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Green (@ribbon_bear) が毎週好きな音楽ネタを語ります! Since 2011

ロン・"バンブルフット"・サール ライブ@ 月見ル君想フ Tokyo 2017.11.13 音楽脳は止まらない!

9月にソロ・アコースティックツアーで来日したばかりのバンブルフットが驚きの緊急来日!告知から開催まで1週間少々のライブだなんてびっくり!今回は東京のみでエレクトリックのソロライブということで、Vigier ダブルネックの演奏を聞きたい!と参加してきました。

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Ron2017tokyo開場後、席につくとステージではロンが前回と同様に手ならししていました。前回の名古屋はステージもなかったので、今回はステージの照明やモニターもあってライブらしい雰囲気ですが会場は小さくて親密な空間です。

ロンが弾いていたのはデヴィッド・ボウイThe Beatles など。開場の時には Sons Of Apollo からのギターソロも少し聞こえました。今夜ライブで聞きたい!

マグカップでお茶を飲んでいるロン、よほどお茶が気に入ったようで話し始めました。

「命の無いものを本当に愛しちゃうってことあると思う?僕はこの甘いお茶を愛しちゃったんだ。このお茶があれば人生すごせるって、そんなことある?オレンジとショウガと何かが入ってる甘いお茶だよ。」

とお茶ラブ談義(断茶会の告白シーンを含む、笑) を終えると

「じゃぁ、ショウを始めようか。まずはボーカルエクササイズ。皆やってよ」

と摩訶不思議なボーカルエクササイズを始めます。なんだか既にハイなロン(笑)。

今日は沢山インストもやるよ~、と始まったのはバッキングを使っての "Pink Panther Theme"、これ聞きたかった!お馴染みのモチーフに続いて一気にヘヴィなギターの応酬、バカテク祭り。

続いては「ラブソングにしよ~」と言って "Abnormal"。これは前回のアコースティックライブでは「フレットがない!」と言いつつアコギで出来る範囲やってくれた彼らしいクレイジーな曲ですが、今回はエレキでフレット切れもなく、タッピングも存分にやってくれました。歌声も相変わらず素晴らしい!

"Little Brother Is Watching" "Glad To Be Here" とアップテンポな曲が続いた後、「静かでリラックスできる曲にしよう」と言ったハナから、とんでもクレイジーな "Guitars Still Suck" と畳み掛けられました。

左手小指には金属の指ぬきがつけてあって、例のフレット外の音を鳴らす指ぬき技もやってくれた模様。

ループを使って始まったのは "Every Little Thing She Does Is Magic" 美しい曲調と歌声にほっこりすると、なぜかハイになっているロンは

「よっし青色!」

と言うとギターのLEDを点灯(ネック側のボディエッジ周辺にLEDが複数付けられており、手元でオンオフ、色やパターンを変えられるようになっている)しました。何でそこが光るの?(大笑)

「15年前くらいに僕は Herbert 'Ruffles' Lovecraft っていう偽名でラウンジミュージックをプレイしたんだ。Eminem とか Black Sabbath とかそういうのをリメイクしたんだ。レーベルからアルバムも出したし、バンドは Lounge Bouggie って言って、僕の友達ばかりさ。それとは別に2つ目のキャラクターも作ったよ、怒れる男でどなってののしってばかりいる男、Checkers Goldstein っていう偽名なんだ、面白いんだよ。ラウンジバージョンの Eminem なんてやると誰かに殺されちゃうから偽名にしないとね。それで Herbert 'Ruffles' Lovecraft は昨日どこかでプレイしたんだ。うーん、誰からも反応もらえないなぁ、次の曲やろうか」

としゃべり倒したロンでしたが、笑う他にどうリアクションしたらいいの?ところで、この Herbert 'Ruffles' Lovecraft についてはライブの前日にロンがシークレットアクトを告知していたんですねぇ。これを見てもあなたの偽名だとは分かりませんって、面白い人だ(笑)。

オリジナル曲を立て続けにプレイしてとんでもないギタープレイをこともなさげに弾きつつ、歌唱も聞かせる。"Oh, Darling" での歌唱はもう完璧にシンガー級、それもトップクラスの。リッチー・コッツェン同様に神から複数の才能を与えられた人がここにもいた。

「これは2ヶ月前にアコースティックでもやったね」

と始まった "Dazed and Confused" はループにバッキングを入れて歌っていたのですが、ソロパートでは複数のバッキングを順次仕込んだ上でメインのギターソロに入るというのをその場でサクサクやってのけてくれて、その器用さに感心しました。フレットレスの音が印象的。

「Tシャツのバンドの曲をプレイしてみようか、何があるかな?」

と目に付いたバンドの曲を少しプレイしてみせるロン。Art Of Anarchy の "Changed Man" が聞きたいなぁと思いながら、曲指定はせずに Art Of Anarchy をリクエストすると、ここでそのリクを受けるとは思わなかったようで、「興味深いなぁ」と言いつつ、始まったのは "Changed Man" !それよ、私が聞きたかったのは!サビ部分のロンの素晴らしいコーラスが好きなのです、嬉しい。

