Stay Together

Green (@ribbon_bear) が毎週好きな音楽ネタを語ります! Since 2011

Sons of Apollo 南米ツアーやっと実現!

パンデミック発生から何度延期されたのかわかりませんが、(4回くらい?)遂に Sons of Apollo の南米ツアーが8月9日から18日まで行われました。

フェリペがビリーの代役

7月26日にプロモーターから発表されたとおり、ビリー・シーンの代役を Angra のフェリペ・アンドレオリが務めました。

フェリペのことはメンバーが皆知っていて、今回ビリーの代役を選考する上で、最初から彼しかいないとの指名だったようです。(ロンさんがYouTube動画インタビュー内で回答)

上の動画を見ると、このバンドでのビリーの代役だからか、フェリペは 5弦と6弦の Ibanez ダブルネックベースで弾いています!ビリーは4弦ですから、弦の本数だけでいえば、ほぼトリプルネック分!ベースのダブルネックなんてそもそもレアものだから、元々彼が持っていたのか、Ibanez が大急ぎで探して用意してくれたのか?と思っていたら、以前から彼が持っていたようです。

フェリペは腕利きだし、プログレッシブなヘヴィロックは得意分野だからSOAにマッチしていました。彼のSNSを見るとこのギグに向けて相当な準備をしている様子が伺えます。幼い息子さんが呼吸器感染症で数日入院した時もあり、回復後は病室でベース練習をしている姿をSNSで投稿しているのを見るとプロの心意気を感じました。

先ほどのロンさんの話では、フェリペは完璧に曲を覚えてきていて、むしろSOAメンバーの方が曲を思い出すのが大変だったとか。

 

SOA in ブラジル

SOAご一行がブラジルに到着すると彼らのブラジル人脈のミュージシャンが多く来ていた様子。

ロンさんは7日に現地で行われていたギターコンテストに Angra のギタリストのマルセロ・バルボッサとゲスト登場しました。

Angra からはマルセロとラファエル・ビッテンコートSOAのライブに来たようです。Angra ドラマーのブルーノ・ヴァルヴァーデは現在リッチー・コッツェンのソロツアーでプレイしているのでブラジルに居ませんでした。

あと、下の動画を見ると、マイクの後ろで補助をしているのは SOTO のドラマー、エドゥ・コミナートです。マイクのドラムテックとしてSOAツアーに帯同している模様。ジェフ推薦で決まったのかな。

 
 
 
 
 
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ロンさんのサンパウロ公演会場案内&弦交換

下の動画では、サンパウロ公演前にロンさんがライブ会場を案内してギターの弦交換を見せてくれたり、ファンの質問に答えてくれています。

www.instagram.com

通常のバンド楽屋入りよりも数時間早く1人で会場入りするロンさん。ゆっくり会場を周り、スタッフに声を掛けたり、ギターの準備をして本番前の練習をするそう。

動画中ほどではギターの弦交換を見せてくれるのですが、ツアー中でも自分で弦交換すること、全弦交換でなく、1・2弦でもなく、5・6弦だったところも驚きました。

ヴァイ先生のギターテクのトーマス式にボールエンドをヘッド側に使う方式だったこと、ペグにストリングワインダー付きだった(これは便利!)ことに更に驚きました。

南米ツアーでロンさんのギターテクを務める若者は2010年の Guns N' Roses ツアーの2週間前に同行予定だった友人を事故で亡くし、家族の励ましで傷心の中ライブを観に行き、ライブ会場で働くローディーの仕事に興味を持ったそう。あれから12年、その若者があのときのライブでギターを弾いていたロンさんのギターテクをしているというのは感慨深いですね。

なお、ロンさんはコロナ後遺症で頭が混乱したり、集中力不足になったりと一時は不安だったそうですが、次第に付き合い方にも慣れ、対処できているそうです。早く回復しますように。

SOA今後

8月18日で南米ツアーは無事に終了。しかし『MMXX』のツアーは欧州が途中でストップしていますし、アジアも未、北米も短い日程でしか周っていないと思いますので、ツアーを完了して欲しいところです。彼らの今後の予定は、

9月7日に Starmus でブライアン・メイのバンドとしてデレクとロンさん、サイモン・フィリップスアルメニアのオーケストラと共演する予定。Starmus と言えば、ヴァイ先生が出演したとき、デレクがバンドに加わっていましたね。メイ博士との共演はこの上ない名誉でしょうから、ロンさんも楽しみだろうな。

一番忙しいマイク・ポートノイは10~11月にジョン・ペトルーシとのツアーがみっちり入っています。12月は皆さんクリスマス休暇ですよね?

そして2023年はと言うと、リッチー・コッツェンインタビューによると、The Winery Dogs のニューアルバムは既にマスタリングまで出来ており、23年初めにリリース&ツアーの予定なのだそう。

The Winery Dogs も楽しみだけど、Sons of Apollo のツアーもきちんと完了して欲しい。(悲願)

 

なお、フェリペの最新ソロアルバムにはロンさん他、サイモン・フィリップスなど豪華なゲストも参加していておすすめ。

 

ジョー・サトリアーニ&オリアンティ Part 2 「1音弾き始めたとたんにプランは消えて、ただ起こることに身を任せる」

ジョー・サトリアーニ&オリアンティのインタビュー続きです。

アルバムの曲順の決め方、ドキュメンタリー制作、シグネチャー・モデルにまつわる話、画家としての活動や料理番組の制作まで、興味深い話題は広範囲に及びました。今週は後半の概要まとめです。

 

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アルバムでの曲順はどれ位重要ですか?

