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デレク・シェリニアン 『The Phoenix』参加ギタリスト、Whitesnake / マイケル・シェンカー アルバム参加を語る

9月18日(国内盤は9月30日)にソロアルバム『The Phoenix』をリリースする Sons Of Apollo のデレク・シェリニアンがミッチ・ラフォンのインタビューに応えました。

ニューアルバムの参加ギタリストについて、Whitesnake の『Rock Album』について、マイケル・シェンカーのアルバム参加等についての話、それにスティーブ・ヴァイのエピソードがなかなかに興味深かったので、その一部を和訳してみました。

『The Phoenix』にはデレクの人脈を活かして豪華なギタープレイヤーが参加しており、ギターファンの私も大注目しています。それに加えて、ドラムプレイと共同プロデューサー、ミキシングでサイモン・フィリップスが参加しているというのも大注目。サイモンのソロプロジェクト Protocol でお馴染みのベーシスト、アーネスト・ティブスも参加しています。

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《主な参加ミュージシャン》

スティーブ・ヴァイ 
ザック・ワイルド 
キコ・ルーレイロ 
ロン・“バンブルフット”・サール 
ジョー・ボナマッサ 
ビリー・シーン 
トニー・フランクリン
アーネスト・ティブス
ジミー・ションソン

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『The Phoenix』では様々なゲストが登場していますが、誰に何を弾いてもらうのか、どう組み立てているの?

キコ・ルーレイロとは一緒に曲を書くって話していたから、それはやるとわかっていた。それからジョー・ボナマッサとはカバー曲をやって、彼に歌ってもらうつもりだった。他の曲については作曲ができると自ずと誰が何をプレイするのか明らかになったんだ。いわば曲が語ったんだよ。作曲中から俺の中で特定のプレイヤーを想定して書いた曲もある。オープニングトラックの "The Phenix" ではビリー・シーンザック・ワイルドのプレイを頭の中で聴いていた。この2人をペアリングしたかったんだ、きっと凄くクールになるだろう。オープニングトラックでは2人のプレイスタイルが火花を上げて完璧に曲にフィットしたんだ。

他にはガニメデ(曲名 "Clounds Of Ganymede")のストリングスとして、スティーブ・ヴァイジョー・サトリアーニもしくはそのような誰かにプレイして欲しかった。そしてスティーブが俺の第一希望だった。彼は曲を聴いて、喜んで受けてくれたよ、素晴らしい仕事をしてくれた。

スティーブ・ヴァイの話が出たから言うけれど、何年も前にインタビューしたときにツアーバスに乗って向かい合ったんだ。彼はパソコンに向かっていた。あまり彼はこっちの話に集中していなかったので、これはどういうことだ?と思っていたんだ。インタビューが終わると彼がパソコンをこっちに向けてくれて、そこには彼が入力していた譜面があったんだ。「君と話しているときに、これが頭の中で聴こえたから、書き留めたんだよ」と言うので、しばらくそれに取り組んでいたんですか?、と訊くと、「いや、さっき浮かんだんだ」と言ってプレイボタンを押すと3~5分の曲が聴こえてきた。わお、僕の目の前で新曲を書いたんだ!って。スティーブは天才だね。(その時の過去ブログ記事はこちら

ジョー・ボナマッサとはアルバムのゲスト以外に何かする予定は?

ジョーとは Black Country Communion のニューアルバムを創る予定だ、おそらく来年。来年取り掛かる時間を見つけたい。今年やりたかったけれどできなかった。来年こそBCC5枚目のアルバムを創りたい。ジョーとは今のところその予定だけど、彼とならどんな組み合わせでも状況でも喜んでプレイする。彼は素晴らしい人物だし、ウマが合うんだ。BCCではアメリカ人2人とイギリス人2人だから、俺たちは最初から絆ができていたんだよ。

 

Whitesnake の『Rock Album』でもプレイしたね。

デヴィッドはBCCでの俺のプレイを良く知っていて、ジョン・ロードとの強い類似点を聴いていた。『Rock Album』のプレス取材時にデヴィッドが「デレクはジョン・ロードの私生児のようだ」と言っていて、大きな誉め言葉だと受け取ったよ。何しろ、Deep Purpleジョン・ロードとプレイした人の言葉なんだから。グレン・ヒューズにも同じようなことを言われたことがある。とてもクールだ。

それで、デヴィッドから電話をもらって、「君のプレイをしてくれ。古き良きハモンドB3の音をくれ」と言われた。俺はただスタジオに行って、何年も皆が愛し聴いてきた最高のクラシック・ロック キーボーディストのプレイをした。ジョン・ポール・ジョーンズのメロトロンや "No Quarter" (Led Zeppelin『Houses of the Holy』)のローズ・ピアノみたいな。それに Boston のトム・シュルツみたいなのとか、出来る限りのプレイをした。

ただ基本的にはジョン・ロードWhitesnake でプレイしているように、他の要素も入れて。デヴィッドは気に入ってくれた。オリジナルの『Slip Of The Tongue』と俺の鍵盤の入ったバージョンを聴くと大きな違いがあるよ。

君の鍵盤への情熱はどこからきているんだい?

