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Green (@ribbon_bear) が毎週好きな音楽ネタを語ります! Since 2011

スティーブ・ヴァイ 「私の人生の全てが "Teeth of the Hydra" の作曲と演奏に導いた」

新年あけましておめでとうございます。
当ブログは今年から12年目を迎えます。今年もどうぞよろしくお付き合いください。

2021年のクリスマスにヴァイ先生が恒例の年末メッセージをファンに送りました。
コロナ禍の2年は先生に取り掛かるべき課題への十分な時間を与えてくれたようで、それらを振り返っています。

来年にはニューアルバムのツアーで演奏しファンとの交流を楽しみにされている先生の言葉が嬉しいですね。以下全文和訳です。

www.vai.com

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やあ皆、君たちが幸せなホリデイ・シーズンを迎え、幸多き2022年、また更にその先を迎えるよう祈っている。

皆がこの過ぎ去った1年の間に何がしかの希望の兆しをみつけていることを願う。私がこのコロナ禍の試練を乗り切るために行ったことは私自身と家族にとって良い結果となった。だから、この試練を価値あるものと認識するに至った10項目について記してみようと思う。

1.ロックダウンの間中、私たち家族は共に時を過ごすようになり、今でもそうだ。とても良い事だった。

2.私は手にした十分な時間を使ってとても困難なギターテクニックを習得するのに努めた。"Candle Power", "Knappsack" そして最も困難だったのは "Teeth of the  Hydra" だ。ロックダウンの期間が無ければこれらの曲は生まれなかっただろう。

3.レコーディングに励み、アコースティックのボーカル入りアルバムは完成直前までいった。以前からやりたかったのだが、遂にやる気になったのは "The Moon and I" のアコースティック・バージョンを公開してからだ。皆の反応にはとても元気づけられたよ、ありがとう。

とてもこのアルバムを気に入っているよ。私の他のアルバムとは大きく異なるものだ。しかし、私はツアーに出るために『Inviolate』を完成させねばならなかったので、棚上げにするより仕方なかった。けれど2022年にはあれを完成してリリースしたいと思っている。

4.ロックダウンの期間は、以前から必要だった私の肩と指の手術をするのに最適だった。手術は2020年の12月で、万事順調だ。残念なことに私はまた肩の別の腱を痛めてしまったのだが、まだ私はプレイできるし、自然治癒するだろう。様子を見よう。

5.我々ミュージシャンというのはこのパンデミックを通してとても試練に強い人種で、共に制作する方法を見つけた。

ロックダウン中の多くのミュージシャン同様に、私はファイルの共有で別のミュージシャンに彼らのパートを録音し返信してもらった。この手法は私には新しい体験だった。通常の私はミュージシャンの周りをうろつき、彼らのプレイを監視するのだったが、今回は私のバンドにトラックを送り、パートの録音を頼んだ。

また、優れたミュージシャンにも参加してもらった。デイヴ・ローゼンタール、ヴィニー・カリウタ、テリー・ボジオ、エンリク・リンダーとブライアン・ベラーだ。彼らは見事な芸術性を『Inviolate』で発揮してくれ、私は彼らの貢献に最高の喜びを感じている。

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6.ロックダウン期間を通じて、特に新作の Black ONYX PIA も含めギター販売は伸び、JEM と PIA のデザイナーでもある私にはロイヤリティ収入が入り、ツアー停止でミュージシャンが受け取る著作権収入が大幅に減った近年では私の助けとなった。

7.(私のスタジオ)ハーモニー・ハットでは邪魔が余り入らないので、これは良いことだ。

8."Alien Guitar Secrets" と "Under It All" のセッションを始めた。良かったよ。

9.Patreon にコンテンツを上げるために何ヶ月も準備して開始した。限定のコンテンツが掲載され、私のQAも特別に行われる。

10.2022年5月にはオランダに出かけ、私の4時間に渡るオーケストラ楽曲をメトロポール・オーケストラと収録する。8月にはフィンランドでオーケストラと彼らの交響曲を録音する。これら全てを終えれば、私の手元には多様性に富んだ約4枚のアルバムが残るだろう。ロックダウン期間に私は貴重な数ヶ月を使って収録のために全ての譜面を確認し手を加えていたのだ。