Joe Satriani:私はクレイジーな程に固執しているんだ。そこにボードがあるのだけど、アルバム制作中は表になっていて、キー・テンポ・平均律・ソロの長さ(それが曲の全体的なサウンドに影響するから)、が項目立てしてある。私は秘密のクレイジーな手法を採用していて、それで曲順を決めるんだ。誰か気付いた人がいるかな?

とにかく私には正しい曲順が重要なんだ。次の曲が合わないキーやテンポで聴こえてきたら、とても気になるんだ。だから何度も聴きこむ。

アルバム制作中は幾つも(曲名を書いた)メモを用意して、テーブルに貼るんだ。そしてミュージシャンに好きなように位置を変えてもらう。人の意見を訊くのが好きなんだ、シングルだと思う曲、ディープな曲だと思うもの、嫌いな曲といった具合にね。でも最終的には私がキー・テンポ・平均律に基づいて決断を下すよ。

Orianthi:その通り。自分が正しいと思う感覚に任せる感じ。自分で考える曲順でしばらく聴いてみる、そして信頼できる友人、バンドメンバー、プロデューサー、エンジニアなど周りの人々に訊いてみる。それらを聞いたうえで、即断で最終的な曲順を決めているわ。

ニューアルバム『Rock Candy』では曲づくりとレコーディングに費やしたのは12日だった。とても早く進んだので、不安だったわ。そういうアルバムを創ったのは初めてだったから、挑戦でもあった。

ちなみに『Rock Candy』はサミー・ヘイガーが Montrose で歌ってた曲とは違うから。皆に訊かれるんだけど、そういうタイトルに聴こえるから『Rock Candy』にしただけ。ロックとポップとエレクトロニックの要素がある。

友人と制作したのだけど、彼は映画音楽を書いている人でビッグなサントラを手掛けてる。バイオリン他の楽器にも詳しい。それで一緒に実験的音楽をやってみた、自分にできるのかの挑戦でもあった。皆が気に入ってくれるといいな。

オリアンティは来年公開予定のドキュメンタリーも制作中だね、ジョーは息子がドキュメンタリーを制作済だけど、何かアドバイスはあるかな?

JS:私の言うことなんて聞かないことだよ。(笑)私はカメラの前に立つのが苦手なんだ。だから私からアドバイスなんてできない。

Ori:私も。ずっとカメラが周りにいるってとても変な感じだった。ドキュメンタリーは2本撮っていて、1本はライブDVDに入っていて、もう1本は来年どこかで公開の予定。

2人とも、最近新しいシグネチャー・ギターが出ていますね。ジョーはNAMMGolden Boy が、オリアンティは Gibson のアコースティックが。

JS:最初のプロトタイプは1989年に創られているんだ。"Big Bad Moon" のビデオで私が弾いているよ。撮影は2日共、雨に降られたけれど、Gold Chrome は良いアイデアだと思っていた。仕上がるのに30年以上かかったけれど、興奮しているよ。(ピカピカのボディに)どう最初の傷を付けたらリラックスして弾けるかなと考えているところさ。

Ori:あなたの Chrome Boy が発売されたとき大興奮だった。実はアデレード(オーストラリア)に1本あるのよ。トーンが素晴らしくて、ギターストアに行くと他に並ぶものがないギターで人目を捉えるものだった。

JS:君の後ろにあるアコースティックはとても美しいね。

Ori:この Gibson J-200 は工房に行ってエレクトリックのネックを付けてもらったものなの。弾きやすく、赤いボディにしてもらって、クリスタルを付けた。そして蓮の花を入れてもらったのよ。まさかシグネチャーを創ってもらえるとは思わなかったわ。

美しくて、力強くて、エレキギターみたいなプレイアビリティ。ピックアップはLR Baggs™ で、ミッドレンジが強く押し出される感じ、でもボトム・エンドもしっかりある。多くのアコースティックは音が薄っぺらくて気に入らなかったけど、これは酔っ払いを気絶させるくらいに良い音よ。(笑)

それにここに新しく出たPRSのシグネチャー(エレキギター)もある。2つの素晴らしい会社に創ってもらえて感激だわ。このPRSのボディカラーは私が10歳のときに着ていたジミ・ヘンドリックスのTシャツの色なの。

他に何か新しい製品の予定はあります?

