数年前の収録と思われるスティーブ・ヴァイのインタビューが動画公開されました。"For the Love of God" の収録時にヴァイ先生が断食をしていたというのは有名な話ですが、当時のことを振り返って語るうち、ヴァイ説法が始まります。
自身も20代の頃は精神的な苦悩を抱えていたというヴァイ先生のお話を一部和訳してみました。
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私は自分のこれまでの道のりを振り返ると深い感謝の念で一杯になる。全てのことが私にとって実に美しい形で実現した。私は音楽ビジネスの面では実際には「もがき苦しんだ」という経験がない。しかし、それは私が自分の人生でもそうだったということではない。
精神的な苦悩というのは現実に基づいたものではないが、自分には現実のように感じるものだ。しかし、その苦悩には大きな価値がある。それによって、言わば毅然としてそれに立ち向かい、成長できるからだ。それは自分の頭の中のノイズを遮断し、自分自身を探求するということだ。深い苦悩を持つ者にはそれができる。
私が最も良かったと思えることは、あの精神的に苦悩していた時期があったことだ。なぜならそれによって自立心を持ち、心の強さを身に付けることができた。分かるかな?それによって世界を見つめる新たな高台に立つことになるのだ。
だから、もし今、精神的に苦しんでいる人がいるとしたら、実はそれが後に報われ、恩恵となることを知って欲しい。
苦悩があまりに辛い場合、見方を変えざるを得ないのだ。全ての精神的苦悩は頭の中の思考にあるのだ。その思考の質が悲観的で繰り返される結果、人は更に暗黒へ堕ちる。そうすると人生自体を顧みることも難しくなる。
解決策は、その闇が自分の頭の中の思考に過ぎないのだと理解することだ。それらは不要な思考なんだよ。
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短いながらも、心に響く説法でした。ヴァイ先生が20代の頃に精神的落込みを経験した話は過去記事でも読めますので、カテゴリー選択から Steve Vai のバックナンバーをどうぞ。