まだまだあるのだが、大枠はわかっただろう。もちろんこれら全ての間には困難もあったが、物事の良い面にのみ意識を集中させ、語ることによって、更なる利点が見えるようになり、困難は対応可能なものとなった。

もし君がこのパンデミックで非常に厳しい困難を抱えているのなら、私はこれを試すよう勧めたい。パンデミックが役に立ったり、または大切な物を示したというような、10項目を書き出してみるのだ。パンデミックが起きなければそのようにならなかった事柄をだ。

2022年が私たち皆にとって復活の年となることを楽しみにしている。

正直なところ、私にはこのウィルスが死滅するように思えるんだ。とは言え、責任感を持ち注意深くいることが良識だろう。過去と決別して君たちと見事に前進するつもりだ。

『Inviolate』は1月28日に発売となる。沢山の取材をこなしているのだが、アルバムの評判は以前よりも強力だと感じている。これを書いている今日にも、"Little Pretty" の演奏動画を公開した。この曲をレコーディングしているとき、私の耳は極上の和音方向へと惹きつけられるのを感じたので、ただ身を任せた。

曲を仕上げて聴き返すと気に入ったし、完成していると感じた。不思議なことに、何度も聴き返し、サウンドとフィールに魅了されたよ。ずっと惹きつけられるんだ。これは分厚くて豊かな合成和音に満ちた、風変りで尖りのない音楽だ。

ファンがどうこれに反応するか予想していたよ。海図の無い海に飛び込むのはいつも一か八かで、それから息継ぎに海面に出るんだ。しかし、驚き歓喜したことに(それと少々の謙虚さも)、批評家とオーディエンスのこの曲への反応は私を驚かせた。

おかげで私のホリデイは最高になった。ありがとう。ジャーナリストや君たちの声を聞いて、曲が導きだすあれらの極上の様相というのは私の体験だけに限られたものではないとわかったよ。アーティストとしてはとてつもなくやる気につながったよ!

私の何年にも渡る作曲及びレコーディング人生の全てが "Teeth of the Hydra" の作曲と演奏に導いたのだと思う。Ibanez とマルチネックのギター制作に乗り出し、その弦を全て使用して曲を書いて演奏しようとした。まず第一に、優れたメロディで結局のところ曲単体として楽しめるものである必要がある。この曲の Hydra ギターでの演奏は2022年に公開予定で、君たちにぜひとも見せたいものだ。

君たちにこのニューアルバムを届けられるのをとても光栄に思っている。私の最高傑作を含んでいると思うし、アルバム全てを聴いてもらいたくてたまらない。それにかつてないほどにツアーに出たくてたまらないんだ。

世界ツアーでは250以上のショウを予定しているし、2024年までかかるだろう!だから君らが来なかったら、家まで押しかけるぞ!

ステージに立って感じたいんだ、バンドとシンクロしてエレクトリックの波動が私の全身を駆け抜ける感覚、ライブの熱気、音符、そして特に君らを!私のプレイする1音1音に力強い歓びを込めて、心の中でこれらの音を君らの魂へと直接向けよう!そうして皆で最高の時をすごそう。

君ら全てに心からの愛を。

尽きることのない感謝の気持ち

 

スティーブ・ヴァイ
2021年12月22日
西部時間 午後4時6分
ハーモニー・ハット
カリフォルニア州エンシノ

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ファンへの愛情を感じる素敵なメッセージでしたね。先生の口から「最高傑作」の言葉がでましたし、興奮しつつ1月28日を正座して待ちます!