Ori:Orange から新しいアンプが出る予定。余りまだ話せないのだけど、コンボになる。ワクワクしてる、ラウドになるし、リヴァーブもたっぷり。

JS:私は今のところ何もなくて、フリーな状態を楽しんでいるよ。背後に私のシグネチャーが見えるだろうけど、今はツアーに向けてこれらを試しているんだ。通常、EL34 (真空管)が載った状態でくるんだが、KT88 と 6L6 (真空管)のセットがあって、C83 が載ったのもある。これらでサウンドを比べているんだが、毎日気が変わるから、気が狂いそうになってる。

今はアンプやペダルの契約がないから、何でも試せるのを楽しんでいるよ。ギターはお気に入りの Ibanez だけどね。

ジョーは絵を描いているそうですね。

JS:ああ、沢山描いているんだ。ギャラリーで展示会もやっている。家族にアーティストがいたから、子供の頃から絵を描いていた。姉が最初の教師だったよ。私はアーティストと結婚して、息子がアートの学位をとったから、ずっとアーティストに囲まれている。私は遅咲きの絵描きだよ。

Ori:素晴らしいわ。私の姉も画家で、素晴らしい腕なんだけど、私は全くダメ。でも好きで酷いペイントをギターに描いたりしている。良いメディテーションになるもの。

JS:音楽と同じでやり続けるのが大事だ。(絵を描くのは)ギターソロと同じだと人に言っているんだ。ギターソロの準備をして1万人の前で1音弾き始めたとたんにプランは消えて、ただ起こることに身を任せるように、キャンバスに向かって筆を降ろしたら、ただ身を任せるんだよ。

オリ、君は料理の才能があって、料理番組ができるかも知れないのだとか?

Ori:そう。来週、最初のエピソードを撮影する予定。今年の終わりか来年の公開になる。私はギリシャ人のハーフだから、食事と音楽、人の集いの中で育ってきた。5歳の頃からギリシャ人の祖母にキッチンで料理を教えられて、友達が沢山家に来て皆に食事を出してた。それが義務だと思ってた。

Instagram に料理を投稿していたら、料理番組からコンタクトがあって、音楽料理番組みたいなものをやろうって。ゲストを呼んで音楽をプレイして、ゲストの好きな食べ物の話をするという内容。私はオーガニックのヘルシーな食事を広めたいと思ってる。楽しいものになりそう。

ジョーは料理はするのかな?

JS:するよ、料理番組はやらないけどね。(笑)ずっと家に居るから覚えないと。今は随分と料理するんだ。

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ビッグなギターメーカー2社とのシグネチャー契約にアンプの契約、更にはドキュメンタリー&料理番組とは、オリアンティはなかなか波に乗ってますね!

一方、サッチが今はアンプもペダルも全くのフリー状態というのが不思議。秋からの北米ツアーで久しぶりにサッチのライブを見れるのが楽しみです。動画漁りな日々になりそう。

 

ジョー・サトリアーニ&オリアンティ Part 1 「最終的なバージョンはアルバム版ではなく、ツアー中に生まれることもある」

オーストラリアの新たな音楽インタビュー番組は2人のミュージシャンを迎えて行われる企画で、第1回目のゲストはジョー・サトリアーニ&オリアンティでした。

珍しい顔合わせですが、両者から興味深い話が聞けます。アルバム制作からライブへの楽曲適応の話ではサッチから深くて印象的な話がありました。長い対談でしたので、今週は前半の概要をまとめました。

 

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2人の出会いを教えてください。

Orianthiスティーブ・ヴァイの紹介で何度かジャムしているけど、14歳の頃、ジョーたちとプレイするのはとても緊張したわ。とても楽しかったし、光栄なこと。

Joe Satriani:君は素晴らしかったよ。スティーブが紹介してくれたんだ、NAMMの時だったかな、どこかのクラブで。ティーブが君をミュージシャンとして、人として高く評価していた。君のキャリアが花開いていて嬉しいよ。もう何枚アルバムを出しているの?

Ori:6枚か7枚かな。更に2~3枚出る予定よ。あなたのニューアルバム『The Elephants of Mars』だったよね?先日 "Sahara" を聴いていたのだけど、質感もサウンドもメロディも全て素晴らしくて大好き。あなたのプレイは最高だし刺激される。

ライブアルバムと言えば、オリアンティは最近ライブアルバムをリリースしたし、ジョーは何枚も出している。人々はライブアルバムと言うと、コンサートを録音してリリースするだけだと思っているけれど、人々に知られていない作業というのはどんなこと?

JS:幸運なライブアルバムは、オーディエンスや会場に恵まれ、適切に録音録画され、全員が最高のパフォーマンスをしている。だからミックス以外は何も必要ない。そんな幸運に恵まれたライブアルバムも私にはある。

その一方で、デジタル・カメラが的確に呼応せず、カメラ間のコード問題の解決に何ヶ月も費やすこともある。カメラ以外は最高だったライブがあるんだ。確か、アナハイムでやった『Satriani Live!』だった。

ライブビデオ編集の最終段階で0.6秒の誤差に気付いて、最初まで戻して調べてもなぜかわからなかった。1つのカメラが奇妙なコードを出していることが判明するまで1ヶ月もかかったよ。コンサートは2時間半にも及ぶもので、原因は同期がオフになっていたんだ。

インストゥルメンタル音楽なんだから、同期は完璧であって欲しいだろう?フェイクじゃなくてライブビデオを創っていたんだ、全員が真剣に演奏して。だから完璧であって欲しい。でも様々なことが起こり得るんだ、良い事も悪いことも。

もし複数の公演を録音録画する機会があれば、私にはそんな機会は一度もなかったんだけれど、最高だよ。不安感がぐっと落ちるからね「その夜の公演が完璧で自分のベストでなくちゃならない」と思わなくていいから。オリアンティは別の経験をしているかな?

