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Green (@ribbon_bear) が毎週好きな音楽ネタを語ります! Since 2011

Polyphia ライブ@ ell. Fits All Nagoya 2018.11.19 次世代ギターミュージックは激ラウド!

次世代ギターミュージックを牽引すると言われる Polyphia が名古屋に来てくれるというので行ってきました。何しろ、普段足を運ぶライブはアーティストが50代くらいなので、こんな若者バンド観たことないのよね、オーディエンスの年齢層を一気に引き上げちゃったら気まずいかしら(汗)と思ったのですが、会場に入るともちろん若者はいたのですが、同年代またはそれ以上な「ギタリスト・チェック」に来たっぽいおじ様たちもいらして、ほっと一息。

ニューアルバム New Levels New Devils やMVなどは事前チェックしました。アルバムタイトルをどこかで見かけるようなメタルバンド文字(判読不能なやつ)で書いちゃうとか、これは彼らの皮肉かお遊びか。ジャケもMVも独特のアート感漂って、普段目にするハードロックバンドのMVとは大違い

ギター担当の2人は両者とも Ibanez AZ を使用。ベースも Ibanez SR、ドラムは TAMA と星野本社のある名古屋にぴったり♪ AZ を使っている人には興味深いテクニシャンが何人かいて、Polyphia の彼らもこれを使っているというのは興味津々。私の大好きなアンディ・ティモンズが1月に発表予定の新シグナチャーは ATZ でAZがベースになっていそうな予感だし。

アルバムを聴いた感じでは、こういうアートで複雑な音楽をどうライブで再現するのだろうか?それに観客はどう反応して聴くのだろう?ロックみたいに聴く?それともジャズライブみたいな反応?と疑問が尽きないなか、彼らのライブが始まりました。

冒頭からさっきの疑問には答えが突き付けられました。メタルライブ並みのラウドさ!それ以上にラウドかも。ドラムとベースの音がデカイ。この時点で彼らの音楽はアルバムとは別物になっていた。アルバムでは時折ニクイ上手さが香っていたリズム隊がどかんと音の中心位置を占めており、ドラムのパワーと上手さが、先ほどまでのオープニングアクトとの違いを歴然と示している。

そしてベースのクレイ、センターでベースを弾きながらMCを務める若者は「Fxxk Yeah! Nagoya!」などと叫びながら威勢のいいこと!これはメタルというかグランジというか、そういうノリですな。アルバムのアートな音楽からはこういうノリは想像してなかったので、正直戸惑っていまいました。(汗)

そんなラウドなリズムを背景にしつつも、2本のギターはアルバムで聴いたあの音をあのプレイをしっかり奏でているじゃありませんか!ちょうどリードギターのティムの正面辺りで観ていたのですが、か細い美少年はしかし手がデカイ。長く細い指が指板を上下に動く様はさながらタランチュラのダンスの様で、タッピングにスウィープにと涼しい顔してテクニックの応酬に圧倒されました。

もう一人のギター、スコットははにかみ屋さんでラブリーな性格なのでしょう、ギタリストのエゴ的なものは微塵も感じさせず、始終にこやかで温和なたたずまいが、攻撃的なクレイと対照的。

新譜からセレクトされた冒頭の2曲はどちらもダークで異次元な感覚の残る凝った楽曲。複雑なフレーズを淡々と弾くティムの手元に目が惹きつけられてしまいました。意外にアームも少し使うのね。あと音の余韻にギターを揺するしぐさも目撃。何をしても、ロックギタリストにありがちな陶酔感は全く無し。モニターに脚をかけて弾いても、メタルギタリストのそれとは雰囲気全く違う。次世代のギタリストってこういう草食&クールな感じなんだろうか。

ポップな曲調が印象的な "Champagne" はオーディエンスの反応がいい曲。ツインギターが一糸乱れぬ速弾きスウィープを決めたシーンは興奮しました。ここはオーディエンスが熱狂するところかなと盛り上がりたかったけど、誰もここでは反応しないのね、鑑賞の仕方がわからない。(汗)

ジョージ・マイケルは世界1のシンガーだぜ!お前らこれ知ってるだろ、歌え~!」

クレイの口からジョージ・マイケルの名前を聞くとは思わなかったので驚いていると、どの曲のイントロだか忘れましたが、"Careless Whisper" が聴こえてきたので更にびっくり。そのまま曲に入っていったので、ライブのお遊びなのかな。

他にも曲の繋ぎで面白かったパフォーマンスがありました。ドラムのクレイが叩いたちょっとしたフレーズをティムがギターで返していたのです。ヴァイ先生が人の話し声をギターで音階を使って再現しているあれと同じような感じです。すると更にクレイがドラムで別のサウンドを返し、またティムがギターで返すという。彼らにとってはほんのお遊びだったのでしょうが、ライブの余興にぴったりだから大々的にやってくれたらいいと思う。これは面白い。

ライブ当日がティムの誕生日だったそうで、クレイに促されてオーディエンスがハッピーバースデイを合唱し、拍手に包まれると、無表情でクールな彼にも少し照れくさそうな笑顔が現れました。

「俺の長年の親友ティム、誕生日おめでとう。俺はお前の為なら何だってするぜ、何だってな」

ベースのクレイの言葉には本気の友情がこもっていました。うーん青春だわ。

本編終盤では客席前の手すりに足を掛けてクレイがプレイし、ギター2人がそれに続いたりと、オーディエンスもどんどんヒートアップ。大阪ではオーディエンスに向かってダイブもしていたようですが、名古屋の入りではちょっと危ないかも、と思っていたらそれはさすがに無し。

アンコールでは何とバンド全員が上半身裸で登場。ティムの細いことといったら!ガリガリなんだけど、胸元には大きくエグいタトゥーが。きちんとご飯は食べて栄養とっているのかしらと、近所のおばさんのように心配してしまった。上腕二頭筋フェチとしては少年たちの胸板を見ても反応はないのですが、会場は盛り上がっていました。

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欲を言えば、ドラムソロが観たかった。クレイ・アシュリマン、いいドラマーだ。ベースのクレイにはもうちょっとMCの語彙を増やしてもらえたら。日本のオーディエンスはノリも違うし、言葉も通じないから難しいのでしょうが、「Fxxk Yeah!」で押し通されるのも辛いのだわ。

それにしても次世代のギターミュージック、堪能いたしました。シュレッダーとは違う腕利きギタリストのプレイを名古屋で観れて幸運でした。ぜひまた来てください。

本日のセットリスト (日本ファンサイト発表より)

01. G.O.A.T.
02. O.D.
03. Champagne
04. James Franco
05. Icronic
06. Goose
07. 40oz
08. Saucy
09. Yas - trap filler
10. Lit
11. Crush
12. Loud
13. Finale
encole
14. Euphoria

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本日のライブにはオープニング・アクトがあり、私が会場に到着すると Li-sa-X が既にプレイしていました。幼い彼女のギターの上手さ、音の良さにはすっかり感心させられました。もっと早く来ていたらもっと聴けたのに!

COVET はタッピング女王イヴェット・ヤングに興味があったのですが、音が悪くて感心できなかったです。彼女はとてもチャーミングでしたが、ギターでトラブルを抱えて本来のサウンドが出せなかったのかも。ベースのお兄さんのパフォーマンスもちょっとノレなかったなぁ…

なお、来週は旅先となりますので、ブログの更新はお休みします。