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Green (@ribbon_bear) が毎週好きな音楽ネタを語ります! Since 2011

コロナ禍のツアーは大変!

日本ではやっとこの夏から海外アーティストの来日コンサートが復活するようですが、春先からコンサートが本格復活していた欧米の様子を見ていると、コロナ前に戻ったようなコンサート風景で、羨ましくて仕方ありませんでした。

それでもバンド側にとってはコロナ禍でのツアーは以下のような複合要因で大変なようです。

・フライトの遅延とキャンセルが頻発
・ガソリン代高騰/物価高がコスト直撃
・各国の規制への対応
・物流の困難
・コロナ陽性によるショウキャンセルの損害

Whitesnake

欧州ツアーでは6/14の公演からレブ・ビーチが不在のまま、ツアーが続行されました。

Whitesnake はこういう時の広報対応が苦手なようですが、バンド公式からの説明はなく、ジョエルのSNS発言で「レブの体調が悪い」とわかるだけでした。

ショウが可能な限り続けるということで、6/23の Hellfest までは無事にツアーをこなしていましたが、
6/25のスペインでのフェスティバル参加は当日のショウ開始数時間前にキャンセルとなったようです。

ところがこのキャンセルの理由を聞き取ったプロモーターがトミー・アルドリッジの体調が理由と発表したところ、体調を心配したファンの投稿に本人が自分は重病ではないと答え、訳がわからなくなる事態に。

その後バンドが出した公式声明にはキャンセルの直接要因が一切書かれていませんでした。コンサートに来たファンに説明ができないと怒り狂うプロモーターと争いになっていたようなので、どう解決するのでしょう。

それ以降の公演はカヴァ様の体調でドクターストップが掛かったようなのですが、ミケーレの故郷イタリアやディノの故郷クロアチアの、彼らにとって凱旋公演となるはずだったもショウも全てがキャンセルされました。2人にはこの上なく残念だったでしょうし、バンドにとっての経済的損害も大きかったでしょう。

バンドやツアークルーがコロナ感染してショウをキャンセルするケースは多くのバンドでかなりの数があったようです。そんな中でも大規模なフェスティバルやビッグバンドのアリーナ・ツアーは無事行われていたので、エンタメが戻ってきた感はあります。

ヴァイ先生も6月から欧州ツアーでしたが、カヴァ様と濃厚接触していたにも関わらず、無事に全日程を終えています。凄いな、先生。

The Dead Daisies

7/25にバンドからグレン・ヒューズがコロナ陽性(症状は軽微で体調も問題ない)になったことが発表され、同時に残りのツアー日程を Whitesnake のディノ・ジュルーシックを代役に迎え続行すると発表。(ヨギ・ラニッチ(以前The Dead Daisies とツアーしてた?)がベース担当で参加)

グレン不在でライブをやるというのに驚きましたが、確かに今の状況で全てキャンセルするのも厳しいでしょうし、こういうのもアリな時代かも知れません。

ロック界のレジェンドの代役をロック界の若手新星が務めるというのも興味深いです。

 

Sons of Apollo

8/9から始まる南米ツアーについて、7/26にビリー・シーンが参加できず、代役を Angra のフェリペ・アンドレオリが務めることがプロモーターから発表されました。

ビリーの代役というのは重責ですが、フェリペならSOA楽曲に対応できる腕利きでしょう、納得の人選です。

しかしバンド公式からはこの件について正式な発表がないままですので、2年も延期されたツアーを待っている南米のファンに説明をして欲しいものです。

物価高の弊害

コンサートを開催する側のコスト負担が増加しているならば、それはチケット代に跳ね返ってくるものです。大規模なフェスティバルやビッグバンドのアリーナ・ツアーはダイナミック・プライシングの制度を取る大手チケット会社のシステムにより高額化が進んでいた模様です。ブルース・スプリングスティーンのライブチケットは平均US$500で、一部ではUS$5,000にもなった模様。

financebuzz.com

労働者の魂を歌ったブルースのコンサートが金持ちしか行けないシロモノになり果てたというのは何とも皮肉です。

その一方で、一斉にスタートしたコンサートやフェスティバルに行きたいものの、物価高で生活費も上がった人々は行くコンサートを選別する傾向が強まり、人気度の高くないフェスティバルなどは開催告知した後にチケットセールスが悪ければキャンセルされる事例が増加中のようです。

消費者の気持ちはわかる。一気に沢山開催されれば取捨選択するしかないもの。夏以降に再開される日本のコンサートシーンが無事に復活しますように。