長年 Whitesnake に在籍してきたマイケル・デヴィンが脱退するというニュースが11月22日に飛び込んできました。フェアウェル・ツアーを目前にマイケルが多分待遇の良い老舗バンドの仕事を辞めるのが不思議ではありましたが、2年も続いたコロナ禍で考え方や生き方を変えることになったのかもと受け止めていました。
既に次のベースプレイヤーが決まっており近日中に発表されるとのことだったので、発表を待っていたら驚きの人選でした!
2日後の24日午前1時(日本時間)にタニヤ・オキャラハン(スティーブン・アドラー、ディー・スナイダー他)のWS加入が発表されたのです!
WSに女性とは思いも寄らなかった!勝手に女子禁制かと思ってたよ。でも考えてみれば今の時代のながれからすれば女性だってアリでしょう!ロスにあるラッキー・ストライクで行われていたライブ映像で彼女を観たことは何度かあり、Badass系 カッコイイお姉さんだなぁと思っていました。これは面白いことになりそう。
下の動画は2018年のラッキー・ストライクのライブ。この日はヌーノ企画でタニヤはヌーノのハウスバンドとして演奏しています。ゲストでリッチー・コッツェンも出てきます。
2019年のM3フェスでスティーブン・アドラーのバンドでプレイした彼女を観てカヴァ様が目を付けていたようです。そしてマイケルが脱退することになり、最初にバンドがオファーしたのが彼女だそう。ディノ君の場合といい、ロックフェスでは様々な人がミュージシャンをチェックしているのですねぇ。
どんな人なのだろう?とWSオフィシャルサイトでタニヤの情報としてリンクされていた記事を読んでみたら、ミュージシャンに留まらない動物愛護や環境保護、ベジタリアンの社会活動家としてのキャリアも持つ、とんでもカッコイイ女性でした。
長い記事の中から、彼女の音楽キャリアに関わる興味深い部分を以下にまとめてみました。
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アイルランドのムリンガーという小さな町で生まれ育つ。動物が好きで、6歳で肉を食べないと決め、ベジタリアンになる。長年、動物の救護シェルターのボランティアを続ける。
音楽が好きで地元のライブ会場に通っていたが、ふとしたきっかけでステージに参加したのを期に18歳でベースに目覚める。学業は常に優の生徒だったが、目的に突き進むために中退。地元で活動後に世界の音楽の中心地ロサンゼルスを目指す。
プロのミュージシャンになって世界で活躍したいと決意したとき、思い切って大きな決断をした。ベースを背負って、ロス行のエアチケットを買った。なぜなら、プロとして活動するツアーミュージシャンが居るのはロスだから。
そして迷わず台風の目に飛び込んだ。ジャムライブ、音楽業界のイベント、イベント会場などなど、自分が進みたい業界でネットワークを築こうとした。数えきれない程の質問をして、招いてくれたミュージシャン全員のギグに行って、そして少しづつ私自身がギグに参加するようになった。そうして今度は同僚が私を推薦してくれるようになった。そうやって築くもの。
ベースをプレイし始めて直ぐ、ありとあらゆるチャンスがあれば全てにイエスと答えたわ。それを続けることで新たな扉を開き、より大きな機会を得られるようになった。
長年の経験からギグは時に得られないものとも学んだ。理由は例えば、私が女だから、移民だから、もしくは単に私の提示価格を彼らが払いたくないから。
私は性別も属性も変えられないし、変えたいとも思わない。それに、もし決定が私の性別に基づいて行われたり、私の持つ価値だけのギャラを払いたくない位にプロダクションが薄っぺらなものだとしたら、こっちから願い下げ。
だから自分にコントロールできない事柄にストレスを感じてはいられない。
時には若い女性ミュージシャンからこう言われる。男性中心の音楽業界をずっと不安に思ってきたけれど、プロのミュージシャンになる決心をしたと。でも皆気付くのよ、自分が仕事に集中し、才能があるならば性別など関係ないと。
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WS加入の報を受けて、複数のミュージシャンからお祝いの投稿が相次いだところからして、彼女はミュージシャン仲間の人気も高そうで、腕前と同時に人柄も愛されている様子。カヴァ様投稿にあるルディ・サーゾやニール・マレイの他に、同じく元WSベーシストのユーライア・ダフィからも歓迎のコメントがでていました。
My Sincere Thanks, Gentlemen…XXX pic.twitter.com/xnY2Lyij02
— David Coverdale (@davidcoverdale) 2021年11月23日
女性ベーシストといえば、ジェフ・ベックのバンドでプレイしたタル・ウィルケンフェルドやロンダ・スミス、ヴァイ先生との共演で話題になったモヒニ・デイなどの実力派が近年は活躍していますね。
タニヤはキャリアも長そうですし、人格的にも完璧なプロフェッショナル人材の様子。これは来年のWSツアーが益々楽しみになりました。