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スティーブ・ヴァイ 重要なのは「自分の身体の声を聞くこと」

ヴァイ先生がオンライン・ギター雑誌 Guitar Interactive (#95)のインタビューに応えました。先生は最新号の表紙にもなっています。

www.guitarinteractivemagazine.com

多岐に渡った会話のうち、興味深かった一部を以下にまとめました。

 

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ギタープレイヤーにとって自分の身体の健康についてケアすることの重要性とあなたにとってそれが年月を経てどう変化したのか教えてください。

自分の健康を守るのは個人的活動だ。だから自分がその必要性を感じていなくてはいけない。

私はデイヴ・ロスと仕事をするまで実際にワークアウト文化に足を踏み入れることはなかった。やってみて気に入ったよ、ランニングもバイク漕ぎも水泳も、ハーフのアイアンマンレースやマラソンも走ったんだ。

様々な理由でワークアウトは重要だ。まず1つは、気分が良いことは爽快だということ。身体が締まっている感じだ。

ツアーというのは身体にくるからね、良い状態でいることはツアーに出るには大切だ。ツアーには最適な状態で臨みたい。だからツアーではジムのワークアウトなどでその状態をキープするようにしている。

ギタープレイヤーとしてはキャリアを通じて手はとても大切だ。私にはこれまで大した問題はなかった。あったのは最近で、それが私の生涯何十年ものギタープレイによって起きたとは思わない。もしかしたら、そうなのかも知れないけれども。

(近年手術した)肩のことはギターとは関係ないと思っている。実はワークアウトの何かのせいじゃないかと思っている。何年も前のことを無視していたんだ。

それで学んだことは、自分の身体の声を聞くこと。

痛みには様々な種類がある。ギタープレイヤーには、沢山プレイすることで手に出る痛みがある。これは筋肉に関連した痛みだが、良い気分がするものだ。自分の手をしっかり動かして回復すれば前よりも強く上手くなった気分がする。これは特定の痛みで、もちろん酷使しすぎないことは重要だ。私の手は使い過ぎても1日やそこらの休みで回復する。

だが、それとは違う種類の痛みがある。それは手の構造に関連するものだ。手根管とか、私の場合は親指がバネ指になった。実は数週間前にこの指(左手中指を指す)を手術したんだ。バネ指だよ。今は痛みがあるけれど、じきに消えるし、プレイは問題ない。ギタープレイのせいではない。

(訳者ひとりごと:これで先生が最近、左手を保護するようなグローブをしている理由がわかった気がします。ツアーでは問題なく弾けているようなので良かった。お大事にしてください)

だから、通常とは異なる痛みを手に感じたのなら、外っておかずに確認するべきだ。そうすることで多くの苦しみを回避できる。

ツアーでは、自分の手を保護するためレーダーのように周囲に注意を向けている。ドアが閉まりかけていたら、もう近づかないとか、自分の荷物でも取り出さないとか。指に何かあるとツアーがダメになってしまうからね。別にプリマドンナのワガママをやっている訳ではなく、手を守るためのレーダーを巡らしているんだ。

今は何に取り組んでいますか?何か憑りつかれていることはあるのでしょうか?

3月から次のクリスマスまではツアー三昧になるのでそれだが、できれば年末ごろまでに、ロックダウン中に創ったソロのアコースティック・ボーカル・アルバムをリリースしたい。

以前からやりたかったことで、私のファンは(そんなアルバムを出しても)受け止めるだろう。私が何をしても気に入ってくれる少数のファンはいるし、私は多様性が好きだからね。こんな風にリリースするものが沢山あって、間のタイミングを計るのはキャリアで初めてだよ。(笑)

オーケストラとのコンサートが今年あるし、去年レコーディングした4時間に及ぶ私のオーケストラ音楽もある。

若いギタープレイヤーがギターの可能性を押し広げていますが、もしあなたが新たなG3をやるとして、20代のプレイヤーから選ぶとしたら誰にしますか?好きなプレイヤーではなく、ショウとして素晴らしくなる人選としたら。

難しいね、彼らが何歳なのかも知らないんだ。でもやってみよう。私はそのラインナップに参加するのかい?それとも座って観れるのかな?

あなたが仕切り役ということで。

よし、私がG3のジョー・サトリアーニという訳だね。

Generation Axe でそのような経験はしたんだ。そのとき、若いアーティストで考えたとき、トシン・アバシだったんだ。若いギタープレイヤーを集めてロックのコンサートをするとしたら、若くて才能のあるプレイヤーは沢山いるだろうが、少し違う発想が必要になる。

そうだな、もし私がフュージョンぽいコンサートをするとしたら、数人の飛びぬけて技術のあるプレイヤーを思い浮かべるね。

イヴェット・ヤングは非常に芸術肌で魅力的かつ刺激的なことをするだろう。速弾きというのではない。ティム・ヘンソンとスコット・ルペイジは彼ららしいプレイをするだろう。トシンはいつだって素晴らしい。イタリア人で何人かいてね、ダニエレ・ゴッタルドはハーモニーとメロディ構造が独創的で素晴らしい。マテオ・マンクーソも。(Matteo Mancuso)(訳者注:ジャズ・ギタープレイヤー。参考動画はこちら

フィンガー・スタイルの彼ですね。

ああ、彼はある意味別の次元に高めているよ。魅了されるね、私の選択はそういった若者たちだ。

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先生のバネ指が順調に回復し、ツアーでの酷使にも問題なく耐えられますように。年内に例のアコースティック・ボーカル・アルバムがリリースされる予定のようで、そちらも楽しみです。その前に日本ツアーの発表が待ちきれない!

21年にバネ指や肩の手術について語ってくれた時の記事はこちら。

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