Ori:同じよ。私の最初のDVDはレーベルの Frontiers の求めもあって、猛スピードで制作が進んだので、編集の時間は余りなかった。あなたの言うように2公演の撮影があれば最高。

私は完璧主義だし、自分のプレイも歌も大半が気に入らない。こんなのどうやって修正したらいいのだろうって悩んだ。でも結局は、これはライブで、数カ所は修正するけれど、それというのは、オーディエンスがカメラの位置に気付いて、しかもマイクは会場全体に配置されていた。オーディエンスが曲間で話した変な会話がマイクに拾われていたの。とても不適切で下品なジョークとかがね。だからカットしなくちゃならなかった。(笑)

でもそれ以外は最高の夜だったわ。親しい友人のマイケル・ベアデン(Key)はレディ・ガガトニー・ベネットの仕事から直行してくれて、彼に参加してもらえて光栄だわ。会場はロスのバーボン・ルームだった。イタリアからカルメン・ヴァンデンバーグ(G)が来てくれて、時差ボケで大変だったと思うわ。アリス・クーパー・バンドからグレン・ソベル(Dr)にお願いして来てもらった。そうやって皆を集めたわ。

 

とにかく、あの夜起こったことはああだった。そう受け止めて前に進むしかない。アルバムを皆が楽しめるといいな。

良いアルバムですよ。2人とも今年アルバムを出したか、又は間もなくリリースですが、アルバム曲をライブ用にアレンジする過程はどうアプローチしますか?どれ位スタジオ録音に近いものを再現しようと?

Ori:この前のマーティ・フレドリクソンと制作したアルバムでは、イントロとかプログラムした音源を使っていたの。それらはライブでも使ったけど、そこに私がオーディエンスが退屈になる位までギターソロをガンガンに弾いていった。

そんな風に音源とミックスして、ジャムの余白を空けておくと、バンドもそこに各自の個性を表現してくれる。私はいつも違うミュージシャンを雇っているから。だから、そんなにアレンジを変えることはないけど、ジャムの余地は残しておく。

JS:そうだね、アルバム通りのサウンドやテンポを残しておくことで、ライブでプレイしたときに羽ばたく曲というのがある。

その一方で、最終的なバージョンはアルバム版ではなく、9ヶ月のツアー中に生まれることもある。皆が原曲を壊しまくった末に、「ああ、このバージョンをレコーディングすべきだった!」とわかるときがくるんだ。それまでわからないんだよ。

アルバム・レコーディングというのはその曲に対する経験値が最も低い状態でアーティストが行うものだ。バンドもクルーも朝の11時にデモを聴いたばかりでやってくるかも知れない。そして午後1時までにレコーディングして、ランチを食べ、2時半には終了してしまう。

十分に考える時間なんてないんだ。ミュージシャンもエンジニアも自分が雇った新しい人で、それがアルバムに入る。それが自分に一生ついてまわる。でも自分ではまだその曲への十分な理解に欠けているのさ。

そしてツアーに出て何千人ものオーディエンスの前でプレイしてやっとわかるんだ。「(テンポは)もっと早く/遅くするべきだった。ブリッジは外すんじゃなかった。ソロが長すぎた」とかね。だからアルバムから新曲をライブでプレイするというのは興味深いプロセスだ。

それにバンドと一体になり趣くままにプレイしないと。バンドが素晴らしすぎるときには、彼らをバックに抑えたくなくなる。そしてバンドに「次はこの曲だ。拡大して思い切りクレイジーにやろう」と言うんだ。そうしてライブのマジックが起こる。

Ori:その通り!

レコーディング中にこの曲をどうライブ演奏しよう?と考えることはありますか?それともそれは後回しにしますか?

JS:ハハ、どうかな。オリアンティは素晴らしいギターも弾くけど、同時に歌も歌わなくてはならないよね。どうだい?

Ori:私は以前ほどエフェクターを使わないけれど、以前は大きなペダルボードを使っていたのよ。今ではワウ・ペダルとアンプ位。でもソロ・セクションでは Whammy ペダルやファズ・ペダルなんかも使う。ペダルを踏んでそれぞれの音を覚えていないと。この前出たライブアルバムでは、スタジオ・アルバムのサウンドとは少々違っている。スタジオには何でもあるけれど、ライブでは違うから。

(Part 2 に続く)

 

コロナ禍のツアーは大変!

