だ。俺は今、世界最高のバンドの一員なんだ!

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SOTOでの来日は叶いませんでしたが、やっとバンドの形でジェフのライブを日本でも見ることが出来そうです。待ち遠しいなぁ。