Stay Together

Green (@ribbon_bear) が毎週好きな音楽ネタを語ります! Since 2011

レブ・ビーチ 「デヴィッドは決して立ち止まることなく常に前進する」

レブ・ビーチが長年制作していたインストゥルメンタル・ギターアルバムを遂に完成させました。11月6日にリリーされた『A View From The Inside』はロック/フュージョンのクールなギターアルバムで、さすがのクオリティでした。

 

一昨年のG3でジョー・サトリアーニとレブが話したときに「インストアルバムが完成したら直ぐ送ってくれ」と言われて今回実行できたようなので、(サポートを含め)G3に参加するというレブの長年の夢(過去記事参照下)が叶う日が来るといいですね。前回のG3はフィル・コリン参加でギターファンを驚かせましたから、もしかしてもしかしたら夢では終わらないかも知れません。

staytogether.hateblo.jp

アルバムのプロモーションに伴って行われた多数のインタビューの中から1つをピックアップして、日本の雑誌でも読めるお話を割愛して、個人的に面白いと思ったコメントをまとめてみました。

======================

シグネチャー・ギターモデルについて

Winger が下り坂になった頃、Ibanez にもう俺のシグネチャー・モデルの Voyager を作れないって言われたんだ。それでジョン・サーのところに行ったんだよ。Suhr は素晴らしいギターだけどとても高価だ。実際、俺のモデルからの収入なんてないんだ。Ibanez の方が断然金にはなっただろう。

俺の夢なんだけど、いつか Voyager を再リリースしたいんだ。あれはクールな形だし、デザインを思い付いたのは俺だからとても誇りに思っている。雑誌 Penthouse にも載ったんだぜ!あれはLAに向かう飛行機の中でナプキンにデザインを描いたんだ、Ibanez のデザイナーと一緒に。

エディ・ヴァン・ヘイレンについて

エディがいなければ俺は Guitar World誌の表紙を飾ることも Winger が成功することもなかっただろう。 Van Halen が高いミュージシャンシップをシーンにもたらした。俺はタッピングでシュレッダーに分類されているけれど、自分のやり方でやったことが良かったと思う。エディがどうやっているのかはレコードの写真でしか見れず、右手を使うのか!!と自分でやってみるしかなかった。タッピングがなかったら俺は速弾きにはならなかっただろう。

イングヴェイが登場したとき、皆がプレイを真似して皆がイングヴェイみたいに聴こえたけど、皆がエディの真似をしても誰もエディのサウンドにはならなかった。誰もエディを再現することはできないんだ。

デヴィッド・カヴァデールの様子

元気そうだよ、毎日ジョークを言ってる。歳と共に力が衰えるボーカリストは多いけど、彼は常に100%でライブに臨むんだ。翌日もショウか休みかに関係なく。彼は決して立ち止まることなく常に前進する、だからこの先もずっとそうだと思う。

Whitesnake の初期の楽曲について、またプレイするのが好きな曲

(初期の曲は)ほとんど知らない。ライブでやるものだけ覚える。
好きなのは断然 "Still Of The Night"。あのリフは最高で、デヴィッドが揃える真のプロミュージシャン(歴代のWSバンド)と演奏するのはたまらないんだ。ミドルセクションのブレイクの後、鍵盤とギター2本でオーケストラのような重層のサウンドを創る。あと、"Slow And Easy" だ。あのブレークの後のフレーズ!アリーナ全体がリバーブに包まれるようだ。あのサウンドは俺の大好きな『KISS ALIVE!』的でさ。それに"Judgement Day" は壮大でクール、アリーナで栄える曲だ。

f:id:ribbon_bear:20201120100107j:plain

インイヤーモニター

Whitesnake のいいところは、最高のインイヤーモニター・エンジニアを雇えることだ。俺はピーター・フランプトンのライブアルバムのようにミックスするよう頼んでいる、最高だよ。インイヤーモニターは重要だ。後ろのスピーカーやフロントのモニターを聴いてギターのいいフィードバックを活かすってこともできるが、Winger がやるクラブギグ等、9割方ではサウンドガイが未熟で毎晩サウンドが違うんだ。インイヤーモニターのいいところは毎晩同じサウンドが得られること。

Whitesnake のセットリスト

セットリストはデヴィッドがプレイしたい曲のリストをくれて、どう思うか訊かれるんだ。バラードを2曲続けない方が良いとか、3曲は全部キーが同じだけど、といったことを俺が助言する。そういうことは彼は考えないからね。

俺のソロアルバムでも10通りのトラックリストを考えたんだ。その多くでは2曲が同じキーになっていた。流れを考えないとな、セットリストでも同じだよ。でも、今のアルバムではレコード会社に「誰も最後まで聴かないから、ベストの曲を頭に入れろ」と言われる。

自分がどんなプレイヤーかを表すプレイ

アームとタッピングプレイ。曲なら、一般的ラジオリスナーには "Headed For A Heartbreak"。この曲にはレガートとタッピングがあって、典型的な速弾きプレイではないから。ギターファンには "Black Magic"。俺が弾いたベストソロは "Witness" だと思う。

Winger ニューアルバムについて

キップが全曲に高い水準を求めているから時間がかかっている。クールなギターパートとキャッチーなメロディが要るんで、11曲書いたけれど残したのは5曲だ。最近はレーベルによるスーパーグループってのが多くて、その多くはスタジオに入ってよしこれだ!って感じで次々書き上げてるけど、(曲に)高い水準を設定してないんだよ、残念なことに。

ジョエル・ホークストラとの違い

俺たちは全く違うプレイヤーだ。彼は譜面が完璧に読めるし、スケールも全部知ってる。俺は基本がわかるってだけだ。俺は(ライブで)一晩中同じエコーを掛けているんだけど、信じられないって言われる。320msのディレイだ。一方、彼は曲毎にディレイをプログラムしている、完璧主義なんだよ。俺なんて彼と比べたら原始人かもな。俺のディレイ設定だとアリーナでプレイしているような感じがして好きなんだ。ギターがドライで大胆に聞こえる。サウンドに空間が加わるんだ。グランド・キャニオンでプレイしているみたいに。

=========================

レブのインイヤーモニターの話は下の過去記事でも話していました。それを読み返したら、当時ビリー・シーンに "Black Magic" をニューアルバム用に弾いてもらったとあるのですが、アルバムではスティーブ・ヴァイのツアーベーシスト、フィリップ・バイノーでした。何があったのだろう…?

staytogether.hateblo.jp

 Winger のニューアルバムは当初2021年初めの予定から5~6月に目標がズレてきていますので、いつも通りのスケジュール感だと21年秋冬くらいでしょうか?(汗)まさに今、キップのスタジオで2人が制作している様子です。↓