日本ではやっとこの夏から海外アーティストの来日コンサートが復活するようですが、春先からコンサートが本格復活していた欧米の様子を見ていると、コロナ前に戻ったようなコンサート風景で、羨ましくて仕方ありませんでした。

それでもバンド側にとってはコロナ禍でのツアーは以下のような複合要因で大変なようです。

・フライトの遅延とキャンセルが頻発
・ガソリン代高騰/物価高がコスト直撃
・各国の規制への対応
・物流の困難
・コロナ陽性によるショウキャンセルの損害

Whitesnake

欧州ツアーでは6/14の公演からレブ・ビーチが不在のまま、ツアーが続行されました。

Whitesnake はこういう時の広報対応が苦手なようですが、バンド公式からの説明はなく、ジョエルのSNS発言で「レブの体調が悪い」とわかるだけでした。

ショウが可能な限り続けるということで、6/23の Hellfest までは無事にツアーをこなしていましたが、
6/25のスペインでのフェスティバル参加は当日のショウ開始数時間前にキャンセルとなったようです。

ところがこのキャンセルの理由を聞き取ったプロモーターがトミー・アルドリッジの体調が理由と発表したところ、体調を心配したファンの投稿に本人が自分は重病ではないと答え、訳がわからなくなる事態に。

その後バンドが出した公式声明にはキャンセルの直接要因が一切書かれていませんでした。コンサートに来たファンに説明ができないと怒り狂うプロモーターと争いになっていたようなので、どう解決するのでしょう。

それ以降の公演はカヴァ様の体調でドクターストップが掛かったようなのですが、ミケーレの故郷イタリアやディノの故郷クロアチアの、彼らにとって凱旋公演となるはずだったもショウも全てがキャンセルされました。2人にはこの上なく残念だったでしょうし、バンドにとっての経済的損害も大きかったでしょう。

バンドやツアークルーがコロナ感染してショウをキャンセルするケースは多くのバンドでかなりの数があったようです。そんな中でも大規模なフェスティバルやビッグバンドのアリーナ・ツアーは無事行われていたので、エンタメが戻ってきた感はあります。

ヴァイ先生も6月から欧州ツアーでしたが、カヴァ様と濃厚接触していたにも関わらず、無事に全日程を終えています。凄いな、先生。

The Dead Daisies

7/25にバンドからグレン・ヒューズがコロナ陽性(症状は軽微で体調も問題ない)になったことが発表され、同時に残りのツアー日程を Whitesnake のディノ・ジュルーシックを代役に迎え続行すると発表。(ヨギ・ラニッチ(以前The Dead Daisies とツアーしてた?)がベース担当で参加)

グレン不在でライブをやるというのに驚きましたが、確かに今の状況で全てキャンセルするのも厳しいでしょうし、こういうのもアリな時代かも知れません。

ロック界のレジェンドの代役をロック界の若手新星が務めるというのも興味深いです。

 

Sons of Apollo

8/9から始まる南米ツアーについて、7/26にビリー・シーンが参加できず、代役を Angra のフェリペ・アンドレオリが務めることがプロモーターから発表されました。

ビリーの代役というのは重責ですが、フェリペならSOA楽曲に対応できる腕利きでしょう、納得の人選です。

しかしバンド公式からはこの件について正式な発表がないままですので、2年も延期されたツアーを待っている南米のファンに説明をして欲しいものです。

物価高の弊害

コンサートを開催する側のコスト負担が増加しているならば、それはチケット代に跳ね返ってくるものです。大規模なフェスティバルやビッグバンドのアリーナ・ツアーはダイナミック・プライシングの制度を取る大手チケット会社のシステムにより高額化が進んでいた模様です。ブルース・スプリングスティーンのライブチケットは平均US$500で、一部ではUS$5,000にもなった模様。

financebuzz.com

労働者の魂を歌ったブルースのコンサートが金持ちしか行けないシロモノになり果てたというのは何とも皮肉です。

その一方で、一斉にスタートしたコンサートやフェスティバルに行きたいものの、物価高で生活費も上がった人々は行くコンサートを選別する傾向が強まり、人気度の高くないフェスティバルなどは開催告知した後にチケットセールスが悪ければキャンセルされる事例が増加中のようです。

消費者の気持ちはわかる。一気に沢山開催されれば取捨選択するしかないもの。夏以降に再開される日本のコンサートシーンが無事に復活しますように。

 

G4 Experience 2023 発表!

2023年1月3日~7日にラスベガス近郊で開催される G4 Experience の開催が発表されました。

さすがジョー・サトリアーニを冠したギターキャンプだけあって、来年も豪華ラインナップです。

 

メインゲストはピーター・フランプトンスティーヴ・ルカサースティーヴ・モーズとまあ、このままG4ツアーどうぞ、なメンツ。

前回のG4メインゲストはリック・ニールセン、ニール・ショーンといった未G3ゲストが話題でしたが、次回はピーター・フランプトンが遂に登場です。

その他のゲストは、アレックス・スコルニック、ジョン 5、アンディ・ジェイムズらのトップシュレッド勢に加えて、コリー・ウォン、エリック・ゲイルズ、マテウス・アサト、ニーリー・ブロッシュらの「今最もホットな次世代ギタリスト」(GW誌)勢が揃っているところも熱い。

