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デヴィッド・カヴァーデイル Part 2 「ツアーからは引退するが、音楽から引退することはない」

先週に引き続き、デヴィッド・カヴァーデイルのインタビュー訳です。今週は一連のボックスセット制作についての部分をまとめてみました。

www.antiheromagazine.com

商売上手なカヴァ様、この先もいろいろ予定されているようで…

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Restless Heart のボックスセットの制作は楽しかったですか?

楽しい仕事だった。Warner も Rhino も非常に協力的だった。私は長年にわたって多くの人たちと仕事をしてきたが、このヴィジョンをサポートしてくれた。それとは則ち、私の古い楽曲をタイムカプセルから取出し、できる限り今にふさわしいものにするということだ。

例えば、『Slip of the Tongue』はすべてがいかにも90年代のキーボードやらに覆われていて、ずっと気に入らなかったんだ。だから、これは私にとって時代背景を少々変える機会だった。

しかし、大昔に私がプロとして音楽に参加した頃、Deep Purple に加入した頃には、我々がやっていたことが何であれ、ジャム音楽にメロディを付けるのが私だったんだ。あの頃には(録音テープの)リール/カセットテープを回して、リフに載せて曲を書いたものだった。マネージメントからは「絶対にカセットを失くすなよ、常に持ち歩いておけ」と言われていた。まるでカセットが王冠への鍵のようにね。とはいえ、当時は皆がブートレグが出回るのを心配していたんだ、違法ストリーミングじゃなくてね。

それで長年の間、私の手元にはこれらのアイデアの断片が詰まったデモがあり、もちろん全くリリースする予定はなかった。しかし、『Whitesnake』40周年記念アルバム(訳者注:30周年の間違いと思われます)の制作で、優れた人物とスタジオで仕事をしたんだ、彼は実際にレノ大学の教授だ。彼は長年アナログテープをデジタルに変換してくれていたのだが、「デモには素晴らしいものがある、ファンが聴いたら喜ぶんじゃないか」と言うので、「少しまとめて聴いてみよう」ということになってね、それがCD3の"Evolutions" (訳者注:『Whitesnake』30周年記念ボックスセットに収録)になったのだよ。

私がジョン・サイクスにアイデアを聴かせていて、私よりもずっとわかっている誰かがいるだろう。オリジナルのタイトルではジョンが私にアイデアを聴かせている。そして完成した曲がどうなったかが聴けるという訳だ。ファンには好評だった、ミュージシャンに限らず、ベーシックなアイデアが完成曲になる経緯を聴けるんだ。

ボックスセットと言えば、Coverdale/Page に取り掛かっているのですか?それがボックスセットの最後でしょうか?

いいや。ジミーと話したのだが、2023年はビッグなアニバーサリーになる。1つは私が Deep Purple に加入して50周年、もう1つは Coverdale/Page の30周年だ。私はあのアルバムの権利を Universal から取り戻した。私の多くの作品はあの不運な時期に失われ、否定され続けてきた。取り戻せて幸運だったよ。

そのことについてジミーに話したんだ、「Rhino との仕事は最高なんだ、彼らに最初のオファーを出そう」と。まだ契約はまとまっていないが、計画としては私たちには多くのマテリアルがある。ジミーに提案したんだ、「君の手でミックスしてみないか?」リマスターするオリジナルは常にある。優れた者たちと作業できる。ジミー・ペイジ・ミックスを君が作り、私がデヴィッド・カヴァーデイル・ミックスを作ろう。君と私のバージョンの再生順もそれぞれ作ればファンは喜ぶに違いない」

それに定かではないが、4~5曲の未発表曲がある。ジミーとの仕事はとても刺激的で、私にとっては特に創作意欲にあふれた時期だった。「アルバムを完成させて、2枚目にとりかかろう」と言っていたのさ。簡単に完成できただろう。しかし、彼のマネージャーが彼を言いくるめて連れ出してしまった、とても悲しかったよ。でも今ではその男はもう関係ないから、神に感謝だ。ジミーと私は強い友情を温めているから、近いうちに彼から良い知らせが届くのを期待している。幸運を。でもこれもプランの一部なんだ。

これが最後のボックスセットだなんてことは全くない。あと2年はかかる。私はツアーからは引退するのだが、音楽から引退することはない。私にとって音楽は酸素のようなものだ。

まだ解決すべき問題はあるのだが、1つのアイデアとしてずっと検討しているのが、「カヴァーデイルとの一夜」として、私が話をしたり、ちょっとしたアコースティック曲を演奏したり、オーディエンスと会話するというものだ。

それは素晴らしい。

私は特にコロナが始まって以来、SNSでの交流に熱心なんだ。この暗い時期に私のSNSはポジティブでいたいんだよ。それに私が赤白青のトリロジー・アルバムをリリースした別の理由は、私のフェアウェル・ツアーに合わせてのものだったからだ。

でもコロナ禍で多くの人々がストリーミング配信番組などに熱中しているのをみて、Rhino と話したんだ。「(ツアースケジュールとズレてしまうけれど)構わない、リリースを計画通り進めよう、ファンに音のギフトを届けよう」とね。彼らはその通りにした、素晴らしいよ。あれらのアルバムは、今後もたらされる音楽のサンプラーなんだよ。

自伝を出すことは考えていませんか?

いいや。状況を考えると、やることに関心を持てないと感じている。書くとしたら、包み隠さず語らなくてはならないが、そうすれば多くの人間関係を傷つけるだろう。だから私にとって、自伝はやるに値しないんだ。金も必要ない。私のキャリアは大方の人に知られているし、私の曲も歌詞もほぼ経験した事柄の日記のようなものだ。自伝と私の音楽との違いとは、私の音楽では人を名指ししないことだ。

とにかく、私がこの世でやりたいことはまだ終わっていない、まだ沢山あるんだ。Whitesnake でのプロジェクトも音楽もまだ継続する。

それはファンにとって喜ばしいことです。

私はファンそしてオーディエンスに敬意を払っているんだ。それにまだまだ身体は大丈夫だ。昨日は妻に「70歳だなんて思えない」と言われたよ。自分の身体はしっかりケアしている、ワークアウトや準備など。大したことはない、マラソンのトレーニングをするようなものだ。自分の声の状態が良好で力強く、身体的には更に丈夫であるよう、準備するつもりだ。

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カヴァ様、お元気そうで何よりです。日本公演の日程も早く発表されますように。