Stay Together

Green (@ribbon_bear) が毎週好きな音楽ネタを語ります! Since 2011

ジョー・サトリアーニ & スティーブ・ヴァイ From Surfing To Shockwave Part 2 of 3

先週に引き続き、ジョー・サトリアーニスティーブ・ヴァイの対談ビデオPart 2です。
少年時代のギターレッスンのことを詳しく記憶しているヴァイ先生と詳細はあまり覚えていないサッチとのやりとりが何とも楽しいので、ぜひビデオを再生し、両者の表情を見ながら楽しんでください。

 

 

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SV:それで、君はレニー・トリスターノのレッスンを受けたんだよね。

JS:ああ、確か彼から3ヶ月のレッスンを受けた。私は当時、彼が何者なのかということも分かっていなかった。彼はクール・ジャズの祖であり、ビーバップの先駆者だ。けれど当時の私の知識にはなかったんだ。私は知人のミュージシャンに愚痴をこぼしていたんだ。音楽レッスンには真に創造的な指導が欠けているのではないかって。大抵は「こう弾いてみなさい」という指導だったから。私は更なる音楽の世界の秘密を追求したかったんだ。そうしたら知人に「だったら、レニー・トリスターノに会いに行くべきだ。彼はすぐそこのクイーンズに住んでいるんだから」と言われた。家から車で20分程のところだ。

SV:彼はとても厳しいよね?

JS:ああ、とても。ミスをしたらそこでレッスンは終了するんだ。

SV:わぉ。それは君のレッスンでも1度あったよ。

JS:本当に?

SV:ああ、2回目か3回目のレッスンだ。恐らく私の音楽キャリアのうちで最も重要な教訓になったよ。この話はしたことなかったけど。

JS:そうなの?

SV:長い話だから、今君を退屈させるつもりはないけど。さっきも言ったように私は物事を暗記するのが苦手なんだ。最初のレッスンで君は「指板上の音を全て覚えろ」って言ったんだよ。

JS:それだけだろ?(苦笑い)

SV:それで1週間後のレッスンに「そんなことできる訳ないよ」って、実際できないから、そう思いながら行ったら、「よし、2弦上のF#を弾いてみろ」って言われたんだ。「え?」って焦っていたらそこでレッスンは終わり。君はノートにこう書いたんだよ、「指板上の音がわからないなんてのはクソだ!」って。私はまだそれを持っているからね。そのまま家に帰された。

JS:わ~お!

SV:とぼとぼと家への帰り道、それが私の大きなターニングポイントになったよ。これからは必ず完璧な準備をして臨むんだと心に誓ったんだ。そんな小さなことが大きなインパクトを持つなんてね。

JS:ハハ、レニーにやられたことを君にしてたんだろうな。(汗)でもレニーには重要な教えをもらった。ミュージシャンになるというのはどういうことか。音楽家として即興にどう向き合うべきか。

人は即興のとき、あまり深く考えず単に音を出すけれど、実はもっと深いものだ。友人とやステージ上で弾いて上手く行ったことを繰り返してしまうけれど、それをやめるのはとても難しいんだ。例えば私がジミー・ペイジのリックを弾くと人は私をクールだと思って笑顔になるけれど、レニーはそれをやめろと言うんだ。即興は全て純粋な自分の音楽的表現として自分の内側から生み出せと。

SV:興味深いね。

JS:彼の言葉の裏にあったのは、全てを完璧に把握していなくてはいけないということだ。次にプレイする音を把握していなかったらもう弾くな、ということなんだよ。もちろん私はまだ子供だったから、アワワとなってレッスンは終了だったよ。

SV:14歳で理解しろというには少々厳しい原理だ。

JS:その頃にはもっと大きくなっていたよ。17歳くらいかな。

SV:実際に君がギターを弾き始める前、プレイするんだと決めたとき、それは強い欲望が湧いたの?

JS:大きな音を出したいって欲求はあったね。(笑)家の中で一番大きな音を立てたかったから、ドラムから始めたんだ。家族とTVを観ていたとき、Rolling Stones や Beatles が出ていた。ブリティッシュ・インベージョンのバンドたちがTVに出ていたんだ。私はドラマーを見て、一番沢山の道具を使っていて、座って思い切り叩けばいいのか、と思ったのさ。

SV:特にキース・ムーンみたいにね。

JS:ああ。それで3年やったんだけど、上手くできなかった。知ってるかい、99%のドラマーは2分半もまともにプレイできないんだ。ほんの一握りのプレイヤーだけがドラムキットの後ろで真に音楽を奏で人々を気持ち良くさせられるんだ。グルーヴやタイムの制御ができ、ビートを分割して耳に美しいものにできる。私は3年かかって自分はそういう人にはなれないのだと悟ったのさ。でも幸運なことにギターを手にして、ドラムのような敗北感はなかった。実際に上達できたんだ。

SV:地下室がなくてもできるしね。それにドラムよりもラウドになれる。

JS:ああ、わかる。リベンジさ。(笑)

(Part 3 へ続く)

 

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ヴァイ先生に厳しくしたギターレッスンの話ですが、恐らくヴァイ先生12~13歳、サッチ15~16歳ごろの話だと思います。サッチがレニーのレッスンを受けたのは17歳なので、サッチは別にレニーにされたことを自分のレッスンでやっていた訳ではなく、サッチ自身がドSだったということですね。(笑)それにしてもヴァイ先生は物持ちいいですね、サッチのレッスン中に使っていたノートをいつか公開して欲しいです。

サッチが17歳の頃に受けたレニー・トリスターノ氏のレッスンについてはこちらで詳しく読むことができます。深いお話でおすすめ。

staytogether.hateblo.jp

 

今週は来年の楽しみなイベントが発表されました。

2020年1月15日にカリフォルニア州アナハイムで開催される Metal Hall of Fame (メタルの殿堂)でヴァイ先生が殿堂入りするそうです。ヴァイ先生のプレゼンターがサッチのようですね。(サッチ自身も殿堂入り)しかも今年の式典はアマゾン・プライム・ムービーが撮影して、来年の前半に配信するそうです。

ヴァイ先生とサッチが授賞式でどんなスピーチをするのか、今から楽しみで仕方ありません。
他の受賞者はジェフ・テイト、ドン・ドッケン、スティーヴン・パーシー、グラハム・ボネット等。受賞者によるパフォーマンスやオールスター・ジャム、その他のサプライズも用意されているようで、NAMM期間のビッグなお祭りとなりそうです。

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