特に今最も活躍し、注目度の高いコリー・ウォンが参加しているところが、さすがの人選。「君とジャムしたいんだ!」と熱いラブコールを送っていたヴァイ先生が1日都合を付けてコリー目当てに押しかけG4しちゃうかも知れない!(2019年の Vai Academy にはサッチが特別参加していたから、今度は先生がG4に飛び入りというのもアリでは?年初なら予定も空いていそう)

staytogether.hateblo.jp

会場はヒルトン・レイク・ラスベガス・リゾート&スパという豪華リゾート・ホテル。お値段は宿泊とギター講座と昼夕食込み(朝食含まず)で相部屋$2,899、1人部屋$3,899 となっています。(9/1までの予約で1割引き)

なかなかのお値段。もちろん日本から参加するには渡航費や必要に応じ、前後泊費用が別途必要。

今年の Vai Academy が8/4から同じ場所で行われるのですが、こちらは既にソールド・アウトしています。興味深いのはお値段。なぜなら、Vai Academy の発表/募集は昨年の10月から行われており、ロシアのウクライナ侵攻による一連の物価高騰前のプライシングだったからです。

お値段は宿泊とギター講座と昼夕食込み(朝食含まず)で相部屋$2,499、1人部屋$3,599 となっています。昨年10月頃の為替レートなら今と比較するとずっと手頃なお値段でしたね。

ちなみに今年の Vai Academy のメイン・ゲストはトミー・エマニュエル、ヌーノ・ベッテンコート、ガスリー・ゴーヴァン、ビリー・シーンなどです。若手の注目どころはイベット・ヤングとジョー・ロビンソン

ゲストも違うので単純に比較はできませんが、こうして価格を比較すると米国の物価上昇を見るよう。まあG4の方がゲストの層が厚くて豪華かな。ギャラ総額も違うかも。

G4で行われるコンサートで、レジェンド4人のジャムなんか観れたら最高だと思うので、ギタリストの皆さんどうぞ。私もギターの腕前があったら行きたいよ。

コロナ禍以降に行われる初の Vai Academy や G4 なわけですが、渡米できないファン向けにストリーミングでの視聴プランなど新たな試みが提供されたら良かったですね。講座ごと、ゲストのライブごとにチケット販売したら売上伸びそうなんだけどな。

次回 G4 でのハウスバンドを務めるのは、サッチの次のツアーバンドのメンバーで、ケニー・アロノフ、ブライアン・ベラー等の予定。

www.guitarworld.com

 

スティーブ・ヴァイ ツアー機材を解説 Part 2 ペダルボードとラック機材

今週はヴァイ先生の Inviolate 欧州ツアー機材のうち、ペダルボードとラック機材の解説です。最初はトーマスに話を聞いて、サウンドチェック後に先生にインタビューする段取りだったようですが、トーマスの撮影を始めたところに先生が登場、「サウンドチェック後に時間がなくなるかも知れないから」とのことで、先生自身がシグナルパスの説明を始めます。(待ちきれなかった方に1票。笑)

なお、正確なシグナルパスを知りたい方は11:24時点辺りに経路図が映りますのでご参照ください。先生はお話好きなので、楽しい解説が聞けます。以下にまとめました。

 

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あなたに解説していただけるとは光栄です。

シグナルパスに沿って説明しよう。まずは脳から指令が出て、腕と指に伝わる。そしてギターからシールドを通って、ペダルボードに入る。

(左から)DigiTech Whammy DT ペダル、シグナルは(隣の)ワウペダルに最初に入る。私はそれが好きなんだ、それからディストーション・ペダル。私の Jemini だよ。

まだ今もこれを使っているのですね、嬉しいです。

これは素晴らしいんだ、私の拘りで Ibanez にカスタマイズしてもらったからね、これは2つのペダルなんだよ。だって多い方がいいだろう?そしてシグナルはWhammy ペダルに入る。

そしてこれがとても重要なスイッチ(Jemini 上の大きなスイッチ)だ。これがなければ私はどうやってショウをやったらいいのかわからない。送風機だ

私がこれを使うのは風で私の髪がなびいてクールに見えるからだと皆は思っているだろうが、実のところ、まあその理由も一部は事実なんだが、こういう小規模なクラブは暑くなるから、手が(汗で)湿るとプレイできないんだ、スケートリンクと同じさ。これで掌を乾燥させるんだよ。

そしてこれが、Synergy のスイッチシステム(MIDIコントローラー Mastermind LT)だ。とてもシンプルで、トーマスが全てカスタマイズした。こっちの(左側VAIロゴシール)スイッチがVAIモジュールの選択で、こっちが Bassman モジュール。これは "Little Pretty" なんかでクリーンで使っている。

全ての曲はここのプログラムに入っている。(Fractal フットコントローラー FC-12) 全ての曲のパッチがプログラムで変更される。

全てプログラムされているのですか?それとも一部はマニュアルで操作するのでしょうか?

全てここに入れようとしているところだよ、殆どはここに入ってる。素晴らしいよ、全てを思い出さなくてもいいし、スイッチの切り替えに忙しくなることもない。リハーサル時にはこれがなくて、スイッチの切り替えを練習しなきゃならなかったんだ!

