Sons of Apollo のニューアルバム MMXX (20/20) が1月17日発売と発表されましたね。いやぁ、新譜の制作と発売時期の予定がなかなかスケジュール通りにいかないバンドが多いなかで、マイク&デレクのコンビは仕事がきっちりしているなぁと感心します。今から来年が楽しみです。
さて、先週に引き続き、ロン・"バンブルフット"・サールの Everyone Loves Guitar インタビュー Part 2 です。(動画はこちら)長いトークの中から一部概要を和訳してみました。
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若い頃の自分に対してギアの面でアドバイスすることはあるかい?
まず1つ。自分でギターを創るのは止めておけ。才能はないから。(笑)
2つ目。ピーター・フランプトンの Marshall アンプヘッドを売るな。彼のツアー機材を入手したのに売ってしまったんだよ、大後悔さ。
3つ目。メトロノームを使うこと。最近、腕時計型のメトロノームを手に入れたので試すのが楽しみなんだ。
私も持っているよ。大きな音でプレイするとメトロノームが聞こえなくなるから、腕の振動で分かるのは便利なんだ。
これはドラマーの耳にも良いサイレント・メトロノームだよ。
君の普段の練習はどう?最後の練習はどんなことを?
Sons of Apollo で即興でプレイしたソロをどう弾いたのかを確認していた。自然に自分が内側から吐き出した演奏をもう少し統制のとれたプレイにしようとしたのだけど、実に大変だったよ。ニューアルバムではイカレたプレイをいくつもしてしまった。キーボードのパートをダブルにしようとしていたのだけど、あれはイカレてたよ。(フレットレスでプレイを始める)
なぜフレットレスを使いだしたのかい?
ピカピカ光ったのが好きだからさ!(満面の笑み)こうしてフレーズを練習しながら、どうピッキングをしたらこのフィンガリングの流れで一番上手く行くかを考えるんだ。
フレットレスは何が良いのでしょう?
指先で押さえた全カ所に音符があるし、こういう独特のサウンドもある。(スライドを実演)Sons of Apollo では(フレットレスの6弦を)Bにダウンチューニングしてある。そうすると6弦の無い7弦みたいな感じさ。そしてフレッテッドの方の6弦はDに下げてある。それぞれのネックで違うフレージングができるのさ。
例えば "God of the Sun" ではフレットレスでは3フレット上を頭の中で変換して弾いているんだ。この後フレッテッドへ飛んで同じフレーズを弾く。
違うチューニングのネックを行き来して弾いてるのかい?とんでもない!ネックの上側にはポジションマークはあるのかい?
もちろんあるよ。ネック上での手の位置の感覚を磨くとどの位置に置く必要があるか掴めるようになるので、そこで聴こえる音と目視した位置で調整するんだ。いいかい、幼い子供だってバイオリンで凄い腕前を見せるんだから、僕らだってフレットレスを弾きこなせるよ。少しばかり練習すればいいのさ。
そのダブルネックが君の定番ギターなんだよね、2番目以降のギターはあるかい?
アコースティックだな。Cort はとても良いギターなんだよ。これは Gold-A6 だ。
自分が書いた曲でお気に入りの曲とプレイするのが好きな曲は?
うーん。"Don't Know Who To Play To Anymore" は好きだよ。先日、自分の作品リストを確認していたら426作品あったんだ。126曲ほど。僕のアルバムに収録されていない作品が沢山ある。誰もが日々耳にするようなTV番組で使われている作品も多いんだ。さっきも言ったように、1つ1つは小さなことだけど、1つずつ歩みを進めていくんだよ。常に挑戦し、上達方法を見つけて成長するんだ。
一緒にプレイして楽しいプレイヤーは?
多すぎるよ。そうだ、ナンシー・シナトラ。ヴァイブが良くて、彼女から発せられるエネルギーが好きなんだ。後ろで演奏していると、「さあ、前に出てきて弾いてちょうだい」って促してくれた。僕は興味深い人たちとジャムした経験が沢山あるよ。 Twisted Sisters のメンバー全員と個別にプレイしたことあるし、Kings X とも Boston ともある。
それはクールですね。無人島に持っていくレコードは?
