Stay Together

Green (@ribbon_bear) が毎週好きな音楽ネタを語ります! Since 2011

ジェイソン・ベッカーの募金活動にロック界のギタリストが大集合!

3月~4月にかけてジェイソン・ベッカーを支援するチャリティイベントが行われていました。その内訳は以下の3つ。

jasonbecker.com

1)ハーマン・リ(Dragon Force)の Twitch チャンネルでのライブストリームでオンラインのゲストを迎えてのトークとギタージャムによる募金活動

ハーマンはこの募金活動で既に7万ドル近く集めています。幾つかのビデオを観ましたが、トークもジャムも興味深いです。1回あたり2~3時間にも及ぶ長丁場のライブストリーミングの間、視聴者を退屈させることのないハーマンの手腕は見事というより他ありません。

特に驚いたのは、リモートでゲストが参加しているのに、サウンドのディレイなく、双方向でジャムができていること!これにはゲストの Gus G. も驚いていました。これは Twitch の仕様なのか、ハーマンの技術の成せる技なのか?

ゲストにはITに詳しくないアーティストもいる訳ですが、事前にハーマンから届くメールの内容に従って設定を行うと誰もが問題なく ソフトやハードの設定を完了できるとか。アレックス・スコルニックも感心していました。ちなみにハーマンはギタリストになる前にネットワーク・エンジニアとしての職歴もあるそうです。なるほど!

ゲストとバッキング・トラックを使用してのジャムをする訳ですが、ゲスト側は初めて聴くバッキング(例えば「80's ロックバラード Em」とかのタイトル)でも見事なソロを弾くのはさすがです。そのアーティストのイメージとは違うバッキングでジャムする姿を見るのも面白いです。

そのゲストを迎えてからのオーディエンスの寄付金額が数千ドルの設定枠を超過すると目隠しでギターを弾く「ブラインド・チャレンジ」が実施されるのも上手い設定。その金額を達成するよう煽られたオーディエンスからの寄付が増えて、「ブラインド・チャレンジ」に突入します。

何人かのゲストのプレイを見ましたが、皆さん目隠しでも見事に弾けてしまうのです、凄い!また、ハーマンの司会進行は実に滑らかで、ギターも上手い。そして何よりもサービス精神が旺盛で、ゲストが Steel Panther の Satchel の時は 80's のメタルバンドなりきりで、鬘や衣装、小道具(女性下着)まで用意してギター弾いてくれました。(笑)

あまり知らなかったゲストの話やプレイを観れたのも収穫でした。印象深かったのはスティーヴ・スティーヴンスで、ハーマンに「君は素晴らしいことをやってる、俺にできることがあれば何でも言ってくれ」と言っていました。更にハーマンが出演に感謝すると、「こうして(俺たち上の世代から)君ら下の世代に渡していくんだ。君もそうしていくんだよ」と一言。この人、カッコイイ!と思いました。

この企画は4月23日のマーティ・フリードマンで終わる予定だったそうですが、その後にゲストのオファーが増えてアンディ・ティモンズやマシュー・ヒーフィーらが追加されていました。実はもっとオファーがあるけれど、ハーマンの体力が持たずに断っている状態のようでした。大変なスケジュールで長時間頑張っているハーマンに拍手を贈りたい。

彼はロス在住のようで、近郊のギター提供アーティスト(例えばスティーブ・ルカサー)の自宅へ自分でギターの引き取りにも行っているようで、本当にお疲れ様です。ハーマンの自宅には多くの貴重なギター(ジェイソンのオークション出品3本も含む)が集まっているので、ご自宅の保険金額を増額したそうです。

 

2)多数のアーティストから集められたギターやグッズ、レアなアイテム等の販売(今後 special Reverb shop にて)

1)に参加したアーティストの多くがギターを提供していますが、ストリーミングには登場しなかったアーティストからも。

スティーブ・ヴァイジョー・サトリアーニ(G3ツアーで使用したペインティングのあるJSギター)、スティーブ・ルカサー(インレイがカクテルグラス柄のシグネチャー)、ガスリー・ゴーヴァン他 (提供アーティストの一覧はこちら

ジェイソンの為にこれだけ多くのアーティストが集合する様子は、ジェイソンが本当に愛され尊敬されているのだとしみじみ感じます。

 

3)ジェイソンのアイコニックな3本のギターのオークション販売。

『Perpetual Burn』『Speed Metal Symphony』のアルバムカバーに登場したギターがそれぞれ1本。雑誌の表紙にもなった、ジェイソンのシグネチャー、ナンバーズ・ギターが1本。(ジェイソン宅訪問時にエディ・ヴァン・ヘイレンが弾いたこともある)これらには最低落札価格が設定されており、高価格での落札が予想されます。

ハーマンによると、ジェイソンのギターは実際にジェイソンがかなり弾いたものなので、フレットが余り残っていないそうで、弾きにくいそうです。けれど、ジェイソンの使用跡をそのままに、フレットはそのままで出品されるそう。

 

ジェイソンがこのオークションについてコメントを出しています。

皆が俺と家族に寄せてくれた愛と支援に心から感謝しています。俺のギターが売られるのは辛い、すべきじゃなかったという声もあるけど、俺がそう思っているのではないと伝えたい。誰かが俺の音楽を弾いているのを見ると嬉しくなるんだ。俺のギターを次の持ち主に渡すのはいいことさ、あのギターが他の人にとって意味のあるものだと思うと。俺にはもうギターが弾けない、でも他の人には弾けるんだから。いいことさ。そして、できれば俺も家族も、もう金の心配をしなくていいようになりたい。

皆の愛をありがとう、俺からも愛を返します。ージェイソン

スティーブ・ヴァイもこのチャリティにコメントを寄せています。

30年前にALSに襲われる前、ジェイソン・ベッカーは激しく燃え盛るギターに卓越した美しい光の1人だった。彼の可能性は短く切断されたかに見えたが、厳しい制限下にありながら、彼の創造的精神はインスピレーションに満ちた音楽を生み続けた。

これは私の意見だが、実のところ、彼はその制限によってより一層深い創造性を自身の音楽に見出し、それを世にもたらす方法を見つけざるを得なかったのだろう。

しかしながら、現在ジェイソンが抱える問題は彼とこの年月の全てを通して無条件に彼を支えた家族にとっての経済的なものだ。

どうかこの募金活動でジェイソンを支援することを検討して欲しい。そして、この活動を休むことなく推進しているハーマン・リに特別の感謝を! 

スティーブ・ヴァイ

 
 
 
View this post on Instagram
 
 
 

A post shared by Steve Vai (@stevevaihimself)

www.instagram.com

 

ジェイソンへの寄付受付はこちら

ハーマンの Twitch はこちら。(サブスクすると過去のストリームビデオが観れます)

 

f:id:ribbon_bear:20210507163242j:plain