そして右端にあるのがボリューム・ペダル。そしてシグナルがペダルボードから出ると、Synergy のラックに入る。Synergy は素晴らしいんだ、あらゆる種類のモジュールをここに入れられるからね。これは真空管の入ったプリアンプ・セクションなんだ。つまりモデリングじゃなくて本物の真空管なんだ。元のアンプ・ブランドからライセンスしてきた本物の回路が載っているプリアンプ・セクションで、誰かの作ったコピーじゃないということだ。

Synergy から出たモノ・シグナルは Fractal AXE-FW Ⅲに入り、ステレオになる。それがこの Fryette パワーアンプに入るんだ。素晴らしいパワーアンプだよ。そしてシグナルはキャビネットに入る。

本物のキャビネットが使用されているのを見て嬉しいです。2022年においては残念なことにもはや(ライブでキャビネットを見ることが)一般的ではありません。

面白いことに、私はこのツアーでインイヤーモニターを使い始めたんだ。過去に何度もトライしたのだが、2~3曲でもういい!と外してしまっていた。でも今回はやってみることにしたんだ。このツアーでは私のプレイも少し変わってきているからね。インイヤーモニターはきっちりと楽器の音を返してくれる。慣れれば全ての音符を聴けるんだ。

このパワーアンプからは私のモニターにシグナルが入る。これはマイキングされていなくて、私は頭から自分の音を浴びている。

他にも面白いものがあるんだ。このラック上にあるコンピューターは Fractal のプログラム用なんだ。ここに全てのプログラムが入っている。様々なセッティングがあるんだが、Hydra は別物なんだ。

今回のツアーには Hydra は持参できなかった、私には肩の手術があったからね。それで面白いのは Hydra は信号をイーサネット・ケーブルで出力するのだが、そこには全てのネックの信号が含まれる。

Hydra のMVでは Brain という Ibanez のスプリッターボックスが登場しているが、あれをツアーに持ち出したくはなかったんだ、とても重いからね。それでラックスペースに収まるように、これを創ってもらった。

cat6 イーサネット・ケーブルはここに繋がり、4つのアウトプット口から、12弦、7弦ギター、ベース、ハープの信号が出る。それらは全て Fractal に入る。4つのインプットがあるレアなのが Fractal だ。4つのステレオ信号にして出力でき、4つのシグナルにどのようなエフェクトをかけることもできる。

そして7弦ギターの信号はこのパワーアンプに入るんだ。他の3つはどこにでも出せる、モニターやPAやどこでも。ただここにはターキー(Hydra)がないんだ。

訊きたかったのですが、"Teeth of the Hydra" のアレンジ・バージョンをやる予定はないですか?

いや。陳腐になってしまうだろう、皆が見たいのはそれじゃないからね。Hydra のパフォーマンスが見たいだろう。

あの曲のレコーディングは曲を書きながらしていたから、イントロ、バースという風にパートに分けてやっていたんだ。立ちながらどうやって弾くかを考えながら。あれは重いんだ。皆に重さを訊かれるけど、量った結果を知らないんだ、でも感覚では1,000ポンドくらいに感じる!そしてビデオ撮影のために、1ヶ月くらい練習をした。

できれば2023年に戻って2度目の欧州ツアーをしたいと思っている。1度のツアーで周るには広いからね。その時には Hydra を弾こう、まずはどうやってあれを移送するか考えなくては。

素晴らしいです、楽しみにしています。

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この後はトーマスがラック裏側の配線を見せてくれています。Generation Axe 時の機材搬送の苦労話なども。ちなみに機材にはインプット口に赤、アウトプット口に緑の印を付け、色分けした一覧表でケーブル管理がされているようです。(さすがトーマス!)

上のペダルボードの写真で、VAIロゴが映っている画面はライブ中のステージスクリーンに映し出される映像とシンクロしていて、先生の確認用だそう。この画面と先生用モニターの間にある四角のボックスは電源でしょうか?

7月1日のイタリア公演では、ライブ中にリグがダウンしてしまい、仕方ないので先生が歌ったようです。(笑)この投稿にトーマスのアシスタント、アレックスがコメントをつけています。彼によるとトーマスはペダルボードには独立した電源(BigJoe power bricks)を使うので、ダウンしたのはペダルボードではなく、アンプの方ではないかということ。アンプは会場の電源(欧州規格の電圧)を使うから、とのこと。原因は何だったのでしょうね?

 
 
 
 
 
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Hydra のシグナルパスについては、先生がMV撮影時の話をしていますので、過去記事でもどうぞ。

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スティーブ・ヴァイ ツアー機材を解説 Part 1 ギターコレクション

現在欧州ツアー中のヴァイ先生がドイツのニュンベルグでメディアの取材に応えて、ツアー用ギター機材を解説しました。取材は先生のギターテクのトーマスとダグも交えて行われました。

 

今週は前半のギター紹介から。

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ギターテクのダグにツアー使用ギターを見せてもらいます。

ダグ:これがEVO、皆が一目でわかり、興奮するスティーブ長年の相棒ギターだ。良くセットアップについて訊かれるのだけど、とても一般的だよ、弦のゲージは .009-.042、弦高は、僕は1/32"(訳者注:アメリカ人が使うインチの分数単位)を単位に測るのだけど、12フレットで3.2、1弦で3くらいだ。スティーブは弦高が低いのは好きじゃなくて、この方が音を掴めるんだ。