5分おきに変わるけれど、まず思い付いたのが、The Beatles 『Magical Mystery Tour』、 Manowar 『Battle Hyymns』、 Yes 『Going For The One』だ。Yes のこれは本当に素晴らしいんだ。
音楽的、人間的に大きな影響を受けた人は?
音楽的な影響については多すぎて語りつくせないよ。僕のアルバム 『Little Brother Is Watching』だけでも、Iron Maiden やスティーヴィー・ワンダー、デヴィッド・ボウイ、The Beatles の影響がある。ギタープレイについては、ありがちな影響がたっぷりあるよ。イングヴェイ、ヴァイ、サッチ、ヘンドリックス、ブライアン・メイ。それから、アンガス・ヤング、エース・フレイリーなど。エースは KISS の歌えるギターソロを書いたからね。
ギターでなく作曲について話すと、僕は元々ギタリストになろうとしたんじゃなくて、人を感動させるバンドサウンドを創りたかった。バンドとしては The Beatles とか Iron Maiden とか Led Zeppelin とかクラシックロックの様々なバンド。
人間的にはわからないなぁ…
バンドというのは彼らが何歳であろうと10歳の子供の集まりのようなところがあるんだよ。いつも子供の争いのようなことが起こってしまうから、時折目を覚まさせるような忠告が必要なんだ。例えば4人のバンドなら各自の持ち分は25%なんだ、つまり自分のアイデアの75%はボツになり、他のメンバーのアイデアを採用しなくちゃいけない。100%自分の意見を実現したかったら、それはソロアルバムでやるべきことだ。
でもバンドの面白いところは、上手く4人全員が同じだけ貢献すると時に100%以上のものができるということさ。1人では決してできなかった素晴らしいものが生まれる。それこそがバンド、そして音楽を素晴らしいものにしているのさ。バンドというのはこの大きな音楽コミュニティの一部であり、互いをサポートし、やっていることをシェアして、楽しむのさ。「上げ潮は全ての船を持ち上げる」(訳者注:全体の景気・環境が良ければ全ての人に恩恵があるという格言)ということさ。
旅行先で好きなところは?
沢山あるよ!僕は食べるのが好きだから、インドネシアには美味しいものが沢山あって好きだな。タイもいいし、メキシコも美味しい。ポーランド料理も素晴らしい。他にも美味しいものは各地にある。それに建築物もその土地の個性を決定づけるものだよね。チーズも土地によって違う。独特なんだ。イタリアは食事も最高、中東のスパイスは素晴らしい。でも家が一番かな。
この10年で性格的に変わったことは?
この数年で最も変わったことはやっと「知る」という言葉を学んだことかな。
ホットソースも販売していますね。
僕は音楽が好きなように辛い食べ物も好きなんだ。それで僕の好きなものをシェアしたくなってホットソースを創ることにしたんだ。2013年に6種類出した。そのうちの3つはフードフェスティバルで1位を取ったんだよ。オハイオにある Cajun という食品会社と組んで、そこで製造もラベリングも卸もやっていたのだけど、彼らが1~2年前に会社を売却したんだ。それで自分の会社を作ってやることにした。バンブルフット・フーズって言うんだ。そして Hotshots という大手の販売会社が販売してくれる。3種類発売するから楽しみなんだ。
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音楽も知識も技術も美味しい食べ物も、人とシェアしたくなるのがロンさんなんですね。ホットソースは今年秋冬シーズンに販売を間に合わせるとのことで、今日のロンさん投稿によると製造は完了し、間もなく販売チャネルに届くようです。インタビューでは3種類のソースの味を詳しく説明していました。
また、本文では割愛しましたが、朝起きてからのルーティンとして、「ベットの横で腕立て伏せを101回やる。それから Flipboard (ロンさんおススメのアプリ、自分の興味関心のある記事を収集できるそう)で朝起きると100くらいの記事が集まっているから、1時間くらい読んでいる」と話していました。運動を欠かさず、知識欲も旺盛なんですね。ちなみに腕立て伏せ101回の理由は、目標の100回やってさらにプラス1回やるからだそうです。