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サイモン・フィリップス ライブ@ Blue Note Nagoya 2018.01.09 グレッグ・ハウ新規加入でライブ!

Img_4183サイモン・フィリップスが自身のニューアルバム Protocol IV をリリースしての来日ツアー最終日、このプロジェクトでは2014年以来の名古屋公演に参加してきました。

サイモンは先月カリフォルニアを襲った山火事で自宅が焼け、12月に予定されていた北米ツアーをキャンセルしていただけに、1月に日本へ来てくれるのか不安でしたが、無事に来日して東京で週末3日6公演をこなしてから名古屋入りしてくれました。

Protocol と言えば、これまでギターはアンディ・ティモンズでしたが、アンディの音楽方向性、家庭事情などによりアンディが脱退し、代わりにグレッグ・ハウが加入しました。ロックギタリスト出身で腕の立つ2人ですが、タイプが違うのでどうだろうと思いつつもアルバムを聞いて、サイモンの人選はさすがだなぁと感心しました。前からグレッグ・ハウの生演奏を聞いてみたかったのでとても楽しみです。

また今回はキーボードもスティーヴ・ウェインガードからオトマロ・ルイーズに代わっていました。アルバム レコーディングにはデニス・ハムが参加していたのですが、ツアーは同行しない模様。

ステージの楽器配置は前回同様、下手からドラム、ベース、ギター、キーボードでした。ベースのアーネスト・ティブスですが、前のツアー中に怪我をされたか何かで座って弾くようになってからはスツールに座って弾くこのスタイルですね。

オレンジと黒の模様に見える艶やかなKIESELギターを持って登場したグレッグはステージ奥まった立ち位置にスタンバイ。真後ろに小ぶりなアンプとキャビが配置されており、客席からは見にくい状態。遠くから見た感じですが、多分エンドーズの DV MARK のものっぽい。日本に代理店あるのかな。

オープニングはアルバム1曲目の "Nimbus" 。イントロの音源をオトマロさんが流し、keyが入り、ハーモニクスをスタンバイしていたグレッグが入り、ドラム、ベースが加わります。Aメロ入ると一気に音量が上がり、ドラムの表情が豊かで心地よいけれど耳にデカいサイモンのドラミングを聞き、期待感が上昇します。

グレッグのサウンドはアルバムよりも少し硬いけれど、艶やかな印象。巧いのだけれど、決して出過ぎることは無く、きっちり弾いている感じ。勝手に持っていた彼のイメージはファンキーでオーガニックなシュレッダーだったのですが、硬めの音でこの都会的雰囲気の音楽にきっちり合わせているのでしょうか。多様な奏法とかエフェクターの多用もあまりせず、それでいて随所に巧さがにじむという印象。ノースリーブのシャツから覗く上腕二等筋が素敵であります。(←そこは目が行く)

2曲目の "Pentangle" はイントロのファンキーなギターリフにベースが平行してのイントロがかっこいい曲。アーネストさんは指なめるの止めてくれたら文句ないんだけどなぁ。サイモン怒涛の太鼓もヒートアップ。やはりアルバムと違って生は迫力。ドラムの振動が客席にいても身体に響いてくるし、シンバルの音は耳にガンガンくる。アルバムだけでなく、これはライブで体験しなくてはいけない音楽。このバンドではサイモンをガン見するメンバーと大将とのアイコンタクトの様子を見るのも面白い。そうしてビシっとタイムが合う様子も見ていてゾクゾクします。

ドラムセットから前に出てきたサイモン、白地に黒い柄の半そでシャツでいつもの普通のおじさんの装い。メンバー紹介をして

「今夜はニューアルバムを全曲演奏しよう。次の曲は数年前のインド旅行に刺激されて書いた曲、"Passage To Angra"」

なるほど、この曲のエキゾチックなテイストはインドって感じだ。エキゾチックなビートに乗せて入ったギターは艶やかでスライド多用。インドの踊りのイメージが浮かぶ。このギター、ペグとかパーツがゴールドだからライトが当たると光るなぁ。

「この後は趣向を変えて北アイルランドケルトに連れて行こう。でもその前にオトマロのマジックを」

とのMCでピアノサウンドのソロ。静かで美しいサウンドは丁度いい休息になりました。

ピアノソロ後に始まった曲、ギターソロのイントロは美しかった。トーン大王のアンディとはサウンドが違って、トーンのエモさは違うのだけど、艶の美という感じ。その後のロックしてるバッキングではロックなサウンドがカッコイイ。サイモンはこういうロックな味が出せてフュージョンできる巧い人を必要としてて、いいチョイスだと思う。

「今夜が日本での最後の夜だ、また近いうちに戻れることを願っている。次は驚くかも知れないけど、バラードだよ。"Phantom Voyage"」

憂いを感じさせるギターのイントロで始まった曲は間違いなくバラード。抑え目で美しいリズムとキーボードの上をグレッグのギターが時にせつなく時に情熱的に歌っています。痺れるわ~。

短い静寂の後、始まったのはドラム・ソロ!エスニックなリズムからの抑え目なスタートも面白い。次第に音は大きくなり、俺の太鼓を聴け!と迫力のソロにオーディエンスの拍手が大きくなります。

ドラムソロから間髪を入れず締めの曲へ。大きな拍手を受け、お辞儀して去っていくバンド。直ぐにアンコールの拍手が続きましたが、今夜はアンコールなしでした。

ニューアルバム全曲プレイのみで、過去の Protocolアルバムからの選曲は無し。バンドが変わったので以前のカタログからはプレイしないのかな。それでも新バンドで充実のライブを聞かせてくれました。次の来日でもぜひ名古屋に来てください。

本日のセットリスト

01. Nimbus
02. Pentangle
03. Passage To Angra
04. Solitaire
05. piano solo
06. Interlude
07. Celtic Run
08. All Things Considered
09. Phantom Voyage
10. drum solo
11. Azorez

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サイン会

2部終了後は物販購入者対象でサイン会があったので参加してきました。
前回はアンディ・モデルのギター持参の方を見かけたけど、今回ギター持参の方は見かけません。
サイモンを先頭にグレッグ、アーネスト、オトマロの順でテーブルの後ろに座っています。
当然のことながらサイモン・ファン多し。

サイモンにはお悔やみとお礼を述べて握手。続いてお話してみたかったグレッグへ。
彼のソロアルバムを差し出し、「これは私にとって昨年のベストギターアルバムです」と言うと感激してくれて、(東京公演ではグレッグのソロアルバムの物販がなかったらしい。物資の遅れで名古屋から販売なのかも。もしや私が一番乗り?)「ありがとう!」と手をとって甲にキスを頂きました。(きゃっ!多分ハグできない位置関係のとき、紳士は手の甲チューするんだね)

すると2つ隣のオトマロさんが抗議、「俺はそのアルバム20枚も買ったのに、彼はそんなことしてくれなかったよ!」これを聞いて一同笑いの渦。いいキャラなおじさんでした。

グレッグにリッチー・コッツェンをフューチャーしたアルバム最終曲も素晴らしいと伝えると、「リッチーは素晴らしいよね」と。もう一度リッチーとアルバム作って!と言いたかったのだけど、手の甲チューで舞い上がり、全部話せずに終わってしまい残念でした。

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