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リッチー・コッツェン テレキャスターを使う理由

つい先日、BSでPoisonの1993年ロンドンライブを見ました。リッチー・コッツェンのギターにシビれたところで、Sweetwater's Guitars and GearによるThe Winery Dogsのリッチー・コッツェンビリー・シーンのインタビューを見つけましたので、一部を和訳しました。
インタビューは彼らの2013年ツアー最終日のタイミングで収録されたようで、バンド結成のいきさつやレコーディングについて等が話されています。


アルバムを聞いて、曲の構造上あちこちに散りばめられたパートプレイがとてもクールだと感じたのだけど、あれはどう生まれたのかい?

リッチー:作ったものと即興と半分ずつくらいか、定かじゃないな。
"Elevate"ではビリーとマイクが思い切りプレイしたから、凄くクールだった。俺はそれにアクセントになりそうなパートをプレイした。ビリーのクールなプレイをギターで重ねたり。

"Not Hopeless"のエンディングではビリーのクレイジーなタッピングプレイをギターで重ねたんだ。俺にはビリーと同じ技術がないから、開放弦を使ったりね。同じ音だけど、違うアプローチで演奏してるのさ。オーディエンスは曲のライティングに何時間もかけて、各楽器のパートを構成したと思うかも知れないけど、即興で生まれたものが多いよ。

"Time Machine"ではいかにもビリー・シーンらしいプレイが聞けるし、クレイジーなタッピングがあったから、ギターで重ねて、またベースのみのフレーズが来て、という風に作っていったのさ。

ビリー:即興でプレイしたものが多いんだ。"Not Hopeless"では練習していた新しいプレイを試したんだけど、ライブで再現しようとしたときに、自分でどうやって弾いたのか分からなくなって、音楽プレイヤーを使って超低速で再生して弾き方を思い出したくらいさ。

ギターでピックは使っていないんだよね。爪を使っているの?それとも指?

リッチー:指だよ。アルバムでは強いアタックを出すためにピックを使っているところもあるけど、ライブでは全部フィンガーピッキングだ。ツアーって楽器やら着替えやら荷物が増えるだろ、ピックを減らすといいよ。(笑)

長いキャリアの中でどう自分をリフレッシュして音楽を楽しんでいるのかい?

リッチー:バランスが大切だと思う。家で作曲してツアーに出てというのを繰り返すけれど、どちらも長すぎてはいけない。両方のバランスをとることだ。

俺は時には音楽とは全く違うこと、例えば家のキッチンを直したり、デッキを創ったりして違うクリエイティブな作業を通して息抜きをする。

若いころは部屋にこもって永遠に練習し続けたけど、歌を歌い始めたことで、それまでと違う音楽を作り始めた。自分の創作意欲に目覚めた感じで、外に出て違うこともやり始めたのさ。

HRのミュージシャンでテレキャスターは珍しいよね。

リッチー:91年くらいから使っている。俺の頭の中にある音を表現するのに一番簡単なギターなんだ。ストラトも交互に使ってるけど。ラージネック、フレットというのも好みだけど、音にダイナミックな幅があって、強く弾けば強く、弱く引けばソフトに、その反応幅が大きいんだ。

以前にIbanezからアプローチを受けて1年半くらい使ったこともある。Ibanezならあらゆるクレイジーなプレイができるけど、音の幅は一定範囲なんだ。
例えば、ポルシェ911で走れば路面を感じる走りができるけど、トヨタでいくら速く走っても、それでは出せない感覚があるのと同じなんだ。それが俺にはテレキャスターだってことなのさ。

アンプはフェンダーを使っているね。

リッチー:ああ。Vibro-Kingを使っている。安定感があって好きなんだ。俺は凄くスロウなプレイをすることも、速いプレイをすることもあるから、どちらの音もVibro-Kingはしっかり出してくれるし、ヘビーなアタックにも対応してくれる。

Bassmanはこれと違って高速の音がクラックしてしまうんだけど、"The Dying"ではこの2つをつなぐことで、違う音を出して、まるでギターを4トラックのようにできたんだ。

バンドについて

ビリー:ワイナリー・ドッグスは曲にフォーカスした上で3人の個性が生きている。俺たち3人がそれぞれユニークなプレイヤーだ。マイクのグルーブ感、俺のプレイ、リッチーのサウンドも。リッチーの声を知らなかったオーディエンスが沢山いるんだが、信じられないよ。リッチーはいわば俺たちの秘密兵器さ。

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リッチーの発言中、テレキャスターとの比較でIbanezの話がトヨタ車の例えつきで出てきたのは、Ibanez好きとして、日本人としてちょっと複雑な気分ですが、もちろんリッチーに悪気はありません、皆さん!

11月11日にリッチーがThe Flo Guitar Enthusiasts Radio Showに出演したした時の動画を追加で貼っておきます。リッチーのシグネチャーモデルについて語っている動画です。なお上のリンクからラジオ番組の音声を聞くことができます♪