Stay Together

Green (@ribbon_bear) が毎週好きな音楽ネタを語ります! Since 2011

アンディ・ティモンズ Part.2 「この世界で音楽には影響力があるところを見たいんだ」

アンディ・ティモンズの来日公演が発表されました!(詳細はこちら)アンディのギターを久しぶりに生で聴けるのが楽しみで仕方ありません!

アルバム Ear X-Tacy の25周年記念ということで、昨年このアルバムのリマスター盤をリリースしてのワールド・ツアーで来てくれるよう。ショウは2部制ですが、通しで観たいですね。前回同様に、アンディがスペシャルなセットリストを用意してくれるのでは?もしや、話題の "Bohemian Rhapsody" ギター・インストゥルメンタル・カバーをやってくれるのかも知れません。今からワクワクです。

先週に続いて、インタビューの後半を和訳してみました。終盤で熱く語るアンディの言葉には胸を打たれます。

==========================================

At_atz

あなたは素晴らしいキャリアをお持ちです。長いキャリアを続けられた理由は何だったのでしょうか?

そうだね、僕はいいキャリアを重ね、ギターを弾いている。こうしてなんとかやってこれたのさ。僕は商業的や経済的には考えてこなかった。ただ自分が楽しいと思うものを追いかけ、それがいつも刺激になったんだ。

インスピレーションについて話すと、The Beatles は素晴らしい作曲家だった。それは彼らが多くの曲を学んだからなんだ。彼らは最初、カバーバンドで一晩に8から10時間も演奏したんだ。そうして彼らは多くの曲を学んだんだよ!いつだってそれこそが学ぶ方法なのさ。自分の前の世代の作品を調べ、尊敬するということ。そうして学んだことの全ては自分の編集力や選択、ときにはジャズから Queen までそれが何にしろ、身に付いていくんだ。

アーティストが現在の自分を形作っていく過程でそれらが役に立つ。愛、情熱、原動力、何にせよ、これらが音楽という形にまとまり、アーティストを突き動かすのさ。そしてそれが彼らが創造しようとするものの基準となる。自分より前の時代の愛するものに応えていきたいのさ。

僕はこの歳になってもそういうファンでいることを嬉しく思っている。僕は自分の前の世代又は現在も活躍している、優れた音楽家たちを尊敬する子供のままなんだ。音楽の新旧は関係ない。共感できる音楽があるなら、そうやって音楽を吸収し、原動力にするのは素晴らしいと思う。

ギターを愛する未来のミュージシャンへのアドバイスをお願いします。

それって僕の計画性の無いキャリアを通して、繰り返されるテーマだよ。僕がお金や誰かが望むからという理由で下した決断はいつも正しいものではなかった。重要なのは自分の心に従うこと、自分が本当に何をしたいのか、内なる自分の声に耳を傾けるんだ。それは時流に合っていないかも知れない。でもそれが紛いも無く、自分が共感できるものなら…それを本物の芸術のレベルへと発展させたなら、世間は本物だと思うだろう。これが本当の君だと感じるのさ。人々はその違いが分かると思うんだ。

僕はギターを50年弾いてきたけれど、楽器に関しては未だに初心者のように感じるよ。ある程度の能力は身に付けたけれど、僕が到達したいところまでは、まだまだ長い道のりがある。皆に言いたいのは、好きならばやるべきさ。そうであれば、誰ももっと練習しろなんて言わないだろう。なぜなら君は好きだから自ずと練習するんだから。それが第一の基準だ。

ギターのサウンド、外見、感触など何でも、それらに魅了されたのなら、それをやり通すことだ。(別の楽器の場合も、職業の選択や例えコンピューターのプログラミングでも)そして特別の情熱を傾けた時間に換えられるものは無い。

ギタープレイヤーにとって重要なのは指板上の指さ。そのことについて1日中でも語り合えるし、より良い音を得る方法のビデオを観たりできる。どれも有効だ。僕はインターネットで好きなプレイヤーの音を聴き、プレイを見るのも大好きだ。

けれど、楽器に向き合う時間に換わるものはないよ。粘り強さと献身だ。労力を注がなければならないけれど、自分の好きなことであれば僕は苦労とは思わないよ。KISS やピーター・フランプトンロッド・スチュワート、誰にしろ、僕は彼らのレコードに合わせてプレイして学ぶのが待ちきれなかった。僕は彼らのバンドに入りたかったけれど、僕の部屋の中では僕はバンドメンバーだったのさ!

当時の僕は安物のチューニングの外れたギターを使っていたけれど、彼らのバンドに加わり "Show Me The Way" とか何にしろ、プレイする体験をしたのさ。最初に弾き方が分かったのはロッド・スチュワートの "Every Picture Tells a Story" だったよ。それから KISS Alive が出て、それで僕はエレキのリードギタープレイを学んだんだ。

ファンへ伝えたいことは?

僕はこれまで以上に僕の作品、又は「僕がやろうとしていること」と言うべきかな、それらを強く評価してくれる人々がいることに感謝している。とても励みになるよ。おかげで僕は自分のキャリアの今の時点において殆ど方向性を変えていないと言えるんだ。

僕の最新のスタジオアルバムは1年半前にブラジルで録ったボサノヴァ・アルバムだ。感情的意図、誠実さ、トーン、音楽的方向性が全てさ。僕が異なる音楽の道を歩んでも僕の音楽を聴いて受け入れてくれる人々に感謝している。そのとき音楽的に人々が好むものに関わらず、いつかは(僕の作品も)そうなるだろう。僕の音楽に共感してくれる人々がいて感謝の気持ちでいっぱいさ、僕は正しい道にいると知り、益々元気付けられるよ。もっと頑張って音楽を創っていきたい。

ミュージシャンの人全て、アートを志す人全てに伝えたい。ダンスでも絵画でも演技でも音楽でも、僕らがしていることはとても大切なんだ。僕らは世に美しいものを生み出すのだから。今はそれが最も必要とされる時代なんだ。僕らには今世界で起きているああいったことを変えることはできないけれど、僕らには勿論何かポジティブなことができるんだ。何だっていいんだよ!この世界で音楽には影響力があるところを見たいんだ。素晴らしいものなら何でもいい、僕らが生み出すことが、かつて無い程に必要とされているのだから。