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ジェフ・スコット・ソート 「馴染みの仲間が組んだアルバムとは一味違った、ユニークなものになる」

11月4日にソロアルバム『Wide Awake (In My Dreamland)』をリリースする(日本盤ジェフ・スコット・ソートがメディアのインタビューに応えました。

ソロアルバムについて、Sons Of Apollo について率直な話が聞けましたので、概要をざっくり和訳してみました。

 

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ソロアルバム『Wide Awake (In My Dreamland)』のリリースが近いそうだね?

ああ、Frontiers Records と俺の7枚目のソロアルバムだ。誰でも新作が出るときには最高作とか言うだろうけど、最も多様性に富んだアルバムになった。友人のアレッサンドロ・デル・ヴェッキオはレーベルの作曲家兼プロデューサーでアーティストでシンガーで、何でもできるんだ。

2005年のJSSツアーのとき、マルセル・ヤコブが Edge Of Forever ってバンドのプロデュースをしていて、俺がバックコーラスを歌ったんだよ。だからアレッサンドロとは15年前に会って、ずっと知合いで、何か一緒にやろうとずっと話していたんだが、実現していなくて、今回は Frontiers に強く説得されてソロアルバムで組むことになった。彼らは俺たちが組むことで、いつもの俺がプロデュースする馴染みの仲間が組んだアルバムとは一味違った、ユニークなものになると考えたんだ。その証拠作品ができたから、早く皆に聴かせたいよ。

アルバムは多様性に富んでいて、作曲は全てアレッサンドロで、プロデュースは共同なんだが、ボーカルについては全て俺のプロデュースだ。メロディも彼が書いて送ってきた、歌詞を書いたのは俺だ。アルバム全体の印象は俺の意向を反映しているが、始めから終わりまでのプロジェクトを導いたのは彼だ。

ニューアルバムには Talisman や JSS の要素や、『Lost in the Translation』、『Prism』、『Damage Control』の感じも入っている。それにまだ俺のキャリアでやっていないようなことも入っている。だから、これまでで最もユニークで多様性に富んだソロアルバムになっている。『Beautiful Mess』が最初のJSSサウンド出発点だったけれど。

あなたは多数のバンドをやっているけれど、それらにどう音楽的にアプローチするのかな?例えば、Sons Of Apollo では低音が多いけど、ただそこで自分の仕事をするだけなのか、どんなアプローチを?

そのプロジェクトと音楽にフィットするだけでなく、今の俺の声に応じるようにしている。俺はもう18や22や35、40歳の頃のようには歌えない。全てが変化するから、それに合わせて適応しなくてはいけない。君が言うように少し低かったり深かったりするのは意図的で、そうすればツアー時に苦労せずに済む。スタジオでは歌えるけど、ライブでは無理だということにならずに済む。俺を含めて多くのシンガーが長年のキャリアで過去作品の再現に苦労し、今夜はこの曲はやめておこうという経験をしている。

Sons Of Apollo ではボーカル面では今の俺の声に快適な範囲でやっている。もちろん音楽的にそれがフィットしていなくてはいけない。それに Sons Of Apollo がバンドメンバーの過去キャリアの集大成であって欲しくはない。Dream TheaterMr.Big や The Winery Dogs その他もろもろが集まったサウンドではないんだ。JSS でも SOTO でも W.E.T. でもない。Sons Of Apolloサウンドであるべきだ。

多くのプロジェクトやアルバムをやる上ではそこが難しいところだ。その作品のためだけのアイデンティティやキャラクターが必要だ。それは最初から徐々に学んでいったよ、バンドの誰も俺たちのサウンドが何かはわからなかった。デビューアルバム制作には多くの試行錯誤があったが、最終的にバンドサウンドが削り出されると、皆も俺もどうすべきかはわかった。2nd アルバムではデビューアルバムと違って、皆の前でいろいろ提案を聞きながら歌うのではなく、自由に自宅スタジオで制作に没頭できた。いつものように自分が納得でき快適に感じるまでトライして彼らに送り、それから協議できたんだ。

君は以前、Sons Of Apollo が継続するバンドかどうかわからないと言っていたね。バンドメンバーの凄さの割に予想されたほどの早さでバンドの成長は進まなかった。このパンデミックで皆が厳しい状況だ。今はどう思っているの?

そういう疑いは直ぐに消えたよ。熱心なファンベースができて、メンバーそれぞれの過去のキャリアからライブに来るのではなく、Sons Of Apollo を観に人が集まったんだ。俺たちの中でやっとそういう評価に落ち着いたんだ。最初のツアーでスーパーグループってのは失敗するんじゃないかって思ったけど、必ずしもそうではないんだ。他も見渡してみれば20くらいは名前を挙げられる。ビッグなメンバーがいるから必ずしも成功するのではないんだ。とは言え、俺たちは名の知れたメンバーの集まったグループだ。2ndアルバムを出して皆にも俺たちが継続するバンドだと示せたと思う。一瞬で終わるスーパーグループじゃないんだ。ツアーをやって目にしたのは、オーディエンスが歌う姿で曲を覚えているんだ、正にキマッた瞬間だね。

君みたいに多くのプロジェクトをやっているとスケジュールがとても厳しいと思う。このパンデミックが終わって、皆がこぞってツアーに出ようというとき、君にとっての優先順位はどれなんだろうか?

TSOは俺にとっての主要なギグだから、その時期にはそもそも他のバンドでブッキングはしない。次に優先度の高いのは Sons Of Apollo だ。俺たちはバンドとしての突破口を迎え、今年のツアーは最重要だった。日程は調整され、来年4月から9月まで欧州、南米を周る。それをぬってJSSや何かをするだろう。もちろん休暇もとるよ。

話は違うけど、アダム・ランバートQueen のドキュメンタリーを観てね、君は彼らを気に入ってる?JSS と Queenの方が良かった?

ハハ、もちろん Queen のメンバーと歌うのは夢の経験だったよ。誰だって、彼らとやりたいさ。彼らの音楽は俺のDNAに組み込まれている程だから、彼らの曲を歌うのは最高だ。でも俺は初めてアメリカン・アイドルでアダムを見てから、彼の突出した才能に釘付けだったし、彼はいともたやすくあの楽曲を歌う。彼は素晴らしいものをバンドに持ち込んだんだ。彼らには祝福の気持ちしかない、また彼らのライブを観る機会があれば必ず行くよ。

じゃあ仮に11月に Queen のオファーがあったらTSOとどっちを取る?(笑)

ハハ、もし Queen のギグ(単発)が11月ならTSOを取るね。もし俺の残りの人生でずっと Queen ツアーができるのなら、俺の選択は明らかだろう。(笑)

 

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