子供の頃クラシックのレッスンから始めて、10歳頃に辞めたんだ。友達が皆、スケートボードをやっていたから。友達は誰も楽器の演奏はしていなかった。数年後に近所に引っ越してきた少年がエレキギターを弾いていて、KISS や Aerosmith やクールなロックバンドを聴いていたから、すっかり俺もハマって、それで彼と一緒にプレイするようになった。ロックの虜になったのさ。俺はギターの大ファンだけど、プレイしたのはキーボードでギターに手を出したことはなかった。早くから気付いていたんだ、キーボードに集中していれば、俺には完璧にユニークなプレイができて、人とは全く違った角度から弾けると。その公式に従ったんだよ。

Alice Cooper や KISS ではただパートを弾いただけだったから、それは表に出なかったけれど、Dream Theater では初めてそれが出せた。自分のスタイルが初めてレコーディングでも出せたんだ。

『The Phoenix』をリリースしますが、コロナ禍で次の創作活動の予定はある?

もう既に次のソロアルバムの制作を始めているんだ。実はマイケル・シェンカーから彼のアルバムでプレイを頼まれた。俺のプレイしたトラックを送ったら、凄く気に入ってもらえたよ。先方から代金を訊かれたけれど、偉大なるマイケル・シェンカーで俺のヒーローにプレイできたんだから、代金は要らないと答えた。もし彼がお返ししたいと思うなら、俺の次のソロアルバムで弾いてくれたら最高だ。でも彼にプレイできただけでも光栄だ。そうしたら直ぐにマイケルから返事が来て、次のソロアルバムに喜んで参加しよう、と言ってくれた。

それで俺は直ぐにスタジオに入って、最高のインストゥルメンタルのマイケル・シェンカー曲を書き上げて、サイモン・フィリップスとレコーディングした。彼は1980年のMSG 1stアルバムでプレイしている、俺には特大の影響をもたらしたアルバムだ。その40年後に、ベースはトニー・フランクリンだ、あと少しサイモンと詰めてから、マイケルに送るつもりだ。彼がトラックを入れてから人に聴かせるまでに恐らく1年程は金庫で寝かせることになるだろうけれど、少なくとも仕上げて、俺は次に進める。

この前ザックと話していたんだけれど、マイケルはランディ・ローズの前にランディのプレイをしていたのさ。マイケルもクラシックのフィーリングのスケール、エオリアンを弾いて、そこからクールなブルースに入るだろう、ランディと同じスタイルだ。

ウリ・ジョン・ロートのスタイルについてはどう思う?実にユニークなギタープレイヤーだ。

素晴らしいよ、彼はイングヴェイのプロトタイプだと思う。"The Sails Of Charon" で初めてフリジアン・スパニッシュ・メジャースケールを16分音符の3連符で聴いた。それまでに誰もやっていない。ぜひウリにも俺のアルバムで弾いてもらいたいね、彼は俺のヒーローだ。

Sons Of Apollo のツアーは今年止まっていますが、今後のツアーの予定については?

2021年の欧州、南米ツアーは日程が決まった。ただ誰にも不確定要素が多すぎてどうなるかはわからない。ツアーできることを祈るよ。

多くの国は米国からの入国を許可していないから、米国のバンドには気がかりだ。

ああ。欧州では複数の国の国境を跨いで移動するから、もしどこかの国が米国民に対して制限を設けたら、それが俺たちのツアー中だったらどうか。それが2月に俺たちがツアーを中止したときの理由だ。最近では少しずつ再開されているけれど、状況は余りに脆弱だ。これではいつまたツアーの中止に追い込まれるのかわからない。クルーや金が掛かっている状況ではそれはとても恐ろしい。

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『The Phoenix』ではスティーブ・ルカサーにも声を掛けていたようですが、ルークのスケジュール都合で実現せずだったようで、次回参加の話をルークとデレクがSNS上でしていました。
そうすると、デレクの次のソロアルバムにはルークとマイケル・シェンカー参加ということのよう。
それにしてもマイケルはもうデレクの音源が送られてきてびっくりするでしょうね。(笑)