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Gus G. ギタリストへの5つのアドバイス

ニューアルバム Fearless をリリースしてツアー中の Gus G がメディアのインタビューに応えました。その中から「ギタリストへの5つのアドバイス部分を和訳してみました。
このメディアは同じ質問を複数のギタリストにしているので、他のアーティストの回答も読むと面白いです。アンディ・ティモンズが回答した記事はこちら

Fearless

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1.自分が伝えようとしていることについて理解を深めること

全てのテクニックには音楽的な意味が必要だ。ハートのこもっていない速弾きギターに俺がウンザリするのはそこなんだ。

誰だってギタリストならテクニックが上達したいって思うものさ。でも、重要なのはコンテキストさ、音楽的な主張がなくちゃならない。もしその主張が「30秒超速弾きをする」ってものなら、それが曲が必要とするもので、それが主張で意味を持つことになるけれど、アルバム全部がそれってのは、止めた方がいいかも…

メロディとテーマを考えるべきだ。完璧なソロはどこかで始まって、どこかへ運んでくれるものだ。マイケル・シェンカーやウリ・ジョン・ロートや Iron Maiden のギタリストが常に何かを語っているのはそういうことさ。同じことがマルムスティーンにも言える。彼はハーモニック・マイナーのキングさ。それでいて、彼は誰にもできないようなヘンドリックスのプレイもできるんだ!クラシック曲を弾いているときだって、イングヴェイにはロックンロールの姿勢があるのさ。とてもクリーンだけど、同時に本当にダーティにもやれる。

誰の音楽を聴くかによって脳に種が植えられるんだ。俺は大好きなプレイヤーを全部合わせて1つにしたかった。やがては自分自身のリックの詰まったバッグができるんだ、マルムスティーンやアイオミが彼ら自身のを持ってるようにね。そうやっていけば、何年も経って自分のリック・バッグを開ければ、ほら!この通りって訳さ。

2.できる限り自分のプレイを録音すること

細かな点に注意を払わなくちゃならない。ヴィブラート、音の終わるところと次の音の始まるところ、1音が拍の上でどう分割されるか。これらを知る為に1番良い方法は自分のプレイを録音し続けることさ。弾いてるときは、自分で超クールな音だと思っているかも知れないけれど、聴き返して(ソフトに現れる)波形を見ると、スネアはそこにあるのに、自分の音はどこか違うところにあったりさ。

自分がどれだけタイトじゃないかが分かるし、波形がきちんとしていなくちゃならないところも分かる。機械的に正確になれと言っているのではないんだ。自分のタイミングを理解することで上手くなれるし、こう成らなくてはと思うところへたどり着く助けになるだろう。

3.弦をクロスする方法を考えろ

リードギター・プレイヤーの誰もがぶつかるのが弦をクロスすることさ。練習する以外に方法はない。ポール・ギルバートの集中ロック講義DVDにある、「同弦で3音、隣の弦で1音」のリックは実に役立つが、ひたすら練習しなくちゃいけない。練習していると自分の限界に達してこれ以上速くできないと思うターニングポイントがあるだろうけれど、すると急にそこが近づいて到達できるのさ。

ポール・ギルバートの教え方は本当に上手いと思う。彼は何だって面白く伝えてくれるんだ。俺はあれを観て何時間過ごしたか数えきれないね。彼の教則ビデオで練習をクリーン・チャンネルでやることを学んだし、ディストーションを加えるときにどうコントロールするのかを知った。ゲインで何もかも変わるんだ。割れるノイズになってしまう、つまり2つのバランスが大事なのさ。でも決してゲインに隠れるな!

「イエイ!俺は速弾きの少林寺だぜ!」なんて俺は思ったことは1度もない。君が実際にそこに到達することもないだろう。でも過去の数年で、俺は自分の知識やプレイしているもの、それら全てのコントロールについて、より心地よさを感じるようになった。リラックスしたんだ。

4.各音を異なったものにするのは何かを考えること

ダイナミクスもまた重要な部分だ。君はどれ程ラウドに各音を鳴らすのか、どうアクセントをつけるのかを考えているに違いない。速い6連符にはもちろん拍の違いによって特定のアクセントがある。それはメトロノームを使いながら、ゆっくりプレイして見つけ出さなくてはならない。退屈だし、型通りだけど、実際それ以外に方法はないんだ。

最近俺は同弦3音や同弦2音のアイデアを使い過ぎただろうかと考えていて、5連符に入り込み始めたんだ。サウンドもフィールも違うし、そのリズム・コンセプトでリックを創り始めたんだ。つまり、俺はエコノミー・ピッキングを覚えなくちゃならなかった。俺はどっちかと言えばオルタネート・ピッキングの男だからね。

その結果、俺はちょっとばかりピッキングにズルをするようになった。オルタネートを使うのが減ったんだ!ニューアルバムでのリードギターの多くではエコノミーで弾いてる。"Letting Go" のリックの終わりで聴けるよ。俺たちは皆(スケールの)ボックスでプレイする。誰にでも快適なゾーンがあるんだ。でも時々はそこから出て、弾いてみることだ。そうやって新しい発見をするんだと思う。常にどこか違う場所のボックスを見つけることさ。

5.頼まれたことは何でもやること

俺は自分のことをセッション・マンだと思ったことはないし、そうなりたいと思ったこともない。可笑しなことに、俺はいくつかの大きなバンドでプレイしたけれど、俺の子供の頃からの夢は自分のバンドを持って、それであるレベルに到達することだ。最初の Firewind アルバムの後、俺は Dream EvilMystic Prophecy と Nightrage なんかの共同創設者だった…

俺のプレイが評判になると、 Arch Enemy から電話があったんだけど、その時に俺はセッション・マンにはなりたくないと自覚したんだ。それで俺は自分のバンドだけをやるって決断をした。もちろん、その数年後にオジーから電話があったんだけど、それにはノーとは言えないだろ?

ギグをやるなら、自分のポジションも場所もしっかりと理解する。俺は良いマナーをわきまえてると思うし、それがギグをやる上での鍵の1つだ。ナイスガイであること、時間を守ること、心を込めて演奏し、役割に満足すること。何をするにしても、惨めなアホにはなるな。そんな奴とツアーで過ごしたい人はいない。

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ポール・ギルバートの教則ビデオで練習しまくっていた話は興味深いです。

今月号の Guitar World に Gus G.の Q&A があるのですが、「ファンが Gus G.が好きだとは思わないような好みのバンドはあるか?」と聞かれて、

難しいな。もちろん、Dire Straits(ニューアルバムで "Money For Nothing" をカバー)はそうだったよね。あと、俺は実は Roxette っていうスウェーデンのバンドが大好きなんだ。彼らはヨーロッパで大ヒットを飛ばしたんだ。だから "Joyride" か "Fading Like a Flower" にはクールなリフがあるからカバーをやってもいいな。(笑)

と答えていました。"Money For Nothing" のカバーは最高にクールだったし、彼の口から Roxette の名前を聞くとは思わなかったけれど、きっとクールなカバーになることでしょう!ちなみに私は Roxette の "The Look" が大好き!