「何の料理してるの?何か味噌の料理?」

とバーカウンター奥からの料理臭に反応しつつ、"Hey Jude" を始めると今度は

「君!ちょっと待ちなよ、Beatles の最中に出てくなんて!」

と席を立ったオーディエンスを止めるなど、すっかり気がそれている様子で苦笑していましたが、曲のラストではサビを歌い上げつつ、ソロを弾きまくってくれました。

「次は何にしようかな、ふんふんふん♪」

といった具合にバッキングの入ったスマホで曲をスクロールするロン、本当にリラックスしてその場の気分で曲を選んでいるし、足元に用意したカンペの紙も使ったり使わなかったり。おどけた独り言がめちゃ多くて、面白い。

Alice や Kiss のカバーで温まったところで、友人がリクエストした "Drunk" が静かに始まりました。初めて聞く曲だったのですが、悲しげな曲調とダイレクトな歌詞にすっかり心捕らわれてしまいました。後で歌詞を読んでみると、胸が締め付けられるような内容。これは実体験か人の痛みが分かる人でないと書けないと思う。

「この曲はもう20年プレイしてなかったよ」

優しく微笑むロン。それでも弾いて歌えるなんて、9月の来日時も言っていたけれど、「今朝何を食べたかも覚えていないのに、25年前に書いた曲はこうして思い出せるんだ」ということなのでしょう。若干曲を忘れているところはあったものの、素晴らしかった。

オーディエンスから同時に Alice In Chains, Def Leppard, Jimi Hendrix とリクエストが上がったところで、さらに "Pirate Level 2" とリクエストが挙がります。何それ?と思っていたら、ロンが奇妙なギターを弾き始めました。

「何やってるんだって思ったよね。僕は21年前にビデオゲームサウンドトラックを手がけたんだ。それはビデオゲームで初めて本物のサントラを使ったやつでね、昔のプペップップーってゲームの音から本物の音楽に移行したところだったのさ。さっきのはゲームの中のあるレベルでかかる音楽なんだよ。ゲームは Wild Woody っていうシーカーゲームなんだけど、あまり売れなかった」

「さてと、3ついっぺんにって出来るかなぁ。ジミヘンぽく弾いて・・・別の曲をプレイして、歌詞は別の曲にしてみようか。うーん、多分できる。 Def Leppard の "Love Bites" の歌詞で Alice In Chains の曲をジミヘンぽく弾くんだ」

そうして始まった可笑しなマッシュアップは何とも芸達者!この遊びがすっかり気に入ったらしく、MR.BIG の "Green-Tinted Sixties Mind" を歌いプレイは Metallica とか、Journey "Don't Stop Believin'" で Pearl Jam とか始まって止まりません。高度な音楽脳がないと即興でこんなことできませんて。オジーとザッパの掛け声に考えていたロンでしたが、ザッパがオジーを歌うという設定で不思議な "Crazy Train" を聞かせてくれました。

「これでアルバムができるよねぇ。これとこれ!って掛け声があってそれをプレイするっていうので。最悪のコンビネーションをやるんだ」

と次のアルバム構想まで盛り上がってきた様子(笑)。 Faith No More と Yes の掛け声にも俄然やる気が刺激されたようで、複雑なベースラインを仕込んでギターを重ね始めます。何だか形になってくるのだから凄い。

きちんとしたのをやるよ、と始まったのは "Don't Know Who To Pray To Anymore" でエモーショナルなボーカルにシビレ、ギターソロに感激したところでお開きとなりました。

気付けば7時半にショウが始まってから、2時間半をすっかりオーバー。7時の開場前から弾いてるロンはとっくに3時間超の弾きっぱなし。今回も長時間、音楽への溢れる愛をオーディエンスとシェアしてくれたロンでした。

「前回アコースティックをやって、今回ギタークリニックとこれをやって、一歩ずつ進めてこれたね。今度はバンドで来るよ、また会おう。皆来てくれてありがとう!」

あなたと Sons Of Apollo で再会できるのが今から楽しみでなりません!

本日のセットリスト(一部不明)

01. Pink Panther Theme
02. Abnormal
03. Little Brother Is Watching
04. Glad To Be Here
05. Guitars Still Suck
06. unknown
07. Every Little Thing She Does Is Magic (The Police cover)
08. unknown
09. Maybe I Am Amazed (Paul McCartney cover)
10. unknown
11. unknown
12. Oh, Darling (The Beatles cover)
13. Dazed and Confused (Led Zeppelin cover)
14. unknown
15. unknown
16. Used To Love Her (Guns N' Roses cover)
17. Changed man (Art Of Anarchy)
18. Somebody To Love (Queen cover)
19. Hey Jude (The Beatles cover)
20. Dash
21. Never Again
22. Rockstar For A Day
23. School's Out (Alice Cooper cover)
24. Detroit Rock City (Kiss cover)
25. Drunk
26. various cover mashup
27. Don't Know Who To Pray To Anymore

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ミーグリ時に、先日 Sons Of Apollo offiial のインスタに掲載されたなんちゃって旅行雑誌カバーをロンに見せて、「どうこれ?」と聞いてみたら、「これ!誰がやったのかと思ってた(笑)」とウケてくれたので、満足でした。作った時は自分でウケていたのだけど、デレクにもウケたのは嬉しい。元画像は前回のライブレポにあります。