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ギターヒーローたちのホームリグ Vol.2 ギルバート、ペトルーシ、フリードマン

先週に引き続き、Guitar Player 誌の記事から、3人の著名ギタリストのホームリグのコメントを和訳してみました。今回も三者三様の回答で、マーティさんのコメントが特に興味深かったです。

www.guitarplayer.com


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ポール・ギルバート

 

小型のペダルボードを組んで、メイン使用のコンピューターデスクの近くに置いている。これは練習、作曲、ZOOMやSkype のインタビューやPro Tools への録音に使っている。ペダルの選定は時折変わるけど、JHS PG-14 オバードライブは大抵真ん中にある。The EarthQuaker Devices Dispatch Master はいいよ、場所をとらずにリヴァーブとデレイに使える。

MXR Phase 100 はジョニー・ウィンターの気分にしてくれる。Catalinbread Callisto コーラスはヴィンテージの Rush スタイルのリフに。Marshall JTM1C のクリーンチャンネルに繋いでる。お気に入りの Fireman が側にあって曲のアイデアが浮かんだらiPhone で直ぐに録音する。

デスクの反対側には1978年製の Ibanez アーティストホロウボディがある。アコースティックでも十分ラウドでアンプを使わなくても聞こえるんだ。だから急いで曲を思い出したり、アイデアを試すときに使うのはこのギターだ。デスクの裏側にあるのは、僕の Ibanez マイクロダブルネックと猫。これらが重要な理由はわかるだろう。

別部屋のスタジオではオンライン・ロックギター教室用のビデオ撮影をするんだ。最近はアンプをステレオで鳴らしている。TC Electronic Arena リヴァーブ、 Alter Ego ディレイと MXR ステレオコーラスはステレオで鳴らすとサウンドが良いから。

Marshall Bluesbreaker のアンプコンボを入手したんだ。お気に入りだよ、でもあまり近くに座るとハムノイズが起こるから、Marshall JTM1C と JTM45 のヘッドを使って、片方の Bluesbreaker を鳴らしている。どっちもノイズを起こさないよう、僕からしっかり離してある。

向かいの壁の殆どはGIKアコースティック・パネルを貼って、防音にしてある。これは特に狭い部屋で集中するのにとても重要なんだ。

 
 
 
 
 
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こっちの部屋用には大き目のペダルボードを組んだ。TC Electronic の僕のシグネチャー・プロトタイプ MojoMojo(市販品と同じだけど、パープルのはスイッチが11まである(笑))は大抵いつも乗ってる。JHS PG-14 はサステインを加え、ピックアタックを調整するのに使う。外部にバイパススイッチのある Dunlop Cry Baby Junior ワウワウをずっと試しているんだ。

このスイッチ・システムは、通常のフットスイッチに比べて、特に座っている僕にとってずっと使い易い。ホッケーのパックに見えるペダルは Peterman Puck’N Stompa さ。バスドラムのように聴こえるよう調整してある。踏むとミキサーに繋がって左足でリズムキープできるんだ。

最近、TC Electronic Ditto Looper 用にもう1つ小型のペダルボードを組んだ。One Control 1 Loop Box をA/Bスイッチャーに使っていて、これでギターから Ditto Looper へ信号を送り、ループを録音する。Ditto Looper から Roland Micro Cube アンプに送られるんだ。ループができたら、スイッチを切り替えてメインの Marshall でソロを弾く。

 


ジョン・ペトルーシ

 

自宅から車で20分のスタジオで、リグの主目的は?

作曲、レコーディング、アルバムのプロデュース、リハーサル、宣伝用の取材など。

何を揃えてありますか?

ギター&アンプ:シグネチャーの Majesty、Mesa/Boogie JP-2C

レコーディング:Pro Tools、RND Shelford チャンネルストリップ、RND 5024、 RND D8、Black Lion Audio B12 プリアンプ

モニター:KRK V8、Adam A7X、Ex Machina Quasar、sE Electronics Munro Egg

マイク:Mojave 301、Royer 121、Shure SM7B、Shure KSM353、Sennheiser MD 421、Audio-Technica ATM450、sE V2、Audio-Technica AE2500

これらを選んだ理由

このスタジオにあるギアを選んだのは Dream Theater のエンジニア、ジェームス・"ジミーT"・メスリンだ。

お気に入りは?

RND Shelford チャンネルストリップはこのセットアップの中で基幹となっている。とびきり多用性があり、多種の楽器から優れたトーンを捕らえる鍵となっている。とはいえ、自分のシグネチャーギターとアンプ無しでは捕えるものがないけどね。

このセットアップの最良な点は?

この空間それ自体が素晴らしくて、創造性や生産性に完璧に貢献している。

変えたり、追加したいものは?

スタジオのライブルームを広くして、もう少し精緻な撮影スタジオにしたいね。

 

 

 

マーティ・フリードマン

 

ホームリグの主目的は?

完全にプリプロダクションが目的だ。最もシンプルなセットアップだけど、アイデアを弾いて録音したり、デモ編集に必要な全てが備わっている。

何がありますか?

A MacBook ProGarageBand

Blackstar Fly スピーカー、Korg microKEY Air(ワイヤレスキーボード)、IK Multimedia AXE I/O インターフェイス、AmpliTube 5、Modo Drum、Mooer GE300 アンプモデリングプロセッサー、Hornet デジタル・モデリング・コンボ、Maxon Auto Filter
シグネチャーの Jackson MF-1 と他に数本のギターとベース

これらを選んだ理由

僕がデモ制作のプロセスで必要とするのは、シンプルで使い易く、サウンドが良いこと。そういうものを選ぶ。

最近追加したものは?

AmpliTube 5。凄く良かった4よりも断然いいよ。

このリグの最良な点は?

僕がプレイしたり、作曲したり、レコーディングしたり、パフォーマンスするときには、音楽そのもののこと以外は考えたくない。これは特にアイデアやデモのプロセスでは真実で、このリグはその為に使っている。

この段階では多くのトーンに関する選択肢は必要ない。アイデアはある、「録音」ボタンを押して、それで完了だ。時折、このデモの中のフレーズに起きた幸せなインスピレーションに心を掴まれて、レコーディングに持ち込むことはあるけれど、それはレアなんだ。

この方法で作業する良い事は、本番のレコーディング前に、多くのデモを録り、あらゆる構造・テンポ・思い付く限りのキーを試してしまうことだ。だから、本番のレコーディングに入る頃には、自分が実際にやりたいことを決断してしまっている。それに曲を十分に頭に入れているので、レコーディングで集中することは純粋に曲のパフォーマンスのみだ。とても快適だよ、家でのデモ制作プロセスで全てやってあるからだ。

 

 

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