ミリ単位を使ってる人向けに言うと、僕のギターならここ(6弦)は2mmで、こっちは(1弦)1.8㎜くらいだ。

それが一般的なセッティングだろうね。でもスティーブはもう少し高いのが好きなんだ。ヘヴィにグリップするからね。

ちなみに僕らは数か月前にトーマスとビデオを撮影したんだ。スティーブのセットアップを解説しているから、そっちの動画もチェックしてね。

(こちらの動画です)

 

(訳者注:トーマスが弦高を測っている上の動画ではEVOのセッティングで、12フレット1弦で1㎜、6弦で1.25㎜と低めの弦高を言っているので、上でダグが言っている高めの弦高と話が食い違っているため、実際のところが良く分かりません。トーマスの動画ではEVOのヘッド側ロックナットが手でロック/アンロックできる部品に換えられていますが、今回のツアー仕様のEVOも搭載済?)

ダグ:これは "Little Pretty" 用の Ibanez ジョン・スコフィールドのモデルだ。素晴らしいサウンドのギターでスティーブのお気に入りだよ。これは少々弦がヘヴィで .009-.046だ。チューニングはスタンダードだよ。

これはオリジナルのFLO。ネックは新しくて、Ibanez のストックのままで、軽くスキャロップしてある。彼の好みだよ。フレットは EVO gold fret wire でジャンボサイズだけど、大きすぎることも小さすぎることもない。クラシックなヴァイ仕様のギターだ。

こっちは過去12年程でスティーブのメインギターになっているFLOⅢサステイナーは Fernandes だ。フレットは EVO gold fret。トーマスがこのギターにはチューナーを付けたんだ。

トーマス:Graph Tech Ratio Tuner だよ。私個人は Steinberger のが好きなんだ、指2本でできて凄く簡単だからね。でもこれには(ヘッド裏に磁石も設置してあるので)あれを付けたよ。

(訳者注:以前こちらでヴァイ先生が Graph Tech Ratio Tuner の話をしていました)

staytogether.hateblo.jp

ダグ:これが新しいPIA。(ONIX)スティーブはとても気に入っている。ステンレス・スチールのフレットでこれなら摩耗しない。ヴィブラートにはとてもグラッシーなフィールがあるよ。スキャロップしてあって、Sustainiac を搭載している。まだ色々試している段階だ。スティーブは Fernandes をもう20年以上使っているね。"Giant Balls of Gold" で使っている。

これが "Avalancha" で使っているギター(BO)ドロップCにチューニングされてる。それに合わせてゲージも変えるんだ。今は .010-.046だけど、時々変えて実験しているんだ。

トーマス:UKのマーティン・シムズが初めてネックにLEDを搭載するアイデアを思い付いたんだ。1999年にオリジナルのネックにそれをやったのが彼だ。

ダグ:これはBOの姉妹みたいなギター、PIAのENVYだ。LEDが搭載してあって、"Bad Horsie" で使う。トーマス発案のスライドをマジックテープでネック裏に止める仕様だ。これも Sustainiac を搭載している。ヘッド裏にはネオジム磁石があってレンチを収納できる。高価な磁石だよね。

トーマス:2インチで$50くらいするんだ。

ダグ:ENVYのスキャロップはもう少し深くなっていて、これも EVO gold fret だ。

トーマス:このLEDもマークが作ったんだが、明るすぎるとスティーブに言われて(光量を落とす)遮光素材を入れたんだ。

ダグ:これが7弦の BRUNO 、"For The Love Of God" のビデオでお馴染みだ。"Zeus In Chains" で使用する。ゲージは .009-.042でドロップAにチューニングしてある。ほぼストックの状態で、スキャロップもない。

このギター(Glissando)はまだ調整中で、あまり出番がないのだけど、Whitesnake 時代を思い出させる。Universe モデルで、"Deeper The Love" のMVで使っている。ドニントン・ライブの "For The Love Of God" 演奏でも。

実はまだここ(左側ホーンの先)にフックが残っているんだよ、演奏の最後で上空に釣り上げたときのものだ。とても重いギターでボディはモザイク状の鏡で覆われている。北米ツアーではもっと使うかもしれないね。今僕らはもう少し温かいサウンドになるよう取り組んでいるんだ。オーディエンスは観るのを楽しみにしてるよね。

ティーブがセミホロウを弾くのには驚いたよ。

ダグ:リハーサルで何本かのホロウボディを試したんだ。MVで使っている Ibanez のブルー・ホロウボディを何とか使おうと思ったけれど、上手くいかなかったので、

トーマス:スティーブは彼の Gretsch を使うと言い出した。

ダグ:Ibanez がリハーサルにこのギターを持って来てくれて、それが素晴らしいサウンドだったんだ。ジョン・スコフィールドのモデルのストックそのままで使っているよ。

(次週 Part 2:ペダルボードとラック機材の説明に続く)